【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

孫崎氏の指摘にうなづく

2015-08-26 20:40:35 | 転載

             櫻井 智志

「孫崎享のつぶやき」はこう述べている。
===============================
安倍首相は積極的平和の言葉「盗用」 平和学の父・ガルトゥング氏強く批判
2015-08-26 06:504




ヨハン・ガルトゥングは平和研究、紛争研究の開拓者として知られている。このヨハン・ガルトゥングは安倍首相の「積極的平和論」を「盗用と厳しく批判している。

A:事実関係:

1:23日琉球新報報道

「平和学の父」として世界的に知られるヨハン・ガルトゥング氏は22日講演に先立ち、新基地建設が進む名護市辺野古を視察し「安倍首相は『積極的平和』という言葉を盗用し、私が意図した本来の意味とは正反対のことをしようとしている」と政府姿勢を批判した。

講演では、集団的自衛権について「時代遅れの安全保障」と、世界の潮流に逆行すると断じた。その上で「北東アジアの平和の傘構想を沖縄から積極的に提起していくべきだ」と強調した。

 世界の趨勢は軍事基地をなくしていく「新しい平和秩序」に向かっているとし、ヨーロッパ共同体(EU)や東南アジア諸国連合(ASEAN)などに遅れて北東アジアも2020年には共同体形成へ向かうと予測した。

 日本、ロシア、韓国、北朝鮮、中国、台湾の6カ国・地域による北東アジアにおいて「沖縄は地理的に非常に重要な位置にある」と指摘。尖閣諸島や竹島、北方領土の問題で日本は台湾以外とは好ましくない関係にあるとし、核の傘ではなく「平和の傘を築く必要性がある」と述べた。

 また沖縄は米国と日本に植民地のように扱われてきたとの認識を示した。それを乗り越えるには、単に「基地反対」を叫ぶだけではなく、北東アジアの平和を積極的に提起するよう話した。

2:26日朝日新聞、インタビュー「軍事同盟は不要、北東アジア共同体創設に向け努力を

・私の提唱するのと、日本政府のものとは全く異なる。

・積極的平和は平和を深めるもので、軍事同盟を必要とせず、専守防衛を旨とします。平和の概念が乱用されています。

・安保関連法案が成立すれば、日本は米国と一緒に世界中で武力を行使していくでしょう。そうなれば、必ず報復を招きます。日本は安全を高めるどころか、安全がおびやかされるようになります。

・北東アジア共同体創設を提起したい。モデルはEC(欧州共同体)です、

(政治体制が異なり領土問題を抱えるそれぞれの二国間関係を考えると実現は難しいのでは)

 政治体制が異なっても協力はできます、

 共同プロジェクトを通じてよい点を発見しながら、段階的に進めていくのです。

・領有権を主張しあっている土地は共同管理する。

・国際紛争を解決する手段として武力を放棄した憲法一項を堅持すると、国連の場で表明するのです。1928年のパリ不戦条約を実現することにつながるからです。

・【エクアドルとペルーの国境紛争について】

 1995年にエクアドル大統領から、国境線について意見を求められました。私は共同管理を提言しました。同国は3年後に二国間ゾーンを提案、これを一部取り入れる形で和平協定も結ばれました

B:コメント

 安倍首相は戦後70年談話でも積極的平和主義に言及しているが、これまた詭弁である。

 積極的平和主義といえば、平和的手段を強める印象を与える。

 しかし、集団的自衛権にみられるごとく、平和を目指すという名目で、平和と真逆の軍事力使用を行うという事である。

 まったくいかさまの表現である。

 残念ながら、ここでもまた、日本人の多くは騙されている。

 この点をヨハン・ガルトゥングが指摘した。日本はこの発言を知っていい。

========================================================

見解

 「積極的平和」を実際の国際的平和運動で推進しているヨハン・ガルトゥング氏。氏は、日本の政治的トップが「盗用」しているのだと告発している。私は、オリンピックのデザインなどの盗用問題か否かという騒動を想い出した。わが國の総理が、言葉を盗用していて、積極的軍拡を進めているのだ。しもじもの国民が盗っ人同然のことをするのも、なるほどと想い、そして限りなく情けなくなる。