http://digital.asahi.com/articles/ASK38666GK38UTIL03D.html?rm=514 2017年3月9日
学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、学園が開設予定の小学校で名誉校長に就いていた安倍晋三首相の妻昭恵氏(54)は、小学校も含め20の団体やイベントで名誉会長などの肩書を持っていた。政府は8日、昭恵氏が学園で講演した際の政府職員の同行が「公務」と認めた。識者は「首相夫人の活動には決まりが必要」と指摘する。
昭恵氏が名誉会長を務める団体の一つは「鈴蘭(すずらん)会」(福岡市)。森友学園の幼稚園に教材を売った一般社団法人だ。
鈴蘭会の広報担当者によると、昭恵氏は2007年に会の前身団体を視察し、漢文などを音読する「素読(そどく)」を体験した。「何かお手伝いはできないか」と昭恵氏から申し出があり、09年に会を発足した時に名誉会長になった。教材の売買には関与していないという。
広報担当者によると、昭恵氏は「私の肩書を自由に使って」と話していたという。「昭恵氏は人気があり、色々なところで宣伝してくれる」
昭恵氏が名誉会長や顧問などに就いている団体やイベントはネット上で多く見つかる。朝日新聞は取材で、森友学園の小学校を含めて少なくとも20の団体・イベントで役職に就いているか、過去に務めたことがあるのを確認した。
麻の普及に取り組む一般社団法人「伊勢麻」振興協会(三重県伊勢市)では顧問に就く。新田均理事は、「雑誌で麻の普及に言及していた」と依頼した理由を説明する。麻への理解を広げるための発信役を期待するが、就任後、活動してもらったことはないという。
棚田の保存活動をする公益財団法人「白米千枚田景勝保存協議会」(石川県輪島市)では13年10月、特別名誉会員になった。現地を公式に訪れたことはないという。協議会関係者は「総理夫人で知名度もある。メディア出演や講演、フェイスブックで話題にしてもらえば、よい情報発信になる。首相夫人という立場に期待していないとは言えない」と話す。
今年1月に東京であった「全国身体障害者ほじょ犬サミット」では名誉会長を務めた。実行委員会の女性は「『自分が役に立てるなら』という意向だったと思う。今回の騒動で、著名人の社会貢献が止まってしまうのが怖い」と話す。
■国の職員同行は「公務」 国会答弁訂正
昭恵氏について首相は、「妻は私人」「公人ではない」としている。だが国会の議論では、首相夫人の公的色合いの強さが次第に明らかになっている。
「公務として同行していた」。昭恵氏が2014年と15年に森友学園の幼稚園で講演した際に随行したサポート役の政府職員について、土生(はぶ)栄二内閣審議官は8日の国会でそう述べた。3日には「私的活動に関すること」と答弁していたが、これを訂正した。
土生氏は、公務に関する活動の連絡調整のために経済産業省出身の職員が随行したとし、「(昭恵氏の)私的活動そのものをサポートするといったものではなかった」と釈明。職員の旅費は昭恵氏側から支払われたが、当日は土曜日で、休日の超過勤務手当が支払われる対象だったとした。野党は「職員は公務で行ったのに、旅費を夫人に払わせるのは論理的におかしい」「総理夫人は明らかに公人だ」と批判した。
昭恵氏は8日、東京都内であった「女性が輝く社会の実現」がテーマの講演で「総理夫人という立場だからこそ、私に会ってうれしいと言ってくださる方がたくさんいらっしゃる」と自らの公的な立場を認識しているような発言をした。
森友学園の問題には言及しなかったが、「色んなところに行きますけど、そういうのはあまり取り上げていただけない。何かあった時だけだという感じ」と、自身の取り上げられ方に不満もにじませた。
昭恵氏は歴代の首相夫人に比べて活動派だ。首相は2日の国会で、海外出張への首相夫人同行は野田政権で1回だったのに対し、「妻の場合25回」と述べた。ただ、公私があいまいなまま活動が広がることには、懸念の声が上がる。
橋本龍太郎元首相の首相秘書官を務めた民進党の江田憲司衆院議員は7日、政府側へのヒアリングの場で、首相夫人の行事出席などは「政務秘書官が全部相談にあずかって、一私企業や私学のためには慎んだ」という経験を紹介した。「要請してくる人は総理夫人は総理の分身、代理だと思っている。その信用力を使って、自ら利益を得るために利用しようという魂胆で近づいてくる人が多い」という。
細川護熙内閣で首相秘書官を務めた成田憲彦・駿河台大教授(日本政治論)は「どの名誉職を受けるかのチェックは本人だけではできない。地元の議員など様々なルートから依頼もあるだろう。森友学園の名誉校長を引き受けたのは失点だが、本人だけを過剰に責めるのではなく、首相夫人の立場を制度化し、政府内に位置づけたうえで、行動規範をつくる必要があるのではないか」と話す。
■特区めぐり「不自然」 民進が指摘
安倍晋三首相の妻昭恵氏を巡っては、民進党の福島伸享氏が8日の衆院文部科学委員会で、森友学園の小学校の名誉校長に就いた約2週間後に、神戸市の認可外保育施設「御影インターナショナルこども園」の名誉園長に就任していたと取り上げた。
こども園を運営する学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)は、今年1月に国家戦略特区の事業者に認定され、愛媛県今治市に岡山理科大学の獣医学部を新設する方針。同学園は特区の計画を進めてきた今治市から36億7千万円分の市有地を無償で受け取る予定だ。
福島氏はこれまで獣医学部の新設が国に認められていなかった経緯を踏まえ、「極めて不自然だ」とし、「事業者に合わせて、(国家戦略特区の)制度を作った」と主張した。文部科学省側は「内閣府の国家戦略特区諮問会議で、国家戦略として獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的事由に対応するため、計画された」と話した。
感想;
最初の答弁では”公務でない”との発言でした。
間違っていたのを訂正されるのは良いことです。
ぜひ、これからもそうあって欲しいと願います。
ただ、最初の答弁は、確かめもせずに発言したことになります。
何を根拠に発言されたのでしょう?
わからないなら、「わからないので、調べて返答します」と答えるのが普通ですが。
公務かどうかは、
1)職員が交通費を申請したかどうか
2)土曜日だったので、休日出勤をしたかどうか
を調べればすぐにわかることです。
あるいは本人に尋ねてもわかることですから。
ひょっとして、これまではごまかすとの方針だったのが、方針が変わったのかもしれません。
学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、学園が開設予定の小学校で名誉校長に就いていた安倍晋三首相の妻昭恵氏(54)は、小学校も含め20の団体やイベントで名誉会長などの肩書を持っていた。政府は8日、昭恵氏が学園で講演した際の政府職員の同行が「公務」と認めた。識者は「首相夫人の活動には決まりが必要」と指摘する。
昭恵氏が名誉会長を務める団体の一つは「鈴蘭(すずらん)会」(福岡市)。森友学園の幼稚園に教材を売った一般社団法人だ。
鈴蘭会の広報担当者によると、昭恵氏は2007年に会の前身団体を視察し、漢文などを音読する「素読(そどく)」を体験した。「何かお手伝いはできないか」と昭恵氏から申し出があり、09年に会を発足した時に名誉会長になった。教材の売買には関与していないという。
広報担当者によると、昭恵氏は「私の肩書を自由に使って」と話していたという。「昭恵氏は人気があり、色々なところで宣伝してくれる」
昭恵氏が名誉会長や顧問などに就いている団体やイベントはネット上で多く見つかる。朝日新聞は取材で、森友学園の小学校を含めて少なくとも20の団体・イベントで役職に就いているか、過去に務めたことがあるのを確認した。
麻の普及に取り組む一般社団法人「伊勢麻」振興協会(三重県伊勢市)では顧問に就く。新田均理事は、「雑誌で麻の普及に言及していた」と依頼した理由を説明する。麻への理解を広げるための発信役を期待するが、就任後、活動してもらったことはないという。
棚田の保存活動をする公益財団法人「白米千枚田景勝保存協議会」(石川県輪島市)では13年10月、特別名誉会員になった。現地を公式に訪れたことはないという。協議会関係者は「総理夫人で知名度もある。メディア出演や講演、フェイスブックで話題にしてもらえば、よい情報発信になる。首相夫人という立場に期待していないとは言えない」と話す。
今年1月に東京であった「全国身体障害者ほじょ犬サミット」では名誉会長を務めた。実行委員会の女性は「『自分が役に立てるなら』という意向だったと思う。今回の騒動で、著名人の社会貢献が止まってしまうのが怖い」と話す。
■国の職員同行は「公務」 国会答弁訂正
昭恵氏について首相は、「妻は私人」「公人ではない」としている。だが国会の議論では、首相夫人の公的色合いの強さが次第に明らかになっている。
「公務として同行していた」。昭恵氏が2014年と15年に森友学園の幼稚園で講演した際に随行したサポート役の政府職員について、土生(はぶ)栄二内閣審議官は8日の国会でそう述べた。3日には「私的活動に関すること」と答弁していたが、これを訂正した。
土生氏は、公務に関する活動の連絡調整のために経済産業省出身の職員が随行したとし、「(昭恵氏の)私的活動そのものをサポートするといったものではなかった」と釈明。職員の旅費は昭恵氏側から支払われたが、当日は土曜日で、休日の超過勤務手当が支払われる対象だったとした。野党は「職員は公務で行ったのに、旅費を夫人に払わせるのは論理的におかしい」「総理夫人は明らかに公人だ」と批判した。
昭恵氏は8日、東京都内であった「女性が輝く社会の実現」がテーマの講演で「総理夫人という立場だからこそ、私に会ってうれしいと言ってくださる方がたくさんいらっしゃる」と自らの公的な立場を認識しているような発言をした。
森友学園の問題には言及しなかったが、「色んなところに行きますけど、そういうのはあまり取り上げていただけない。何かあった時だけだという感じ」と、自身の取り上げられ方に不満もにじませた。
昭恵氏は歴代の首相夫人に比べて活動派だ。首相は2日の国会で、海外出張への首相夫人同行は野田政権で1回だったのに対し、「妻の場合25回」と述べた。ただ、公私があいまいなまま活動が広がることには、懸念の声が上がる。
橋本龍太郎元首相の首相秘書官を務めた民進党の江田憲司衆院議員は7日、政府側へのヒアリングの場で、首相夫人の行事出席などは「政務秘書官が全部相談にあずかって、一私企業や私学のためには慎んだ」という経験を紹介した。「要請してくる人は総理夫人は総理の分身、代理だと思っている。その信用力を使って、自ら利益を得るために利用しようという魂胆で近づいてくる人が多い」という。
細川護熙内閣で首相秘書官を務めた成田憲彦・駿河台大教授(日本政治論)は「どの名誉職を受けるかのチェックは本人だけではできない。地元の議員など様々なルートから依頼もあるだろう。森友学園の名誉校長を引き受けたのは失点だが、本人だけを過剰に責めるのではなく、首相夫人の立場を制度化し、政府内に位置づけたうえで、行動規範をつくる必要があるのではないか」と話す。
■特区めぐり「不自然」 民進が指摘
安倍晋三首相の妻昭恵氏を巡っては、民進党の福島伸享氏が8日の衆院文部科学委員会で、森友学園の小学校の名誉校長に就いた約2週間後に、神戸市の認可外保育施設「御影インターナショナルこども園」の名誉園長に就任していたと取り上げた。
こども園を運営する学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)は、今年1月に国家戦略特区の事業者に認定され、愛媛県今治市に岡山理科大学の獣医学部を新設する方針。同学園は特区の計画を進めてきた今治市から36億7千万円分の市有地を無償で受け取る予定だ。
福島氏はこれまで獣医学部の新設が国に認められていなかった経緯を踏まえ、「極めて不自然だ」とし、「事業者に合わせて、(国家戦略特区の)制度を作った」と主張した。文部科学省側は「内閣府の国家戦略特区諮問会議で、国家戦略として獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的事由に対応するため、計画された」と話した。
感想;
最初の答弁では”公務でない”との発言でした。
間違っていたのを訂正されるのは良いことです。
ぜひ、これからもそうあって欲しいと願います。
ただ、最初の答弁は、確かめもせずに発言したことになります。
何を根拠に発言されたのでしょう?
わからないなら、「わからないので、調べて返答します」と答えるのが普通ですが。
公務かどうかは、
1)職員が交通費を申請したかどうか
2)土曜日だったので、休日出勤をしたかどうか
を調べればすぐにわかることです。
あるいは本人に尋ねてもわかることですから。
ひょっとして、これまではごまかすとの方針だったのが、方針が変わったのかもしれません。