幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「強制収容所のバイオリニスト ビルケナウ女性音楽隊員の回想」ヘレナ・ドゥニチーニヴィンスカ著

2017-03-29 09:43:44 | 本の紹介
当時を思い起こし、考えた末にわたしが今、言えることは、それはひとつです。「あのような非人間的な状況にあっても、過酷な運命に打ち克つように、あるいは辛い体験を少しでも和らげるようにと他の人たちに手を差し伸べた人間がいた」ということです。

ユダヤ人に手を貸したり、救出したりすることは非常に困難で危険でした。それでも人々は様々な手段で彼らに手を差し伸べました。わたしのギムナジウム時代の友人マリア・ヴォザチンスカは自分の洗礼証明書をユダヤ人同級生のイーダ・クレインに渡しました。これによってイーダはアーリヤ人としての身分証明書でパレスチナに脱出することに成功しました。

「組織化」という言葉は収容所では、ある品物を他の品物と交換することによって自分に必要な品物を手に入れることでした。
「組織化」によって入手できる品物は他にもありました。それはカナダ、つまり選別後すぐにガス室とクレマトリウムに送られたユダヤ人が降車場に残した衣服や持ち物を貯蔵、分類していた倉庫のことですが、そのカナダで働いている囚人が失敬した品物です。この「組織化」という形態は命を賭して行われました。見つかると厳しい処罰が待っていました。

ヨーロッパの高度な文化を創造したドイツ民族から、どうしてこんな無法と悪が生まれたのでしょうか?異民族を、他の人間を屈辱的絶滅に到らせる憎悪の思想をドイツ民族はいかにして習得することができたのでしょうか?

周囲の囚人たちは音楽隊の存在を様々な目で見ていました。ある囚人はわたしたちのことを「絹の環境」の中で生きている収容所のエリートとみなし、わたしたちが演奏していること自体に怒りを露わにしました。メンバーの中には強制的に音楽隊に入れられた者がいたことなど、彼らは知りませんでした。
わたしたち元収容所音楽隊メンバーは戦後になってからも囚人社会から、そして収容所体験のまったくない人たちからも、冷たい視線を浴びせられました。そういうこともあって、わたしたちはあの時代について語ることをタブーとしてきました。

年のせいでわたしの物忘れは酷くなっていますが、強制収容所で体験したことだけは忘れようにも忘れられません。それは警告のための記憶です!
わたしの運命、苦痛に満ちた体験は平均的ポーランド人が味わった一部分だと思っています。わたしは小さな歯車でした。その歯車は弱かったけれど、何とか持ちこたえました。確かなことはひとつ。もしもわたしにバイオリンがなかったら、生きのびることはできなかったでしょう。人生が終わりを迎えようとしている今、そんなことを書く価値はあるのでしょうか?それは読者のみなさんの評価に委ねることにします。

「福祉の町 ベーテル ヒトラーから障害者を守った牧師父子の物語」橋本孝著 "希望を持つ”

感想
強制収容所では生きるために必死でした。
その前に選別されて多くの人がガス室に送り込まれましたが。
ユダヤ人600万人、それ以外にロマ人(ジプシー)や反政府行動したポーランド人も亡くなりました。
著者は、知らない内に反ナチスだったポーランド人に部屋を貸したために母と一緒に収容所に入れられました。母は収容所で亡くなりました。

収容者の中から、収容者を監督する”カポ”が選ばれました。
カポに選ばれたことは、生き残るチャンスが収容者より高くなることを意味していました。
そのため、同胞の仲間に虐待など厳しく当たりました。
それは、そうしないとカポの役目をはく奪されるからです。

音楽隊に入れられたことは、同じく生き延びる確率が高まります。
しかし、カポにも、音楽隊にも、そのような特別の待遇を与えられずに何とか生き延びた人にとって、そのような人を敵視する思いになったのも自然だったのでしょう。
そのため、著者もずっと沈黙を守っていました。

本来、仲間同士が反目し合うのではなく、巨悪の根源はヒトラーであり、ヒトラーに協力した人々であり、それを許した国民だったのですが。

歴史は繰り返します。
少しでも、歴史から学んで愚かな過ちを少しでも減らすかどうかが問われているのだと思います。
ドイツはその反省を行い、次の世代に伝えています。
一方、日本は戦争責任は自らは明確にせず、ノモハン事件やインパール作戦で多くの兵士を無謀な計画で亡くし(多くは餓死と病気)たことの反省も責任者の処罰もしていません。
かつ、このようなことは学校では教えずに、本を読まないと知りません。
日本は戦争での過ちを繰り返さないために次世代に伝えていません。
伝えないだけでなく、秘密保護法、集団自衛権、共謀罪と戦前の戦争ができる環境整備を着々と行っています。

森友学園では、園児に「教育勅語」を素読させていたとのことです。
それは素晴らしいと稲田防衛相、安倍首相も称賛されていました。
教育勅語には、「天皇陛下のためには、いのちを捧げます」との内容です。
天皇陛下のためと標榜して、どれだけ多くの尊いいのちを失って来たのでしょう。
天皇陛下はそれよりも、戦争の反省の活動をされています。

ヒトラーを生んだのはドイツ国民でした。
それを反省し、同じ過ちを繰り返さないために今できることを実践しています。
それは国民が反省し、それを実践する政権を選択しているからです。
ところが今の日本は、反省をせず、次世代に伝えず、戦争が出来る環境整備を進めている政府を支持しています。
それだけ、国民が戦争に対して鈍感になってきたのでしょうか?
子どもたちを戦地に行かせ、人を殺害させる戦争を望んでいるのでしょうか?
義父はシベリア抑留になりましたが、「気がついたら反対できなくなっていた」と言っていました。反対できる今こそ、声を上げないといけないのですが・・・。

日本の席に折り鶴=核禁止条約交渉 "不参加は国民の意志?”

2017-03-29 09:41:08 | 社会
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-170329X600.html

 【ニューヨーク時事】国連本部で開催中の核兵器を禁止する条約制定交渉会議で、不参加のため空席となった日本の席に28日、白い折り鶴1羽が置かれた。置いたのはNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のテア・カトリン・ミエルスタッドさんら。今回の交渉に貢献した国に折り鶴を贈る活動だが、日本の場合「『参加してほしい』という意味を込めた」という。
 ミエルスタッドさんは「日本の参加を重視している」と強調。「日本が来て、折り鶴が寂しい思いをしないよう連れ帰ってほしい」と呼び掛けた。 

日本、核禁止交渉に不参加 軍縮大使「各国の分断深める」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201703/CK2017032802000237.html2017年3月28日 
 【ニューヨーク=東條仁史】日本の高見沢将林(のぶしげ)軍縮大使は二十七日、米ニューヨークの国連本部で同日始まった核兵器禁止条約の制定交渉会合で演説し、条約交渉に「建設的かつ誠実に参加することは、困難と言わざるを得ない」と不参加を表明した。交渉に核兵器保有国が参加しないことから「国際社会の分断を一層深め、核兵器のない世界を遠ざける」と不参加の理由を語った。
 唯一の被爆国である日本が、核兵器を禁じる史上初めての条約制定交渉に加わらないことに、被爆者らの批判が強まるのは必至だ。
 高見沢氏は、核廃絶には「核兵器保有国と非保有国を巻き込んだ現実的かつ実践的な措置の積み上げが重要」と従来の日本政府の主張を説明。「この条約構想に保有国の理解や関与が得られていないことは明らか」と指摘した。
 さらに北朝鮮が核実験やミサイル発射などの挑発行為を繰り返していると指摘した上で「禁止条約が作成されても、北朝鮮の脅威という問題の解決に結び付くとは思えない」と訴えた。
 二十七日の会合では、条約交渉を主導するオーストリアなどが、核兵器の非人道性に焦点を当て、開発や生産、実験などを法的に禁止する必要性を強調した。
 これに対し、米国、英国、フランス、ロシア、中国の核保有五大国は交渉には不参加。米国のヘイリー国連大使は交渉開始に合わせ、声明を発表。「北朝鮮が条約に同意すると誰が信じるのか。われわれは現実的にならなければならない。参加国はわれわれの脅威を理解しているのか」とあらためて反対した。声明発表の場には英仏など約二十カ国の代表者が同席し、核を巡る分断を印象づけた。
◆軍縮大使演説ポイント
◆核保有国が参加しない条約の交渉に、建設的かつ誠実に参加するのは困難。
◆広島と長崎で経験した被爆の実相と核兵器の非人道性への正確な認識を訴えることは日本の使命。
◆国際社会には深刻な安全保障上の脅威があり、核軍縮には現実的な視点が欠かせない。
◆核兵器保有国が参加せずに条約を作れば、保有国と非保有国の分断がいっそう深まる。
  (共同)
<核兵器禁止条約> 核兵器の開発や実験、使用などを全面禁止する条約。核兵器使用は国際人道法に「一般的に反する」とした1996年の国際司法裁判所の勧告的意見を踏まえている。オーストリアやメキシコなどが主導して、交渉開始に向けた決議案を国連総会に提出。米国などの核保有国は強く反発したが、昨年12月の国連総会で113カ国が賛成し採択された。日本や米英仏ロなど35カ国は反対、中国など13カ国は棄権した。交渉は今年3月27~31日と6月15日~7月7日にニューヨークで実施。 (共同)

感想
唯一の核被爆国。
核のない世界を希求している日本。
核による悲劇を繰り返さないための取り組み。
問題があったとしても、核兵器禁止に向けた活動を一歩、勇気をもって踏み出して欲しいものです。

日本国民の意志というより、安倍首相の意志だと思うのですが、いかがでしょうか?
安倍首相を選んだ自民党と公明党を支持した国民の意志だと言われてしまうと何も返せないのですが・・・。

平和の折り鶴
それを他の国から「折り鶴に込めた気持ちを忘れていませんか?」との問いかけ。
折り鶴は日本人が伝えています。

クミコさんの歌「いのり」の歌詞の最後のフレーズ
http://j-lyric.net/artist/a04d9a0/l01fbdd.html
折り鶴にいつもはげまされて・・・
二度と二度と、辛い思いは誰にもして欲しくない。誰にもして欲しくない。