幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「人間はどういう動物か」日高敏隆著(2) "コム・デ・ギャルソン戦略"

2017-03-10 08:56:18 | 本の紹介
・カエル
 若いカエルは、かん高い声で鳴く。4~5年も生きてきたオスは、もっとしっかりした声で鳴く。メスはしっかりした声で鳴くオスのところに行く。前年変えるになったばかりの若いオスは、丈夫で頭がよいかどうかはまだわからないからだ。オスたちは一所懸命鳴いて、メスに聞かせ、それで選んでもらうのである。若いオスの中には、自分はまだ若いからいくら鳴いてもメスには選ばれないことがわかってしまう者も出てくる。そういうカエルはもう鳴くのをやめて、しっかり鳴いているオスを探す。そして、立派なオスを見つけると、そっとそのオスの後ろに行って、黙ってじっと座っている。しばらくすると、若いオスの思ったとおり、メスが来る。そこで、泣いているオスが気づかないうちに、若いオスが鳴き声にひかれてやってきたメスの背中にとびのって、とってしまうのである。それでみごとに子孫を残す。そういう変なオスも出てくる。
 動物の世界では、メスは選ぶ一方で、オスは選ばれる一方である。しかしそこではだましたり、嘘をついたりといったことが頻繁に起こっている。「自然は嘘をつかない」という言いかたが流行ったことがあるが、これは大きな嘘である。人間のやっていることは、自然の中にすべてあると思っていい。不倫や援助交際が小鳥などでよく知られた行為であることを考えれば、むしろ、動物たちがやっていることを人間もやっているにすぎない。

・コム・デ・ギャルソン戦略
 同性に対してあまりに攻撃的すぎると、同性からうとまれる。へたをすると、異性にも近づきにくくなる、それは損なので、必要以上に同性の攻撃性を掻き立てたくはない。魚などでは、立派なオスになっているにもかかわらず、メスの姿をしたままで、さりげなくオスとメスのペアに近づいていくものが出てくる。
 オスは、近づいてくるのがメスだと思っているから、うれしいだけである。メスのほうは、自分より小さなメスが来てもたいしたことないと思っている。だから、そばについてきても放っておく。
 そこでメスが卵を産んだときに、メスのふりをしたオスの個体がやってきて、自分の精子を卵にかけて自分の子孫にしてしまうのである。ぼくはそれをコム・デ・ギャルソン戦略と呼んでいる。

感想
動物の世界には、同じ種類でも、やっていることが違うタイプがいます。
それは必要だからなのでしょう。
その主流と違うタイプが増えると問題なので、ある一定の比率に抑えられているようです。

動物を理解することにより、人の行動の基になっているものを解釈することができ、その人の行動も理解できるのでしょう。