【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

「法案成立に必要なもの、国民の支持、立法事実、民主主義のプロセスと、すべてが崩れ去った」

2015-09-18 23:43:57 | 社会・政治思想・歴史
「法案成立に必要なもの、国民の支持、立法事実、民主主義のプロセスと、すべてが崩れ去ったのです。何ひとつ正当性がなくなったものだから、最後は力で強行採決した。」(弁護士倉持麟太郎氏のご発言。記事参照)
                      櫻井 智志


 安保法案は、本日9月18日中に可決できていない。民主党・日本共産党・社民党・生活の党と山本太郎となかまたちの小生が名付けた「反戦争・平和擁護政党連合」の縦横無尽の力闘で、あれだけ票差はあっても、明日9月19日午前に延会ということで、採決にまで届いていない。

 以下の日刊ゲンダイの記事を、仕事帰りのバスの中で読んでとても勇気づけられた。昔朝日ジャーナル、いま日刊ゲンダイ。少なくとも下に転載させていただく記事は、朝日新聞よりもはるかに見識ある政治的判断と政治的構想力のある記事である。




【日刊ゲンダイ転載】


=======転載 開始============================

憲法と民主主義を破壊…安保法案「強行採決」識者はどうみたか
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/164224/4
ツイート
2015年9月18日

《民主党の小西洋之議員にパンチをかましたヒゲの隊長》


 国会審議を通じて、その違憲性とデタラメさがこれでもか、と露呈した安保法案が17日、参院特別委員会で強行採決されて可決した。法案は参院本会議にかけられ、こちらも「数の横暴」で可決、成立する運びだが、野党は議院運営委員長の解任決議案や中谷防衛相の問責決議案を連発。18日は安倍首相の問責決議案を出し、衆院での内閣不信任案提出と、あらゆる抵抗を試みている。それにしても、今回の強行採決でハッキリわかったことがある。

 この国では憲法が破壊されただけでなく、民主主義の手続きも壊され、もう何でもありになってしまったということだ。それが今度の国会審議と採決強行日程であからさまになった。だから反対運動が広がったのに、そのシュプレヒコールが最高潮に達した瞬間に、与党はその声を力でねじ伏せたのである。

「それも採決の瞬間、鴻池委員長は何を言っているのか、まったく聞き取れず、参議院の速記録には(議場騒然、聴取不能)と書かれていた。果たして、これで11本の法案と付帯決議を採決したと言えるのでしょうか。鴻池委員長は17日、第一委員会室で理事会を開くというだまし討ちをやろうとして、委員会は紛糾、野党から不信任案を出された。立法府が時の政権の言いなりで、こんなセコいことまでやってしまう。参院の矜持はないんですかね。こんなことが許されるのであれば、もう何でもありになってしまう。三権分立も何もありません」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)

 与党は18日午前、問責を連発し、演説をつづける野党に業を煮やし、討論時間を10分以内に制限する動議を可決した。露骨な言論封殺で、もうムチャクチャだ。安保法制の国会審議をすべてウオッチしてきた弁護士の倉持麟太郎氏はこう言った。

「強行採決の前日に横浜で開かれた地方公聴会は、採決の日程を決めたうえで開いたアリバイ的なセレモニーでした。安保法制の国会審議では最後になって安倍首相がホルムズ海峡での機雷掃海を想定していないと答弁するなど、立法事実が次々と崩れた。国民の反対運動も凄まじい勢いで拡大した。つまり、法案成立に必要なもの、国民の支持、立法事実、民主主義のプロセスと、すべてが崩れ去ったのです。何ひとつ正当性がなくなったものだから、最後は力で強行採決した。横暴の一語です」

 憲法を踏みにじり、立憲主義を否定し、民主主義の手続きを破壊し、国会を形骸化させた。それがこの法案審議と採決における、安倍政権の“成果”なのである。

「僕には強行採決する理由がさっぱりわからない。安倍自民党は支持率が下落し、アジア諸国との関係も悪くなるでしょう。結局、安倍首相は米国から『使えるヤツ』と思われることが最重要と信じているのではないか」(思想家の内田樹氏=17日の国会内での講演)

 野蛮政権の蛮行は世紀の愚行でもあって、日本が失ったものの大きさにはボー然とするばかりだ。



《後ろ暗い安倍首相の顔色を見てもこの政権は長くない》


 委員会の強行採決で自民党の高村正彦副総裁は「大きなヤマを越えた」と安堵していたが、その高村副総裁の人相の悪くなったこと。安倍首相はというと、採決の瞬間は委員会室から出ていて、17日夜は閣僚の問責決議案が連発されているのに、よっぽど体調が悪いのか、さっさと自宅に帰ってしまった。

 このところ、嘔吐だ、吐血だと報じられ、その真偽はとにかく、顔色が悪く、薬の副作用なのか、明らかなムーンフェースの安倍首相は、可決に喜ぶどころか、疲れ切った表情を見せている。これこそが、安倍首相の後ろめたさ、後ろ暗さと今後を暗示しているのではないか。政治評論家の野上忠興氏は言う。

「これで間違いなく支持率は相当下がりますよ。どの世論調査でも、今国会での強行採決に賛成は2割強、5割以上が反対です。ただでさえ、3割台に低下した内閣支持率が2割台になってもおかしくない。問題はそうなったときに、今後上がり目になるような目玉がないことです。五輪もケチがつきっ放しだし、国債も格下げされて、経済はメタメタです。頼みは内閣改造のサプライズ人事ですが、どこに、そんな人材がいるのか。それどころか大半の閣僚を留任させる意向ともっぱらですから、大臣ポストをばらまくわけにもいかず、人事で恨みを買う恐れもある。落ち目の政権はこうして求心力を失って党内がザワついてくるのです。国民世論をなめていた安倍政権は、来年の参院選まで持つかどうかも怪しいものです」

 そうなれば、当然、支持率下落がストレスとなって、確実に安倍の体をむしばんでいく。自業自得の末路が見え隠れする。

========転載終了===============

見解

 60年安保では、安保条約が批准され、闘った国民は挫折の季節に入っていき、岸内閣は退陣し、後を嗣いだ池田勇人氏は所得倍増計画で経済政策にしぼり国民生活の経済的向上につとめた。そのかわり政治的には護憲のスタンスで保守本流の安定政治路線を固めた。戦後政治史を見ると、この池田勇人から大平正芳、宮澤喜一、鈴木善幸、伊東正義、河野洋平、などの自民党政治は、戦後日本をそれなりに世界に「平和憲法国家」として知らしめた。
 もちろん沖縄の犠牲、公害の全国拡散、等などの政治的矛盾と無策に等しい一面も二面もあり、手放しで賛辞をおくるつもりはない。

しかし、中曽根康弘、小泉純一郎らの親軍国主義政治は、いまの安倍政権の下地になっている。

 これから政局は、反原発連合や安保法案に抗して生まれた新たな抵抗運動などが大きなうねりとなって、長期的な展望に入っていく。私称「反戦争・平和擁護政党連合」は、参院選に向けてオールにっぽんを形成して、護憲勢力の選挙に向けた策略が練られなければならない。

 そしてなによりも、今回立ち上がった若者から若い母親ママさんとよばれる層まで広範に立ち上がった国民と共闘し、彼らをリードするなどと思わずともに安倍政治に抵抗する具体的でわかりやすいテーマでとり組み続けていってほしい。

 真夜中に泥棒猫政権は、戦争法案を可決していくことだろう。今はそんなことに挫折するような余裕はない。福島原発被害者や沖縄県民とともに、「国民のいのちと暮らし」を擁護するために、とり組む課題は明確なものとして目の前に、在る。

自民党と公明党に思うこと

2015-09-18 22:21:36 | 言論と政治

             櫻井智志


自民党菅官房長官が賛成したのだから強行採決ではない、

公明党幹部は、一部野党の暴力が残念といった。

なるほど、強行採決でないことを僭称するために、擦り寄った次世代の党・新党改革などはうまく利用されたいうことだ。
公明党は、創価学会を使って叛乱劇をしくんだだけだ。
創価学会は公明党より上位にある。公明党の竹入委員長矢野旬也委員長は創価学会のトップの意向でとばされたり、追放されてからも脅迫されている。矢野旬也氏の著作に明示されている。
高度の芝居をしくんだ創価学会にだまされてはいけない。
国会が閉会後に創価学会と公明党がどう動くか。
決して公明党も創価学会も平和理念の方向には動かない。
安倍政権にすりよったまま行動していく。