「幸せの公式」 シュテファン・クライン著より一部引用
なぜ私たちは浮気するのか?
人生でおよそ恋愛ほどこの(もっともっと欲しいとの)期待のシステムに、無抵抗なものはありません。「もっと」という欲、変化や新たな体験に対する望みが、これほどの興奮と混乱と苦痛を招くものもありません。
アメリカの第30代大統領カルビン・クーリッジ夫妻もそれに悩まされたようです。国立農場を視察したとき、夫妻は別々に農場内を案内されました。
大統領夫人が鶏小屋に足を踏み入れたとき、ちょうとオンドリがメンドリに襲いかかっているところでした。その様子に彼女は感銘を受け、オンドリはどれくらいの頻度で交尾するのかと尋ねました。
「一日に十二回です」
「どうぞそれを主人にいってくださいな」。夫人は言いました。
それからまもなく大統領が鶏小屋を通りかかりました。オンドリの英雄的行為について報告を受けると、彼は聞きました。
「それで? 毎回相手は同じメンドリかね?」
「いいえ、毎回違います」
大統領はうなずきました。
「それを妻にいってやってくれ」
これでおわかりのように、新しい相手を望むのはなにも人間だけではありません。行動学者たちは夫妻に敬意を表して、これを「クーリッジの法則」を名づけました。つまり、いつも同じパートナーだと、欲望は減少するのです。それは多くの生物に見受けられます。浮気したいという気持ちは進化によるものなのです。
感想;
竹内久美子さんの本に鳥の浮気を調べた結果がでていました。今はDNA分析ができるので、子供がつがいの子かどうかがわかるそうです。ほとんどの鳥が浮気をしていましたが、鳥の種類によって浮気度が異なっていました。まったく浮気をしない鳥もいました。おしどり夫婦と言われる元になったオシドリも浮気をしていました。
鳥はオスもメスも強い(厳しい自然環境に生き残る力が高い)相手とつがいになりたいと思っているそうです。しかし、全てのオスもメスも強い相手とつがいになることはできず、どこかで妥協するそうです。
強いオスとつがいになったメスは、他のオスが誘って来ても拒否するそうです。一方、それほど強くないオスとつがいになったメスは自分の相手のオスよりも強いオスが誘ってくると受け入れるそうです。
強いオスは自分の遺伝子を他のメスにばら蒔くことに一生懸命になるそうです。弱いオスも自分の遺伝子を他のメスにばら蒔くことに一生懸命になるのですが、相手にされないそうです。鳥の種類によって強さが表れる外観の場所が違うそうです。
ある鳥は尾の長さが長いほど強い鳥になるそうです。学者が強い鳥の尾を短くして、その短くしたのを尾の短い鳥にくっ付けたそうです。そうするとそれまでモテていたオスがモテなくなり、尾が長くなったオスはそれまでとは打って変わってモテるようになりました。
強い遺伝子を持った子孫を残したいと、遺伝子のプログラムがあるのではないかとのことでした。人間では、それが男性ではお金や肩書なのかもしれません。
竹内久美子さんの本は、動物の生態について書かれています。とても興味深いです。