櫻井 智志
【日刊ゲンダイ】転載「選挙にも影響」SEALDs奥田さん“渾身公述”に国会議員は戦慄
2015年9月16日
参院特別委の中央公聴会での奥田愛基氏(C)日刊ゲンダイ
15日、参院特別委の中央公聴会に出席したシールズの中心メンバーで明治学院大4年の奥田愛基氏(23)。学生が国会に公述人として呼ばれたことも異例だが、16分間にわたるスピーチは相当、安倍首相や与党議員をビビらせたはずだ。
冒頭で「あのー、すいません。先ほどから、寝ている方がたくさんおられるので、もしよろしければ話を聞いてほしい」「ボクも2日間くらい寝られなかったので、帰ったら早く寝たいと思っています」とカマした奥田氏。
「私たちの調査によれば、日本全国で2000件以上、数千回を超える抗議が行われています。累計130万人が路上に出て(安保法案反対の)声を上げています」「たくさんの集会があの町でもこの町でも行われています」「声を上げずとも疑問に思っている人はその数十倍以上いるでしょう」と畳みかけた。
そして、「強調しておきたいことがあります」と言うと、「私たち政治的無関心といわれてきた若い世代が動き始めているということです」「この国の民主主義のあり方について、この国の未来について、主体的に一人一人、個人として考え、立ち上がっていったものです」と続けた。
これぞ、無党派層の“戦闘宣言”ではないか。
公述を聞いた政治ジャーナリストの角谷浩一氏の感想はこうだ。
「奥田氏のスピーチはたどたどしく、学生が国会で熱弁を振るう様子は場違いな印象がありましたが、そのギャップがかえって見応えがありました。“等身大の声”として公聴会の様子を見た人の心には響いたと思います。また、彼は、危機感を抱いた若い世代が立ち上がり、路上に出て、至る所でデモや集会を行ったことで、大きなうねりができたと言っていましたが、まさにその通りだと思います。政党や世代を超えた無党派の大きなうねりは、もはや止めようがありません」
国会議員なんて、何よりも選挙での洗礼が怖いのである。それを見透かすように奥田氏は続けた。
「法案が強行採決されたら、全国各地でこれまで以上に声が上がり、連日、国会前は人であふれ返るでしょう」「次の選挙にも、もちろん影響を与えるでしょう」「私たちは政治家の方の発言や態度を忘れません。3連休を挟めば忘れるだなんて、国民をバカにしないでください」
参院特別委が16日、強行採決するのであれば、無党派層の挑戦を蹴散らす意思表示ということになる。
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私見
いま午後四時。六時から国会中継がある。そこで強行採決するとしたら、それは安倍政権の焦りのすえの暴走である。民主党・共産党中心に国会議員たちは様々な手段を講ずる。
国会の外では波のように相次いで押し寄せる市民たちの集会、デモ、行動は全国に広がっている。
強行採決したら、ふたたび廃案の取り組みをすることも、安倍倒閣の運動を開始することも、いまの日本の国民的な市民運動は奥田氏のような若い世代から老壮年の国民まで広範な年代に階層に広がっている。
16日乃至は17日に強行採決すれば、そのあとの連休で国民の怒りは醒める、などと国民を馬鹿にするのも浅はかきわまる。60年安保闘争を超えて、政権倒閣後にさらに相次ぐ参議院などの選挙は続く。
日本国民はドイツのように、ナチス版アベラーの行く手を遮る。やつらを通すな。