【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

転載【渡辺謙氏の「どんな経緯で出来た憲法であれ僕は世界に誇れると思う」発言を考えてみたい】

2015-09-10 11:23:14 | 転載
きょうの【孫崎享のつぶやき】
渡辺謙氏の「どんな経緯で出来た憲法であれ僕は世界に誇れると思う」発言を考えてみたい
2015-09-10 07:452


渡辺謙氏が8月1日に行ったツイートは、 リツイート20,970 、 お気に入り16,656

と大変な反響を生んでいる。この発言を考えてみたい。

A:発言内容

「· 一人も兵士が戦死しないで70年を過ごしてきたこの国。どんな経緯で出来た憲法であれ僕は世界に誇れると思う、戦争はしないんだと!複雑で利害が異なる隣国とも、ポケットに忍ばせた拳や石ころよりも最大の抑止力は友人であることだと思う。その為に僕は世界に友人を増やしたい。絵空事と笑われても。」

B:評価

・渡辺謙氏は、本能的に、直感的に、物事の本質をとらえている。

・「ポケットに忍ばせた拳や石ころよりも最大の抑止力は友人であることだと思う」との発言があった。

相手が、凶悪であればあるだけ、「拳や石ころ」では何の役に立たない。

暴力団がナイフや拳銃を持っている時に、「拳や石ころ」で十分だと思う者は誰もいない。

中国が軍事力を高めたとしても、日本にはこれと闘う術はない

大量の核兵器を持っている。ミサイルを持っている。これに対して防ぐ方法はない。一発や2発の核兵器を持ったところで、何の抑止力にならない。尖閣諸島周辺には、台湾独立を阻止するために配備した戦闘機が存在する。「拳や石ころ」で何の役にも立たない。

「最大の抑止力は友人であることだと思う」はまさに独仏が第二次大戦以降に築いた関係だ。独仏は第一次大戦、第2次大戦と多大の犠牲者を出した。その教訓から、欧州石炭鉄鋼共同体という協力関係を構築し、今日のEUに発展させた。誰も今日、独仏が戦うとは思わない。「絵空事」ではない。同じことが、ASEAN諸国に言える。

・渡辺謙氏は、国際政治と言う学問を学ばなかったかもしれないが、国際政治の本質をしっかり把握している。

・安保法制でいたずらに中国への脅威を叫び、自衛隊を米国戦略の為に海外派兵しようとしている際、一人でも多くの人に、渡辺謙氏の発言に接してほしい。