【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

東大研究と軍事利用の陥穽

2015-01-17 12:12:46 | 転載と私見
東大研究と軍事利用の陥穽

櫻井智志


ある一般新聞から要旨を書き起こした記事です。
一面に掲載された記事ですが、web上で見当たりません。
新聞社側の思惑からすれば、お手軽なコピー&ペイストによってあちこちに流布された時の権力側からの抑圧を受けやすくなることを警戒してのことかも知れません。私も今回は新聞名は伏せます。



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東京大学、軍事研究を一部容認
「一切禁止」から指針変更


 東大大学院の情報理工学研究科が昨年十二月、ガイドラインを変更、これまで禁止してきた軍事研究を一部容認していたことが東大への取材で分かった。歯止めは設けているものの同科では一定の軍事研究が可能になるとみられる。

 東大の浜田純一学長は十六日、「東大での研究成果について、デュアルユース(軍事・平和利用)の可能性は高まっている。個々の場面で適切な在り方を丁寧に議論し対応していくことが必要である」などとするコメントを出した。
 東大によると、同科が二〇一一年に作成した研究ガイドラインでは「一切の例外なく軍事研究を禁止している」としていたが、昨年十二月に「研究者の良識のもと、軍事・平和利用の両義性を深く意識しながら個々の研究を深く意識しながら個々の研究を進める」などと改めた。
 一方で、「成果が非公開となる機密性の高い軍事を目的とする研究は行わない」とも定めた。

 東大では一九五六年と六七年に評議会で、全ての事研究を禁止するとの方針を軍申し合わせていた。



『この東大の動きにほかの大学では懸念を強めている。池内了(さとる)名古屋大学名誉教授(宇宙物理学)の話』


 東大は「軍事研究そのものを解禁したわけではない」としているが、「研究者が勝手にやる分には仕方がない」と放置しているように映る。「機密性の高い軍事研究は行わない」ともしているが、特定秘密保護法により実際に機密を定めるのは防衛省であり、空文となるのではないか、  今回の改定では、大学全体が軍事研究にのみこまれていく危険性があり、ほかの大学にも波及することが懸念される。

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 もう安倍自公政権だけの次元ではない。安倍政権からの強硬的なしめつけは国民生活のあらゆる分野に広がって、サザンオールスターズのコンサートにまで介入しているが、東大という一応日本の偏差値を代表する大学人がこれほど不様な軍事研究の領域に容易にのめりこんでいくとは・・・・
 国民のマゾヒスト的な「騙されたい」本能的資質は、日本人数千年の遺伝子に刻み込まれているのだろうか。その点でもかつての琉球王国がルーツの沖縄県民やアイヌ民族がルーツの東北・北海道の民衆の我慢強さが日本をリードしていける主体たりうるだろう。東大進学競争なんてこういう東大の実態を知ると、呆れるほど情けない競争だ。それは教育本来の趣旨とかけ離れている。
 教育はいのちを育み伸ばしていく営みだが、今回の東大の動きは、人間のいのちを破壊する戦争準備体制への、消極的な参加表明といっても言い過ぎではあるまい。もちろん東大にも教授から学生まで、日本の知性を代表しうる多くの存在を信じて疑わない。問題は二極分化して、多くの一般東大の教職員や学生達は、このような渦に巻き込まれていく危険性に瀕していることだ。そしてその渦は日本全国各地の他の大学に波及していく濃厚な情勢のもとに瀕していることだ。

自立した社会主義者川上徹を追悼する

2015-01-13 11:45:52 | 社会・政治思想・歴史
自立した社会主義者川上徹を追悼する

              櫻井智志

 私は川上徹氏の声を電話で聞いた。出版した『座標』のことで同時代社に電話した時に、すでに社長を離れていた川上氏が電話に出て、わずかなやりとりであったが、凛とした声を聞いた。
 最も早く川上徹の名前を知ったのは、「全国民主主義教育研究会」の機関誌『民主主義教育』であった。公民教育における民間教育側の社会科教育団体だった。そこには哲学者古在由重氏がときどき対談や座談会、随筆などを寄せていた。川上徹氏と古在由重氏とは、私の意識にセットとしてあった。

 古在由重氏が逝去され、「古在由重先生を偲ぶ集い」が、東京・九段会館で開かれた。青木書店の江口十四一氏、岩波書店の緑川亨氏をはじめ錚々たる知識人が実行委員に名前を連ねていた。その事務局長を務めたのが川上徹氏であった。戦前戦後を貫いて唯物論哲学者として実践的知識人だった古在由重氏は、ここで詳細はしないが、哲学者として啓蒙家として実践家として見事な先達であった。原水禁団体の統一問題で、古在由重氏は離党を願ったが、日本共産党からは除籍処分を受けた。その追悼の集いを事務局長として企画・実行したことで、共産党からの注意を振り払って行動したことが、日本共産党規約に触れて除籍された。
 川上徹氏は、古在氏が逝去した後も、主宰する同時代社から『古在由重 人・行動・思想 二十世紀日本の抵抗者』を「古在由重 人・行動・思想」編集委員会が編集して、ちょうど四〇〇頁の単行本を一九九一年七月一五日初版として出版した。勁草書房からは翌一九九二年に鈴木正が編者となって『古在由重 哲学者の語り口』を出版している。二〇〇一年には太田哲男氏が編者となり、『暗き時代の抵抗者たち 対談 古在由重・丸山眞男』を同時代社から出版した。

 川上徹は、東大教育学部の学生の頃から学生運動に真摯に取り組み続けた。大学闘争では、日本共産党を支持する全学連の活動家として、一貫して実践し続けた。その頃から古在由重氏の生き方と学問を尊敬してやりとりもあったと思われる。いわゆる「新日和見主義」問題では、査問を受けている。後の一九九七年筑摩書房の『査問』では二十年以上も過ぎてから、査問を受けた様子を静かに描きだしている。二〇〇二年にも筑摩書房から『アカ』を出版している。ここでは戦前に長野県で新教・教労の教育労働運動に取り組んだ御尊父の受難を描き、自らの原点をも鮮明に伝えている。
 また、大窪一志との共著『素描・1960年代』同時代社 (二〇〇七年出版)では、自らの学生運動を新日和見主義運動と見なしていると聞く。私はこの本は未読だが、川上氏は居直りではなく、新日和見主義として批判された行動そのものの実際の姿とその意義を伝えたかったと思われる。親鸞の「善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」の悪人正機説のように、自らが信念として行動したことを、言い逃れや否定せずに、その意義を伝えたかったと想像する。

 時代は変わった。支配層の政権は、安部晋三氏が総理となった自公政権となり、一挙に日本国憲法を変え、軍隊をもち海外侵略の企図を進めている。国会は衆参両院ともに3分の2前後の議席を与党自民公明が占めている。日本共産党は広く国民との共同・共闘や一点共闘を訴え、衆院総選挙沖縄県では1区から4区まで、反自公政権の「オール沖縄」が勝利して、急速に統一戦線を広げている。本土では沖縄のような統一戦線は、一歩間違うと野党野合に堕しかねない。

 私は現在の日本共産党の姿勢と闘争を支持する。しかし、民衆闘争の歴史で古在由重氏や川上徹氏らが受けた受難は、歴史に蓋をしてしまうのでなく、闘争激動期に発生した問題を、どう民衆側はとらえ、「統一と協同」の組織を磨き直すか、たえず吟味していく必要がある。
 いまでは日本共産党も他者への批判において安易な「反党分子」「反革命分子」のようなレッテル貼りはしていない。川上徹氏のご冥福を祈念するとともに、日本の民主的革新の運動が一歩前進することを願うものである。


国民へ強制された「単眼」の認識様式 2014/6/7

2015-01-10 20:54:04 | 言論対話原稿所収
国民へ強制された「単眼」の認識様式

2014/6/7 櫻井智志

 安倍政権は、情けない一期目の惨状とは段違いの状態である。抵抗し国民的構想をもつ日本共産党や社会民主党、緑の党などの野党は、国会では少数派である。「ゆ」党のいわゆる野党は、強大な自民党の前で内部抗争や離散集合を繰り返し、国民的支持を得ている政党などない。
 安倍自公政権の横暴ぶりに国民は広く怒りや無力感を感じているが、その怒りや反発は届いていく回路が切断している。なぜこのような状態が生じているのか。私は、安倍自公政権が国民に対して、発生している政治的社会的惨状を、国民が事実を正しく認識することを阻む弊害を意図的計画的に招くような「仕掛け」を巧妙に設定しているという仮説をもっている。

 端的に言うと、国民は社会的認識を偏頗で歪んだステロタイプの社会認識しかもてないようにされている。そのような仕掛けは、安倍自公政権が主体であり、国民全体が仕掛けられた客体である。
 その仕掛けは、「柔らかい弾圧と巧妙な政策」によって形成されている。外国特派員が本国に知らせたニュースが、政府を経由して日本国内で流布しているニュースとは全く異なることがある。戦後に進歩派と目された朝日新聞や毎日新聞でさえ、報道されるニュースは、政府の公報と変わらないような性質のニュースが見受けられる。産経や日経、読売などの全国紙は、さらにひどい場合がある。各社の社説や論調は、とくにひどい。原発報道、TPP、集団的自衛権、憲法改定問題など社会の岐路を示すような展望が、国民の社会的認識を深めたり高めたりするよりも、一定の決まり切ったような政府見解の二番煎じ三番煎じとなっている。

 さらに安倍自公政権は、NHKのような公的要素を孕む報道機関に、誰もが知っている会長や経営委員の人事の安倍総理独特の独断専行強行をすすめてきた。安倍総理に選任されたNHKの会長や経営委員が、いかに社会的常識から逸脱して世間で問題となっても、国民の声は無視してそのまま知らぬ顔ですませている。  安倍政権は、沖縄県の良心的な報道を続けている琉球新報や沖縄タイムスの本社にいきなり報道が偏っているから是正すべきだという弾圧的介入をおこなった。まさに安倍自公政権とは、報道機関を籠絡と懐柔、弾圧と恐喝めいた対応で世論誘導を行い続けている。

 国民は、政府が言うことだから、と半分は懐疑をもっても、半分は信じ込もうとする。人間にとって、不安と失意に晒され続けていることは、ナチスの時代に『夜と霧』を執筆してドイツ・ナチズムのアウシュヴイッツ収容所的社会を告発した精神科医E・フランクルが描いた実態に明らかである。日本でも、戦時中に戦争を批判したり愚痴ったりすると、憲兵や特高はおろか「向こう三軒隣組」が監視機能を果たして「お上」に告げ口しあう卑劣な日本社会に落ちていった。そしてこれがただごとでないのは、現在の日本社会が、不安と失意にさらされている日本国民に、物事を「複眼」で多元的に判断する自立心と自主性とを奪いさり、上から単一的な「正解」の価値を注入されないとなにか落ち着か ず、社会的事象を単眼で見ることに落ち着きと安心感とを得るように変質してきたことである。

 そのような日本社会の変質は、容易に戦前型軍国主義管理社会に親和性をもつ。東京都知事選に自民党よりもさらに反動型の候補者が石原慎太郎氏の支援で、そうとうな都民の支持率を獲得した。東京都では、石原慎太郎都政の実現以来、都立高校の教職員が卒業式で「君が代」を歌い「日の丸」に敬礼しないで着席している教職員を相次いで弾圧し、処分を下していった。中には懲戒処分を受けた教職員さえいた。そのような管理社会を都立高校に現出させたのは、石原都知事に任命された東京都教育委員会の判断に基づくものであった。石原氏は戦前、戦時中の天皇制軍国主義をよしとするものなのか?つい最近、私は石原慎太郎に関する記事をインターネットで読み、驚いた。本評論の文脈で以下に 転載するしだいである。

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石原慎太郎、衝撃発言「皇室は日本の役に立たない」「皇居にお辞儀するのはバカ」

 「負けたのにヘラヘラ『楽しかった』はありえない」「メダルをかじるな」、そして「君が代は聴くのでなく直立不動で歌え」。
 2月23日に閉幕したソチ五輪に関連して、「明治天皇の玄孫」として話題の右派論客である慶應義塾大学講師・竹田恒泰氏が、日本選手に対して上記のコメントをTwitterに投稿して物議を醸したが、スポーツの国際大会では出場選手に対して、しばしば国家への忠誠を強要するようなプレッシャーがかけられることがある。
 中でも厳しいのは試合前や表彰式での「国歌斉唱」のチェックで、元サッカー日本代表の中田英寿氏のように「国歌を歌っていない」として右翼から街宣や抗議を受けたケースも少なくない。
 そんな中、意外な人物が「国歌なんて歌わない」と堂々と宣言して一部で話題になっている。
 政治家でありながら中韓に対してネトウヨ顔負けのヘイトスピーチ的発言を繰り返し、東京都知事時代には尖閣諸島の買収を宣言して領土問題再燃のきっかけをつくった人物。日本維新の会共同代表・石原慎太郎氏である。
●石原氏「国歌は歌わない」
「文學界」(文藝春秋/3月号)に「石原慎太郎『芥川賞と私のパラドクシカルな関係』」と題されたインタビューが掲載されているのだが、そこで石原氏は「皇室について、どのようにお考えですか」と聞かれ、次のような発言をしているのだ。
「いや、皇室にはあまり興味はないね。僕、国歌歌わないもん。国歌を歌うときにはね、僕は自分の文句で歌うんです。『わがひのもとは』って歌うの」
 つまり、石原氏は国歌を歌わないばかりか、仕方なく歌う場合には歌詞を「君が代は(天皇の世は)」ではなく「わがひのもとは(私の日本は)」と歌詞を変えてしまうというのだ。
 代表的な右派論客が堂々と天皇をないがしろにするような発言をしていることに驚かれる読者もいるかもしれないが、石原氏がもともと反天皇制的なスタンスを取っていることは一部では知られていた。今から約50年前、天皇一家の処刑シーンを描いた深沢七郎の小説『風流夢譚』をめぐって、右翼団体構成員が版元の中央公論社の社長夫人と家政婦を死傷させる事件が起きているが、事件の直前に石原氏はこの小説について、こんなコメントを寄せている。
「とても面白かった。皇室は無責任極まるものだし、日本になんの役にも立たなかった。そういう皇室に対するフラストレーションを我々庶民は持っている」(「週刊文春」<文藝春秋/1960年12月12日号>)
●国歌斉唱時の起立義務付けをしながら、自分は斉唱拒否
 先に紹介した「文學界」インタビューでも、石原氏は戦時中、父親から「天皇陛下がいるから皇居に向かって頭を下げろ」と言われた際、「姿も見えないのに遠くからみんなお辞儀する。バカじゃないか、と思ったね」と語っている。
 もちろん思想信条は自由だし、最近は反韓反中がメインで天皇に対しては否定的という右派論客も少なくない。だが、石原氏は都知事時代、都立高教員に国歌斉唱時の起立を強制し、不起立の教師を次々に処分していたのではなかったか。また、日本維新の会の共同代表で石原氏のパートナー・橋下徹氏も大阪府知事だった11年、国歌斉唱時に教職員の起立を義務付けた、いわゆる「君が代条例」を大阪府で成立させている。

 一方で国民に愛国心を強制しながら、自分は平気で「国歌が嫌い」と斉唱を拒否するというのは、いくらなんでもご都合主義がすぎるのではないか。
(文=エンジョウトオルさん)
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 石原氏のご都合主義は、この日本社会の支配階級に属するひとびとの無責任さといい加減さを物語っている。民衆を統治するためには、無理難題も道理に合わない言動も平気でとる。少なくとも、私は石原慎太郎氏、森喜朗氏、麻生太郎氏などの歴代の総理や代議士よりも、いまの天皇ご夫妻のほうがどれほど民主主義者に近いと考えている。

 いま日本社会は、国民を単一の価値観に誘導し、安倍自公政権の価値観のままに「教化」する道に羊のようにいざなわれている。そのことを見破り批判し論破するような国民は、陰湿な政権下で徹底した監視と統制のコントロール下に置かれている。そのことが、毎回の重要な国政選挙や首長選挙で厖大な棄権者を出している原因である。国民は無関心なのではない。政府の驚くべき統制と弾圧策のもとで、おびえ失望の中にいる。そこから一部は、自民党よりも反動的な政治的潮流に身を投じたり賛同したりする動きとなっている。単眼的価値観育成には、マスコミとともに教育制度が有効なものとして悪用されている。東北大学教育学部長や宮城瀬教育大学学長を務めた教育哲学者林竹二氏は、『教育 亡国』を表して嘆くとともに、自らの全国授業行脚を通して、真の教育は東京の名門小学校での授業でなく、湊川工高定時制や沖縄県小学校にこそ営まれていたと授業記録を出版された。

 マスコミと教育機関を通じて、日本をファッショ化してていこうとする日本亡国派に対して、広範な国民の真実と勇気の持続する営みが、歴史上の現代日本に強く求められている。すでに遅い。しかし遅すぎても、尻尾を巻くよりも立ち向かうことこそ、亡国派に対する抵抗のあかしとなる。次の世代への継承として。

「分裂体質」と「統一体質」~東京都知事選をめぐる論争にわだかまること~

2015-01-08 21:55:06 | 言論対話原稿所収
「分裂体質」と「統一体質」~東京都知事選をめぐる論争にわだかまること~

2014/3/21 櫻井智志

 宇都宮健児氏を支持する意見も批判する意見も、両方ともいまひとつすっきりとしない。それが何なのかをずうっと考えている。
 私が高校・大学生の頃に、美濃部亮吉氏が大内兵衛氏を黒幕として、社会党と共産党と市民団体とが統一協定を結び「明るい革新都政をつくる会」を結成した。そして大学経済学部教授の経験のある美濃部氏が立候補して、画期的な革新都政を実現した。やはり都知事選を考えるときに、ここが原点となるだろう。

 あれから時代も世情も変わった。
 宇都宮健児氏の選挙陣営にいれば、宇都宮氏の政策や行動のすべてに共感し納得させられることが多い。無償で選挙活動を支え続けた市民の尽力は画期的である。それを吸収しつづけた宇都宮氏を支持することはきわめて自然なことだろう。
 細川護煕氏と彼を支えた小泉純一郎氏。脱原発を政策と掲げた二人は、首長選挙というよりは、国会議員選挙に立候補する雰囲気がある。宇都宮氏の脱原発と細川氏の脱原発とでは、政策としての位置づけも価値観も異なっていた。保守政権を担ってきた首相が、在任当時に推進ないしは認可し続けてきた原発政策が、とんでもない実体であることに気付いた細川氏の念慮は、転回的なものがあっただろう。日本国民を滅亡の淵に追いやってはならない。その決心が都知事選立候補へと連なっている。よく国民から出る批判に、細川氏や小泉氏の過去の総理在任中のあきらかに国民無視の政策の酷さを告発する厳しさが秘められている。国民がその当時に我慢していた批判が鬱積して吹き出すことを、細川陣 営は過小評価していたのかも知れない。さらに細川・小泉在任中にも、同時代に的確な批判を行い続けてきた日本共産党などの政党や市民運動からも、とても反原発一本化できる相手ではないとの思いが感じられた。

 同時に、細川氏を徹底的に批判したのは、安倍自公与党だった。安倍政権は、選挙期間中にNHKなどのテレビで反原発の報道を徹底して押さえ込んだ。安倍首相は、祖父岸信介父親安倍晋太郎といった血統を継いだとは言っても、自民党派閥にあっては、小泉氏よりも弟分というか下位に位置していた。小泉氏が反原発を主張しはじめて、政権を継続できぬかも知れぬという危機感に駆られた。細川都知事で小泉氏が参謀では、安倍晋三は首相を交代させられる現実性があった。結果を見ると、なんのこはない、細川氏は宇都宮氏よりも低く三位じゃないか、という声が多かった。あの投票結果は、安倍自公政権が徹底的に報道のコントロールや組織総動員したことの結果の数字である。46%という投票 率で都民をけなすひともいるが、あの大雪のなかでお年寄りや障がいをもったかたが投票所まで行くことを考慮したら、その中の46%は決して都民以外が考えるよりは低くはない。同日に埼玉県の都市で市長選もあったが、そちらは20%台であったと後で知った。

 宇都宮健児陣営は、あきらかに一回目の出馬と異なった。一期目に中途挫折感があったであろう宇都宮氏は、積極的に選挙に取り組んだ。大雪の日の街頭フィナーレも、他の候補者が屋内で済ませたのと異なり、吹雪が顔に吹き付けても毅然とした風貌には視聴者を感動させるものがあった。さらに在日の辛淑玉さんが宇都宮氏との出会いと感銘とを受けて応援した演説は、宇都宮氏に強く支持を集めた。緑の党の若手三宅洋平さんが日本共産党の吉良よし子さんや無所属の山本太郎さんと一緒に参院選を東京で闘い、宇都宮さんを支持したことも、広く若者たちに広がっていった。ヒップホップ音楽のメッカで最終日の八時以降十二時直前まで政治に無関心な層との交流もよかった。
 さらに、宇都宮氏 は「東京レボリューション東京デモクラシイ」と名付けた。選挙後に総括文書を広く提案し意見を求めて、さらに市民集会を大規模な会場でおこない、都知事選後も盛り上がりを民主主義運動として続ける意向を明確にした。

 こういった一連の概観を見てくると、宇都宮氏の選挙戦はまっとうなものであったと思うし、選挙後の総括のしかたも日本共産党がかなりあいまいな印象的観念的なケースを批判されるのとは様相が異なる。宇都宮健児はなにかするのじゃないか?という期待を感じさせる。現実に京都府にとび四月六日の京都府知事選の候補者尾崎望氏を激励している。
 だが、反原発運動の側面から見ると、都知事選はどうであったろうか。
 日本共産党や宇都宮健児氏らの側では、細川護煕氏出馬と反原発運動の発展との関連において、どのような把握をされたであろうか。
 事実の経過として、福島原発が起きてから、すぐに官邸前に立ち再稼働反対要請行動に出た市民運動の数十人の皆さんがいらっしゃった。その年と次の年の内に代々木公園と明治公園で数万人の反原発集会を開いた。こちらは中心にいた有名人はさらに広がっていき、大江健三郎、鎌田慧、落合惠子、澤地久枝、佐高信、本多勝一、宇都宮健児、瀬戸内寂聴などの諸氏である。さらに河合弘之、海渡雄一氏らの弁護士が事務局をつとめた。

 ここで読者の皆さんに考えてほしい。まだ世間では混乱が続いている時に反原発運動をリードした鎌田氏、澤地氏、瀬戸内氏、河合氏らが、反原発候補一本化が実現しないとわかった段階で、なぜ細川氏支援に回ったのかを。彼らの認識は、原発事故が起きてまもなく立ち上がるほどものごとが見えている人々である。河合弁護士は『世界』2014年4月号で「対談 河合弘之×海渡雄一 都知事選後の脱原発運動をめぐって」で語っている。細川陣営に入っても、選対事務局にはほとんど立ち入れなかったことを。そして、河合氏も海渡氏も、それぞれふたたび反原発運動に一緒に取り組んでいる。
 実際の気持ちはつらいこともあったろうに、運動の再統一に難なく取り組んだ河合氏と海渡氏の姿は、日本の民衆運動が「統一体質」「分裂体質」(故人・作家思想家出版人・小宮山量平氏の著作中の言葉)のどちらになりやすいかを改めて考えさせられる。革命と前衛の伝統をもつ日本共産党は、どちらかといえば、「分裂体質」と小宮山氏が表現した側面があった。軍国主義体制を着々と進める安倍首相に対して、かなりの相違はあっても共闘して自公推薦の桝添候補と闘うことはではきなかったろうか。二人がそれぞれ立候補するのは当たり前で、一本化を無理強いすることはない。そうではなくて、「反原発政策」について細川氏と宇都宮氏が対話するくらいのこともできなかったろうか。細川氏は 一度権力を上り詰めて、宇都宮氏のように柔軟な姿勢をとれない欠陥をもっている。細川氏待ちでなく、宇都宮氏の側から、反原発を対話することもできないくらいお互いが交流できずに、安倍=桝添体制を打破などできるわけがない。

 雑誌『創』四月号で雨宮処凛さんが連載『ドキュメント雨宮☆革命』で「いろいろありすぎた都知事選」を執筆している。

そしてもうひとつ強調したいのは、「多様な意見」を認め合い、自分と違う考え方の人を安易にディスったり排除したりしない、ということは、「民主主義の基本であるということだ。(中略)「競争に勝たないと生き抜けない」「成長か、それとも死か」を突きつけ、自殺者を生み出し、人を過労死に追い込み、脱落したり人を貧困にたたき落とすような新自由主義批判をしているのに、「勝ち負け」や「競争」に過剰に熱くなるなんて本末転倒というのか、どうも性に合わないのだ。ということで、やっと終わった都知事選。投票前日から一週間後には、「脱原発DEMO」も開催され、駆けつけた。今、「敵」はさらに強大になって私たちの前に立ちはだかっている。やっぱ゛、仲間割れし てる場合じゃないようである。
 この雨宮さんの言葉に、日本に新たに芽生えた反原発市民運動が、「統一体質」に根ざすことが私には感じられる。そうして、細川護煕氏の出馬にエールを送った鎌田慧氏や澤地久枝さんたちは、政治における統一体質の問題を見抜いていたから、保革問わずに「原発」の人類生存の危機の前の危機感をバネとしてできることがあるんじゃないかと期待したのだろう。その期待が幻想であったか、権力によってつぶされた期待だったか、その把握まで一本に統制する必要はない。

民主党の位相と全国の地方選挙

2015-01-08 21:52:04 | 言論対話原稿所収
民主党の位相と全国の地方選挙

2014/9/10 櫻井智志

 孫崎享氏は、自らのブロマガで「民主党は、国民期待の受け皿になれるのか」と題して以下のように述べている。

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 今、国民は幾つかの重要政策で安倍首相の政策とは逆を望んでいる。
1:原発の再稼働は望まない
2:集団的自衛権には反対である、
3:消費税アップには反対である(どこまで反対か不明であるがその他)
4:TPP参加問題
5:沖縄での普天間基地の辺野古移転問題がある。
 野党として、こんなに戦いやすい時期はない。争点は明確だ。安倍政権と対峙すれば国民の大多数の支持を得られる。
 では民主党はそれが出来るか。出来ない。
1の脱原発をみてみよう。
 東京都知事選挙で細川候補と宇都宮候補は脱原発を掲げた。桝添氏は原発推進派とみられていた。この中。真っ先に桝添氏を支持したのが連合東京である。私は地方で講演することがある。労働組合関係の人々にも会う。何故労組が脱原発を鮮明に出来ないのかと問うと出来ないという。労働組合の最近の動きで特徴的なのは、電力会社の労働組合が、労組団体の主要ポストを次々に獲得しているという。電気企業関係労組もどちらかというと原発支持が多い。労働組合が全体として脱原発になれないから民主党も脱原発の路線を出せないという。
 集団的自衛権を見よう。民主党内には前原氏や長島氏のように米国との協力を強く主張するグループがいる。彼らの力が強いのは、普天間基地の辺野古移転の時の動きを見ればよい。彼らがいる限り、安全保障で対米自立はない。TPPも同じ構図だ。
 私はある時、労働組合系のリベラル派に聞いた。「何故リベラルな人が民主党を脱して、独自の路線を行えないのですか」。
彼の答えはこうだ。
 小選挙区制がある。戦いは厳しい。いわゆるリベラルと言われる候補者で、連合の支援なくして、自民党議員に勝てる人はほとんどいない。脱連合ができない。脱連合が出来なければ脱民主党も出来ない。

残念ながら、民主党が受け皿になるのはほど遠い。
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 私はこう考える。

 民主党はいざという全国各地の地方選挙で、自公と一緒に各地の首長選で圧勝している。いざ進歩派風なことは言うが、実際に自公に一貫して対峙し続ける政党ではない。
 一説に、小沢一郎氏を民主党が招き、反安倍で一致できる勢力を糾合することで安倍政権を打倒できるという見解がある。以前の私なら、それは統一戦線に近いと思い賛成したかも知れない。しかし、今の民主党はだめだ。国民は「何を言うか」ではなく「何をするか」で政治家を見ている。今から思えば結果的には自分の売名行為で反拉致問題キャンペーンに力を注ぎ、やがて政党を渡り歩き国政選挙に何度目かに当選した政治家がいる。今は一体何をしているか。その場その場で思いつきで人気を獲得しても、誠意ある地道な一貫した行為の持続が政治家ならば、市民運動のアドバルーンと政治家の倫理とは複雑な関わりをもちそれを十分に体得した政治家を望む。菅直人や辻元清美など市民運動から政 治家になった政治家に展望を期待したい。
 本来なら、心を広くもち多くの良心ある政治家を認める取り組みを支持したい。だが、安倍自公政権は、選挙の結果さえ、民意を無視して、官房長官が「とっくに終わったことだ」とは・・・・安倍政権とは自公両党よりも、「安倍晋三」熱狂支持独裁政権でしかない。
 民主党についていくのでなく、民主党のまとも派が民主党を割っても、無所属で反安倍派の全国的な共闘に入ってくるかたちしかない。私は、沖縄県の統一地方選挙を見ていて、厳しい中で闘い続ける沖縄県民と連帯できない本土の政治家と政党は、やはり統一戦線を形成できないと思った。むしろ自民党沖縄県連の中から自民党本部の弾圧をはねのけて、沖縄民主主義戦線に結集する自民党員の動きに本当に驚かされ、感銘を受けた。
 政治には汚れた駆け引きや側面があるという。政局は流動的でも、多数の戦死と侵略戦争が終わり、戦後民主化の焼け跡闇市の空に飢餓と貧乏のなかで国民がこれからに垣間見たものは、今の安倍自公政権の政治施策が日々破壊している「積極的平和破壊主義」政治の窮状ではない。

新聞社テレビ局を恫喝する安倍総理の飴と鞭

2015-01-08 21:49:46 | 言論対話原稿所収
新聞社テレビ局を恫喝する安倍総理の飴と鞭

2014/12/7 櫻井智志

 2014年12月6日の東京新聞『こちら特報部』は、自民党が「公正中立な報道」を求める文書を在京各局につきつけた事実を丁寧に報道している。

 「安倍首相のメディアコントロール」は凄まじい。首相の動静を見ると、テレビ局や全国紙のトップとの会食、ゴルフが頻繁に登場する。その一方で、自民党は2013年参院選の最中、TBSの報道番組「NEWS23」の内容が公正さを欠いたとして同局への党幹部の出演を一時拒否した。私はこの番組を見ている。司会者は各党に公平に発言時間を正確に分配し、総理だからといって恣意的独断的な発言には、その旨を伝えたが内容では公正であり、自民党の対応は尋常を逸している。自民党のいう「公正さ」とは、自民党優先であることを意味している。

 こうしたアメとムチの使い分けが続き、ボディブローのようにじわじわと効いて、テレビ局の衆院選報道は安倍首相の思うがままに操作されてきた。

 自民党は衆院解散前日の11月20日付で「選挙時期における報道の公正中立ならびに公正の確保についてのお願い」と題する文書を在京のキー局の編成局長と報道局長あてに出した。出演者の発言回数や時間、ゲスト出演者などの選定が一方に偏ることがないよう要求している。公共放送のNHKは、従来から政権寄りと批判されてきた。民報も総務省の放送免許を5年ごとに更新しなければならず、政権与党=安倍自公政権の圧力にさらされている。国民は、報道機関の姿勢を批判するとともに、安倍自公政権がこのように日常的に放送に介入していることを忘れてはならない。

 テレビ朝日が11月29日、衆院選をテーマに放送した討論番組「朝まで生テレビ」は、テレビ局が安倍政権の恫喝で萎縮した事例と言えよう。評論家の荻上チキ氏らの出演が放送直前に中止され、番組のパネリストは政治家だけとなった。あるテレビ局関係者はこう明かす。「出演中止は、報道局幹部の判断と聞いている。政治家以外の人間が入ると議論がコントロールでくなくなり、不規則発言が出てしまう恐れがある。そのリスクを避けたいために出演を中止した」。

 萎縮とも受け取れる現象はこれだけではない。安倍首相が名付けた「アベノミクス解散」に追随するかのように、争点を経済政策に絞ろうとする意図が見え隠れする。集団的自衛権の行使容認や特定秘密保護法など、世論の反対が根強いテーマは後回しにされている。元日本テレビディレクターの水島宏明法政大教授(メディア論)は「前回の2012衆院選では、朝の情報番組も特集を組み、放送界で最も栄誉があるとされるギャラクシー賞の月間賞に選ばれていた。今回は目立つ番組はあまりない。テレビの選挙報道は不調だ」と嘆く。

 放送ジャーナリストの小田桐誠氏は「自民党の文書は、制作現場に陰に陽に影響している。スタッフの萎縮につながっている」と危ぶむ。いま、自公与党に圧倒的な国民の投票が噂され、期日前投票でも必ず出口調査員がついていて、その情報自体が国民コントロールと与党政党への終盤戦戦略に使われていることが容易に予想される。しかし、自公圧勝はテレビ局への恫喝と放送免許更新の可否をちらつかせられたテレビ局も「見えない」被害者なのだ。

 しんぶん赤旗や動画を使った共産党テレビなど、独自の報道機関をもつことが、日本共産党の好調につながっている。生活の党や社民党などの護憲リベラルが精細を欠いているのは、テレビ局など報道機関がほとんどその主張をとりあっかっていないことと無縁できない。マスコミに短時間のワンフレーズスポットを垂れ流し続けている自民党や公明党は、うわべだけの印象であまり自らが思考するよりは「みんなとおなじ」ことに重きをおく有権者の多数に影響を与え続けている。

 私たちは有権者を、日本国民を卑下したり見下すこと以上に、今まで見てきたように、いかに報道機関が安倍自公政権から統制されているかに目を向けるべきだ。安倍首相は消費税を国民の判断にゆだねたと詭弁を弄しているが、本音は違うだろう。閣僚の相次ぐ辞任やスキャンダルで政権維持が危なくなった自民党は、すべてチャラにして集団的自衛権、原発再稼働、秘密保護法などを「すべて」通す強権政治の復活を目論んでいる。そのためのテレビ局統制だが、自公与党政権の統制は、朝日などの新聞各社、インターネットの政治的規制などにも及んでいる。

 国民の無関心や自公与党への投票を、国民の無知と嘆く前に、これだけ安倍自公政権は報道機関を無残なほどに統制している事実を知るべきだ。野党で共産党支持者と野党統一支持派で泥試合の非難の応酬をすることは、安倍大仏の手のひらで踊る孫悟空野党のようなものだ。
 わかりやすく言おう。
戦時中の報道統制や大政翼賛会を懸念するかたがたは、「いま」が大政翼賛会報道としてミスリードする安倍自公政権によって、戦時報道体制そのものに入っていることと再認識した上で、政治認識すべきだ。12月10日から実施されている秘密保護法は、別名平成版治安維持法である。安倍政権に批判する者はことごとく公安警察のブラック・リストに掲載されていると自覚して間違いない。総選挙で自公与党に投票するとは、そのような隠された意味があると言えよう。

「新年の握手」『東京新聞/本音のコラム』鎌田 慧

2015-01-06 19:27:28 | 転載と私見
「新年の握手」『東京新聞/本音のコラム』鎌田 慧
(*webには公開されていないので、新聞から手写ししました。恐縮ですが、著作権問題があるので、この記事は転載をしないで下さい。)
 「地震、津波、噴火。台湾の原発も日本のように危ない」。台北市の古いビルの二階。台湾環境保護連盟副会長の劉志堅さん(60)が不安そうに言った。去年の11月、基隆市に近い「第四原発」前でお会いして、この正月休みに再訪した。
 この狭い島に原発が八基もあると聞けば、事故のときどう逃げようか、などと考えたりする。福島原発事故のとき、外国人が一斉に日本から遁走したことを思いだした。
 日本には五十基近くあるから、台湾どころではない。台湾原発は四地点に、八基ある、といっても、1999年に着工、日立と東芝が原子炉を輸出した第四原発の二基は目下建設停止中である。
 昨年四月、政府に建設を停止させたのは、林義雄さん(73)の決死的ハンストとそれに呼応した市民五万人の座り込み闘争だった。弁護士の林さんは1979年、軍事政権に対する民主化闘争で逮捕され、母親と二人の娘を殺害された悲劇的な人物である。
 劉さんは林さんの話になったとき、崇拝のまなざしを示した。原発反対運動の中心は若者たちである。メディアもよくカバーしている。それが日本とのちがいである。
 「来年の総統選で、民進党は必ず勝利します。それとで廃炉にし、ほかの原発にも波及させます」台湾、韓国、インドなど、アジアから原発をなくそう、と固く握手した。(ルポライター)
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私見
 国内のいかなる規制や抑圧にめげず、広くアジアに向けて連帯を形成しようとしている鎌田慧氏の誠実さは、日本国の民主勢力がまなぶべき姿勢であると私は感じた。

日本社会統治の構図と『倚りかからぬ思想』

2015-01-05 21:20:57 | 社会・政治思想・歴史
日本社会統治の構図と『倚りかからぬ思想』*さざなみ通信初出

2013/1/12 櫻井智志


 私には何人かの尊敬する師と仰ぐ人間がいる。鈴木正氏は、学生の頃に季刊「現代と思想」誌上の論文にめぐりあい、社会思想史学の師と仰ぐかたである。最近『倚りかからぬ思想』(2012月12月刊 同時代社)を贈ってくださった。その論文集ないしは思想書を拝読して、いまの日本社会は、脱原発にも憲法改悪にも目の前にあるのにもかかわらず、それを克服できないでいることの原因はどこにあるのかということへと思いが及んだ。
 さらに、鈴木正氏の論考に、日本社会をどう再建するかに関わってのヒントを得る思いをした。本稿は書評ではない。鈴木氏から学んだことを生かして、私なりの着想を綴ったものである。

 支配者側は、アメリカの対日政策に極端に卑屈になって後から言われた通りについていくことを無条件の土台としている。その実行のために、国民に対してはマスコミ、教育、文化、法制度などを媒介として国民教化の思想工作を徹底しておこなっている。
 このさざ波通信では、主に日本共産党の不十分な点を批判し、改善することを趣旨として、力作の投稿が行われている。インターネットのソーシャルネットワークの中でも、落ち着いた議論や対案などの提示が続いてきた。主催者の管理人諸氏の努力に感謝したい。
 国民のイデオロギー建設は、支配権力との闘争と同時に、国民同士の批判と対話を通じて営まれている。

 支配者側は、政権交代によって鳩山・小澤両氏をリーダーとして民主党が政権を獲得すると、アメリカへの従属外交から脱してアジア各国とも等距離外交路線を進めると、徹底してその路線をつぶしにかかった。それが現在の安倍自公政権奪回へとつながっている。しかし、国民は脱原発運動の17万人集会結集をメルクマールに、毎週金曜日の官邸前抗議行動の高まりなど市民運動の高まりにリードされるかのように広範な広がりを見せた。脱原発市民運動に比して、衆院選では比例区ではそれほど前回と変わらぬのに小選挙区で民主党が大量に落選してそれが自民党候補の大量当選へとつながった。そのために、自民党公明党だけで、衆議院の三分の二を制する議席となった。

 同じ日に投票された東京都知事選では、石原慎太郎の後継を名指しされた猪瀬副知事が四百万票を超える史上最高の美濃部都知事二選を上回る得票で当選した。しかし、次点に入った宇都宮健児氏は、脱原発運動を推進した市民運動による脱原発基本法制定ネットワークのメンバーでもあり、市民運動団体を中心に、社民党、共産党、未来の党、新社会党、生活クラブ東京などの政党の共闘を実らせた。落選とはいえ、国民側の諸政党の広範な共闘を確立させたこと、市民運動と政党の共闘、脱原発と護憲の運動体が共闘したことは大きい。わずか一か月前に急遽石原知事が引退しての選挙準備であることを思うと、今回の都知事選は、今後に展望を持たせる。今年六月の都議会議員選挙と四年後の都知事選 に向けて、反猪瀬知事陣営の政党の取り組みが、大きな運動課題である。
 都知事選では、前回を上回る60パーセント台であったのに比べて、衆院選は今まででも最低に近い低投票率だった。このことは、国民が投票しても社会や自分たちの暮らしが少しもよくならないという幻滅感の中にいることを予想させる。

 衆院選の敗北は、社民党と未来の党の惨敗、日本共産党の敗北と表裏一体を成す。民主党の惨敗や維新の会、みんなの党の当選増もひとつの原因であるが、日本における左翼運動の敗北は、見過ごすことができない。それが社共両党とも指導部の責任問題であるけれども、それだけではない。選挙制度が小選挙区制になった時に、小沢一郎氏は小選挙区制の積極的な推進派であった。小澤氏自身は二大政党を目論んでいたと自身で述べている。けれど、現在の衆院選の選挙区は、死に票が多く、二大政党が51%と49%の得票比であっても、100%か0&かということになる。49%の死に票が出る。このことを無視して、社共の長期低落傾向を論ずることはできない。

 だが、それならそれで、何度も同じ結果を見てきた社共両党は、小選挙区において当選者を出すためには、どうすれば実現可能かの具体案を創造してこなかったのか。事実として、選挙区で共闘が成されなかった。

 今夏7月の参院選で、社民党は四議席の内2議席の改選を迎える。同様に日本共産党は、六議席の内3議席の改選を迎える。両党とも比例区選出であり、選挙区選出議員はいない。
 社民党は、改選2議席が維持できないと、5人の国会議員という政党与件を失う。日本共産党も、仮に今回2議席を失うと、現有議員が5人の議席数を失う。

 もはやこのような状況は、基本的には小選挙区及び現在の選挙制度に柔軟で効果的な対応ができなかったことが原因であるが、政党側の対応の不十分さは、結果から見ていいわけがしがたい実情である。

 安倍自公政権は、参院選で第一党の民主党を逆転して第一党を奪回し、ただちに憲法改悪のために発議与件を国会議員数の三分の二から過半数に変えて、憲法改悪に着手、憲法九条を改悪し「国防軍」を設置することを必ず入れた新憲法をつくることを政治的日程に入れている。

 なんのために現在の平和憲法を変えるか。それは軍国主義日本を「取り戻す」ためである。「軍国主義日本」を再生するためである。取り戻し再生することをアピールした安倍晋三のポスターを見ていると、違うだろう、とつぶやいている。

 ここでキイ・マンになる政治家のひとりは小澤一郎氏である。アメリカへの外交従属路線を拒否したがために、マスコミと検察審査会とによって、徹底的な「人物破壊」をなされ、広く国民の間にマインド・コントロールがなされている。おざわ、と耳にすると、国民はああ、あの、というようにダーティイメージが湧くようにまでされてしまった。小澤氏本人は、アメリカへの批判を慎重に行っている。だが政権交代をなしとげた小澤氏の剛腕を知っている支配層はもちろん、日本未来の党を立ち上げた誠実な政治家で優秀な研究者である嘉田由紀子滋賀県知事でさえ、新党発足時に「小澤氏をじょうずにつかいこなす」という言葉を口にした。小澤氏が受けてきた権力によるダメージを想像する力があれ ば、小澤氏の政治的力量を尊重しただろう。総選挙前に小澤氏がつくりあげた比例区名簿を前日に一から作り直したところに嘉田代表の限界があった。今の小沢一郎氏には失うものはもうなにもない。小澤氏は、参院選で「生活の党」指導者として、取り組むだろうが、どのような公約を示し、どのような選挙戦略を構想しているのだろうか。そこに期待する一点がある。

 私が注目するのは、都知事選で宇都宮健児氏を擁立した実践する知識人たちの群像である。大江健三郎氏は『ヒロシマ・ノート』以来評論し小説化してきた自らの創造の炎を、福島原発事故以来実に誠実な反原発、脱原発の市民運動の担い手のひとりとして持続的に立ち上がってきた。鎌田慧氏、落合恵子氏、雨宮処凛氏、瀬戸内寂聴氏ら多くの知識人が大江氏や宇都宮氏とともに行動し続けてきた。また、『週刊金曜日』の佐高信氏や本多勝一氏らのメンバーも同じ編集委員の宇都宮健児氏をもりたててきた。坂本龍一氏らの文化人も含めて、知識人の動きも期待してやまない。
さらに、日本共産党や社民党が、それぞれ別個でも共同でも構わないが、内部から参院選勝利のためのくふうとアイデアを期待する。

 思想は多元主義において花開く。明治以来の日本と内外の歴史は、絶えず抵抗し続けた民衆の運動の積み重ねである。左翼が体現しようとする真理と大衆が表現する真情とがあいまってこそ、民衆は救われる。これらのことを鈴木正氏は、『倚りかからぬ思想』においてわかりやすく伝えようとしている。唯物論研究協会や思想の科学研究会の一員として名古屋・愛知圏をベースに活躍されてきた鈴木氏は、教師としてレッドパージにあい肺結核を治療する療養所暮らしの中で思想の科学研究会と出会い、唯物論と思想の科学とを自らに血肉化されていった。いま血液内科に治療を受け、自宅療養されている鈴木氏は、この『倚りかからぬ思想』を最後のエッセー集とすることを「店じまい-あとがきにかえ て」に記している。鈴木氏は、よりかからぬ自立と自主の思想を最後のエッセー集のタイトルにしている。アメリカにも中国にも深い思索を思想史を通してめぐらした鈴木正氏の著作を何度も読み直して、書評にまとめるつもりである。

新自由主義経済学者竹中平蔵氏の所論

2015-01-04 10:51:11 | 社会・政治思想・歴史
 竹中平蔵氏の所論について   櫻井智志

 小泉純一郎氏の政権以来、新自由主義政策のとくに経済のイデオローグとして、当時慶応大学教授だったかと思うが、竹中平蔵氏が登用された。竹中氏の経済政策はまもなく現実において破綻する。安倍晋三氏の政権でまたもや登用されてその発言が政権に重きをおくようだ。
 しかし、孫崎氏はテレビ朝日の金曜深夜番組「朝まで生テレビ」と竹中氏と討論する中で明快に竹中氏の本質を見抜いている。
以下は、直接孫崎氏の評論を転載させていただく。


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 集団的自衛権の論争がつよくなる中で、「この権利は世界中が持っている。日本だけが持たないのはおかしい」との論が今後も今後共展開されよう。
 1月1日「朝ナマ」でも竹中平蔵氏が「自分は専門家でないが、「この権利は世界中が持っている。日本だけが持たないのはおかしい」と発言し、私がそれは違うと解説した。それは次のようなことである。

 国連憲章には次の項目がある。
「第五十一条 この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。」

 この条項にみられるように、「個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない」とある。従って、「集団的自衛権は各国に認められている」という判断は正しい。しかし、この認められる集団的自衛権には、「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には」という条件が付されている。つまり、集団的自衛権は、武力攻撃がなされた時に発生する。

 しかし、今日、米国の戦略は「武力攻撃がなされた時」という条件はない。「国際的安全保障環境を改善する」目的のために武力攻撃を行うことが出来る。今日米で行おうとしているのは、「国際的安全保障環境を改善する」目的のための“集団的自衛権”である(この点を明確に述べているのは2005年の「日米同盟未来のための変革」通称ツープラスツーと言われる合意文書でそれ以降日米はこれを継承)。

 これは国連憲章第51条で各国に認められた『集団的自衛権』と異質なものであるという事です。
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孫崎享のつぶやき
集団的自衛権:竹中平蔵氏等「この権利は世界中が持っている」。正確ではない。
2015-01-04 07:402
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見解
 「集団的自衛権」のもとにいつも安倍総理が絵入りのパネルでテレビや国会討論で紹介する論理がある。朝鮮半島から日本人家族が乗り込んだアメリカ軍艦を他国が砲撃している。その船の日本人を救うために、日本はアメリカ軍艦を援護射撃して無事に日本人が帰国するまでアメリカ海軍を援護射撃する。それが「集団的自衛権」であると。
 とんでもない詭弁なのだ。日米軍事同盟の通称ツープラスツーの具体化に過ぎず、国連憲章弟51条が世界各国に認めている集団的自衛権とは、とんでもない異質の軍事同盟強化が、今回の安倍式集団的自衛権説の正体であることを見抜くことが必要だ。そのためにも、曲学阿世のニセ学者たちを批判することは、とても大切な言論の課題であることを教えられた。
 

さざなみ通信「現状分析と対抗戦略」欄に投稿された記事名・投稿者名の一覧を視る

2015-01-03 22:29:56 | 社会・政治思想・歴史

2014/12/7 以降の投稿は、2015/1/3現在投稿がなされていないようです。

新聞社テレビ局を恫喝する安倍総理の飴と鞭(櫻井智志) 14/12/7
インターネット市民・福島県民の皆様への投票後のメッセージ~くまさか義裕候補によせられた市民の思いとは何だっか~(櫻井智志) 14/10/25
小渕優子経産相と福島知事選(櫻井智志) 14/10/18
インターネット市民(ネチズン)に福島県知事選でのくまさか義裕候補への支援を訴える(櫻井智志) 14/10/13
2014年10月26日の福島県知事選挙、井戸川克隆候補・熊坂義裕候補への切望(櫻井智志) 14/10/4
福島県知事選で反原発運動を活性化し自民系候補を打破する(櫻井智志) 14/9/26
東京都知事選から福島県知事選に継承されたもの(櫻井智志) 14/9/21
民主党の位相と全国の地方選挙(櫻井智志) 14/9/10
沖縄と福島の県知事選は戦争と平和の岐路を決める(櫻井智志) 14/8/15
小泉、菅、細川、鳩山ら元首相の合流、仮称KKHH連合は政治の改善に役立つのか(櫻井智志) 14/7/20
地方自治体で見られる政治倫理の相次ぐ退廃の深化(櫻井智志) 14/7/5
滋賀県知事選挙と東京都議会性差別暴言事件~議会制民主主義融解の危機(櫻井智志) 14/6/28
国民へ強制された「単眼」の認識様式(櫻井智志) 14/6/7
拉致問題を政界浮揚策に使う安倍晋三の狡猾(櫻井智志) 14/5/31
京都府知事選と政治の闘争的課題~「2013/5/4 高額所得者 50代 医師」さんへ(櫻井智志) 14/5/10
急速に反動化を強める安倍自公政権にどう対応すべきか(櫻井智志) 14/5/4
破滅的な残響を残した米日首脳会談の結果と今後(櫻井智志) 14/4/25
小泉・細川氏共闘の脱原発国民運動に思うこと(櫻井智志) 14/4/15
京都府知事選を通してみた都知事選・国政選挙と日本共産党(櫻井智志) 14/4/11
※都知事選挙と脱原発派の敗因について(4)(丸 楠夫) 14/4/3
※都知事選挙と脱原発派の敗因について(3)(丸 楠夫) 14/3/27
「分裂体質」と「統一体質」~東京都知事選をめぐる論争にわだかまること~(櫻井智志) 14/3/21
※都知事選挙と脱原発派の敗因について(2)(丸 楠夫) 14/3/16
※都知事選挙と脱原発派の敗因について(1)(丸 楠夫) 14/3/15
東京都知事選を開票作業と「希望のまち東京をつくる会」の振り返りとから考える(櫻井智志) 14/3/9
まさに石川県知事のさなかに準備が進められている「原発ゼロをめざす石川県民のパレード(櫻井智志) 14/3/2
2014東京都知事選から汲み取る課題(櫻井智志) 14/2/15
宇都宮健児候補を支えた三宅洋平と辛淑玉の思想(櫻井智志) 14/2/9
【大集結した「細川支援」文化人 すさまじい熱気と切実な声】と宇都宮支援の意義(櫻井智志) 14/2/2
東京都知事選の反原発候補一本化への模索(櫻井智志) 14/1/18
細川護煕元総理の都知事選出馬への秘策(櫻井智志) 14/1/10
宇都宮健児氏は都知事選にこう語っている(櫻井智志) 13/12/24
猪瀬都知事の去就・東国原議員の参院議員辞職・今回想定される都知事選の意味(櫻井智志) 13/12/13
「地の群れ」から「草の根」へ(櫻井智志) 13/10/20
国民統一戦線への展望②(櫻井智志) 13/9/27
国民統一戦線への展望(櫻井智志) 13/9/21
川崎市長選と参院選の類比と或る着想(櫻井智志) 13/8/31
自治体選挙の新たな意味づけ~安倍政権の暴走政治を監視するために全国の自治体選挙に全力を~(櫻井智志) 13/8/22
町の灯さんの「12月選挙が日本のナチクーデター。」に思う~自公極右政権に対抗する民主主義運動~(櫻井智志) 13/8/12
参院選が終わりパンドラの筺は開かれた(櫻井智志) 13/7/27
「みどりの風+日本共産党」を仮に支持している私の一提案(櫻井智志) 13/7/9
マスコミを統制する自民党に見る新たな階級闘争の地平(櫻井智志) 13/7/6
インターネット解禁と自民党戦略(櫻井智志) 13/6/29
参院選をめぐる安倍自公政権と抵抗勢力(櫻井智志) 13/6/27
自民党参院選公約の変節(櫻井智志) 13/6/21
緑茶会会員である私が共産党のはたの君枝・小池晃両氏を支持する理由(櫻井智志) 13/6/14
溶解する日本政治再建の「瓦礫の言葉で語れ」(櫻井智志) 13/6/14
「もっとたくさん食事をさせてあげたかった」(櫻井智志) 13/6/5
橋下徹大阪市長への問責決議案提出と「出直し再選挙」への疑問(櫻井智志) 13/5/30
首都圏反原発連合の重要性(菅井良) 13/5/25
緑茶会(脱原発政治連盟)と日本共産党(櫻井智志) 13/5/18
アメリカからついに危険視されはじめた安倍政権と自民党改憲草案(櫻井智志) 13/5/10
日本社会にみる言葉と実際の乖離(櫻井智志) 13/5/3
脱原発「緑茶会」設立~参院選に向けて市民グループの胎動(櫻井智志) 13/4/24
前泊博盛氏の『日米地位協定入門』を読む(櫻井智志) 13/4/3
国会で私人を五分間非難し続けた安倍自民党の裏事情(櫻井智志) 13/3/24
いま小沢一郎をどう見るか(櫻井智志) 13/3/9
税制再論とアベノミクス批判(伊賀篤) 13/2/13
日本社会統治の構図と『倚りかからぬ思想』(櫻井智志) 13/1/12
「日本未来の党」分党の背景と安倍「改憲隠し」政権との闘い(櫻井智志) 12/12/29
2012年東京都知事選の探求と国政選挙の課題(櫻井智志) 12/12/22
友よ 夜明け前の闇の中で(櫻井智志) 12/12/15
総選挙の忘れられたもうひとつの争点(櫻井智志) 12/12/8
脱原発を実現する会は、日本共産党本部に要望書を持参したが・・・(櫻井智志) 12/12/7
脱原発を実現する市民の会の要望書(櫻井智志) 12/12/7
『日本未来の党』の結成と総選挙への参戦を歓迎する(原 仙作) 12/12/1
問うに落ちずに語るに落ちる、原仙作氏の破たんと退廃――原仙作氏の『丸さんの投稿・『日本の「対米従属」についての一試論』について』に寄せて(丸 楠夫) 12/11/28
宇都宮健児氏を支持する(櫻井智志) 12/11/18
丸さんの投稿・『日本の「対米従属」についての一試論』について(原 仙作) 12/11/16
宇都宮健児氏都知事選出馬と市民派脱原発派の都政・国会戦略(櫻井智志) 12/11/11
日本の「対米従属」についての一試論(下)(丸 楠夫) 12/11/9
日本の「対米従属」についての一試論(中)(丸 楠夫) 12/11/9
日本の「対米従属」についての一試論(上)(丸 楠夫) 12/11/9
田村秋生さんへの再回答(丸 楠夫) 12/11/2
石原慎太郎を圧倒的支持してきた都民と国政の構図(櫻井智志) 12/10/28
再び、丸さん(9月28日付)へ・・・「官僚政治」批判と「脱原発」へのメモ(田村秋生) 12/10/19
この国を実質的に”仕切ってる”実態権力は、何か?誰か?(田村秋生) 12/10/15
脱原発法制定全国ネットワークと日本共産党の「即時原発ゼロ」提言(櫻井智志) 12/10/7
原仙作氏の「日本の国家権力の構造と腐敗の特質」論へのいくつかの疑問――その官僚機構観についてを中心に――(丸 楠夫) 12/10/5
脱原発運動についてのメモ(菅井良) 12/9/30
田村秋生氏への回答(丸 楠夫) 12/9/28
マスコミの宣伝が最大限国民意識を操作する自民・民主・維新の選挙の貧相(櫻井智志) 12/9/16
原仙作氏の『丸さんへの回答』について(丸 楠夫) 12/9/14
丸さんの”脱原発”運動の見方に対する異論(田村秋生) 12/9/10
丸さんへの回答(原仙作) 12/9/4
脱原発、政権交代、「官僚支配・官僚主権」批判――国民的政治課題の相貌(丸 楠夫) 12/9/1
「日本左翼の偏狭さ」とA・ジッド的「行動する文学」(アンガージュマン)(田村秋生) 12/8/19
官邸前デモを大事にし、じっくり盛りあげていこう(原仙作) 12/8/3
日本の国家権力の構造と腐敗の特質、左翼の偏狭さについて(原仙作) 12/7/28
原発再稼働反対に結集する国民の声を実現させるために~「反原発大連立」選挙連立結成の呼びかけ~ 2012.7.22(櫻井智志) 12/7/22
この国の腐敗構造と裏(官僚=公僕)権力の国(民)支配、左派的知性に思う。(田村秋生) 12/7/22
前回菅井投稿の再検討(菅井良) 12/7/21
田村さんへ(原仙作) 12/7/14
野田政権の迷走と全国で立ち上がる市民の抗議行動(櫻井智志) 12/7/14
小沢一郎と橋下徹の政局(櫻井智志) 12/7/8
原さんの【「ふたたび、小沢立つべし」及び補足】を読んで(田村秋生) 12/7/3
官邸前20万人の大きなうねり~21世紀の戦略としての情報戦(櫻井智志) 12/6/30
「ふたたび、小沢立つべし」への補足(原 仙作) 12/6/28
大衆闘争として新しい地平をひらきつつある反原発運動(菅井良) 12/6/24
ふたたび、小沢立つべし(原 仙作) 12/6/24
原子力基本法と軍事利用「安全保障」目的追加の謀略1(櫻井 智志) 12/6/23
生活保護と社会保障基本法2011(櫻井 智志) 12/5/25
小沢一郎氏の無罪判決と対抗戦略(櫻井 智志) 12/4/29
「ふくしま集団疎開裁判」と世界市民法廷(櫻井 智志) 12/4/3
志位委員長が北朝鮮の「ロケット」発射中止を求める声明を発表!(3/22) この「声明」の本当の意図は何か(保守との共同の行き着く先(エガリテ) 12/4/1
櫻井智志さんの「福島原発事故の根本問題」へ(さつき) 12/4/1
福島原発事故の根本問題(櫻井 智志) 12/3/24
櫻井智志さんの「原発除染のイカサマと根底の政治的課題」への異論(さつき) 12/3/9
京都の良識が橋下ブームの背景を突く(櫻井 智志) 12/2/25
原発除染のイカサマと根底の政治的課題(櫻井 智志) 12/1/27
Kさんへの手紙~原発事故を語ることばの重み(櫻井 智志) 12/1/22
平和革命の可能性(菅井良) 11/12/31
人文学徒さんへ――「政治的・実践的に考える その2」について、政治的・実践的観点から(丸 楠夫) 11/12/24
※エガリテさん、赤いたぬきさんへ(丸 楠夫) 11/12/17
政治的・実践的に考える その2(人文学徒) 11/12/16
大阪市の橋下徹・中田宏両氏の動静(櫻井 智志) 11/12/11
大阪市長選に関して~丸さんの提起に答える~(赤いたぬき(超不良党員)) 11/12/6
橋下支持者はファシストだったのか?――反橋下派敗因の一視角(丸 楠夫) 11/12/3
官僚機構の位置づけをめぐる論争について、若干(丸 楠夫) 11/12/3
今検討を開始すべきこと(菅井良) 11/11/13
資本制社会の展開を自然法則のように見るぺきこと(菅井良) 11/11/6
10月30日アップ分、丸楠夫・櫻井智志氏へ(高額所得者) 11/10/31
ベトナムにおける原発開発(櫻井 智志) 11/10/29
原さん、人文学徒さんへの回答―原 仙作氏の「丸さんの批判への回答」の検討を通して(丸 楠夫) 11/10/29
高額所得者さんへ(丸 楠夫) 11/10/29
10/22付 原仙作さんの「回答」を読んで(田村 秋生) 11/10/25
私のHNおよび一連の投稿に関して(高額所得者) 11/10/23
丸さんの批判への回答(原仙作) 11/10/22
政治的・実践的に考える(人文学徒) 11/10/20
前提に先入観のある質問には応えようもありません(櫻井智志) 11/10/14
ひさしぶりに原さんの投稿を読んで(丸 楠夫) 11/10/11
原発の今後を巡って―高額所得者氏の10月3日付け投稿に寄せて(丸 楠夫) 11/10/11
櫻井智志氏へ(高額所得者) 11/10/3
原子物理学者山本義隆氏の最新刊(櫻井智志) 11/10/1
補足です(菅井良) 11/9/22
原仙作さんの現状分析を読んで(菅井良) 11/9/21
福島原発被災を語る徐京植さんの啓示(櫻井 智志) 11/9/11
野田政権誕生始末(原仙作) 11/9/2
現在の政治情勢をどう見るか(櫻井 智志) 11/8/12
菅総理辞職騒動の行方(櫻井 智志) 11/6/26
「平和のためのコンサート」と芝田進午夫妻(櫻井 智志) 11/6/19
足立区長選に吉田万三氏を推す(櫻井 智志) 11/5/8
それでも東京都知事選は刻々と近づいている(櫻井 智志) 11/3/18
櫻井智志氏の3月5日付投稿について(樹々の緑) 11/3/7
「共産党の選挙での停滞や敗北」の内部要因と外部状況(櫻井 智志) 11/3/5
「共産党の選挙での停滞や敗北」が主題ではない(樹々の緑) 11/2/24
都知事選の中枢ポイント(櫻井 智志) 11/2/19
渡辺氏の参入にどう対処するのか(樹々の緑) 11/2/19
また「やってしまった」観がある小池氏の擁立(樹々の緑) 11/2/6
都知事選と「革都政をつくる会」(櫻井 智志) 11/2/4
赤旗は中国人エコノミストによる常設コラム創設をすべきである。(ZERO) 11/1/24
「たちあがれ日本」と連立を打診した菅政権の危険な野望(櫻井智志) 10/12/24
沖縄・東京二つの知事選挙(櫻井智志) 10/11/26
鷹は高く飛ぶが、鳩は全体を見渡せるのか(櫻井智志) 10/10/20
赤旗と左翼小児病---「共産主義における「左翼」小児病」を再読して(田貫 喜一) 10/8/10
秋葉広島市長のロマンある政治姿勢と対照的な菅総理の後退的構想(櫻井智志) 10/8/7
大きく過半数を割った菅政権と対抗運動(櫻井智志) 10/7/18
菅の変節があるにしても菅政権に過半数を与えるべきである(原 仙作) 10/7/7
櫻井智志様、ご教示ありがとうございました。(田貫 喜一) 10/7/4
田貫喜一さんへ(櫻井智志) 10/6/27
櫻井 智志さんへ(田貫 喜一) 10/6/20
東京選挙区は小池あきら氏しかいない(櫻井智志) 10/6/19
シンタロー 50代さんへ(田貫喜一) 10/6/17
6/4付シンタローさんへ(樹々の緑) 10/6/7
やはり民主党は自民と「同じ穴のムジナ」であったのか。普天間問題をめぐる鳩山内閣の転落と惨状に考える。(シンタロー) 10/6/4
小林多喜二は未熟なだけか~原仙作さんへの返信(櫻井智志) 10/5/28
よみがえる芝田進午さんの反核平和文化の闘い(櫻井智志) 10/5/15
日本共産党への期待と注文(櫻井智志) 10/5/3
民主党連立政権の評価(櫻井智志) 10/3/20
田村秋生様~検察と日本共産党をめぐる対話~(櫻井智志) 10/2/7
検察の暴走を批判せよ ─暴走する検察の応援団と化す共産党執行部の誤り─(原 仙作) 10/1/23
権力との闘いを忘れた共産党とは・・・「保守・反動・反革命」ですか?!(田村秋生) 10/1/19
法律闘争から政治闘争へ逸脱した検察を危ぶむ(櫻井智志) 10/1/17
国民統一戦線の結成は可能か(櫻井智志) 09/12/28
オバマの変革はいまどこか?(櫻井智志) 09/11/22
政権交代でどこまで進む?日本のジェンダー平等(さとうしゅういち) 09/11/20
新政権、僕はこう見る(人文学徒) 09/11/12
8.30総選挙と共産党、新政権の課題(原 仙作) 09/9/19
きぬがわさんへ(原 仙作)