https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180122-00000057-kyt-sctch 京都新聞1/22(月)
京都大iPS細胞研究所(京都市左京区)で22日、論文の不正が発覚した。所長を務める山中伸弥教授は会見で深々と頭を下げ、悔しさをにじませた。降圧剤の臨床研究で不正が行われたディオバン事件やSTAP細胞問題など、日本において研究不正は後を絶たない。世界のiPS細胞研究をリードし、厳しい不正防止策を講じてきたはずの同研究所。チェックが形骸化していた実態や、成果が求められる有期雇用の制度が背景に見えてくる。
2010年の開設以来、iPS細胞研究所は実験専用ノートを全研究者に配布する。「(書き換えが可能な)鉛筆の使用は不可」「プロジェクトごとに別のノートを使う」「データなどの記入は続けて行い、空白部分がある場合は斜線で消す」などの注意書きが添えられており、3カ月ごとに知的財産の担当者に提出することが定められている。データ管理を徹底し、データの改ざんや捏造(ねつぞう)を防ぐ役割を持たせている。
同研究所によると、山水康平助教のノートの提出率は86%と高かったが、記入内容は「メモ書き程度だった」という。論文発表の前には、実験の生データについても研究所に提出することを義務付けていたが、ノートやデータの内容についてのチェックはほとんど行われていなかった。
不正防止策について、山中教授は「厳しくやっていると自覚していたが、気が付くと形骸化していた」と反省の弁を述べた上で、「実験の段階から主任研究者が各研究者のノートを自らチェックし、不備がある場合はイエローカードを出すことをしないと不正は防げない」と語った。
iPS細胞研究所に所属する研究者は、教授ら一部の主任研究者を除いてほとんどが有期雇用だ。山水助教も雇用期限が今年3月末に迫っており、研究成果が、雇用延長や別の研究機関での就職に反映される状況だった。
学内の研究を管轄する湊長博理事・副学長は「(成果を出さないといけないという)プレッシャーはみんなが感じている。研究不正は個人の資質によるところが大きい」とした上で、「大学院、学部時代からの教育こそが非常に重要だ」と、さらに研究倫理に関する教育を学内で徹底させていく考えを示した。
■有期雇用も背景か
位田隆一・滋賀大学長(生命倫理法学)の話 不正は第一には研究者の良心の問題だと思うが、有期雇用のため、短期間で業績を上げないと任期を延長してもらえない恐れがあるなど焦りを生む研究環境も影響しているのではないか。また、不正防止には研究者間のコミュニケーションが重要になる。論文を提出する前に共著者がしっかりと目を通し、承諾する仕組みを徹底できれば、研究不正は起こりにくいはずだ。そうした環境づくりをせずにただルールを厳しくしても、網の目をすり抜けるケースが出てきかねない。
感想;
日本は博士課程の進学者を増やしました。
ところが、働く場を増やしていません。
そのため、雇止めや期限付きの採用が増えています。
短期間に成果をださないと再雇用されない不安があります。
確かに、偽証した人が悪いのは確かです。
しかし、それを生み出す政治の、文科省の政策に問題があるのではないでしょうか?
飢えに苦しんでいる人に、田畑の野菜や果物を取ってはいけません。
お腹が空いてどうしようもない人に、コンビニで万引きしてはいけません。
と言うのは正論ですが、それを生み出している政治の政策に問題があるとの考えまで頭を巡らせていただける政治家がいると良いのですが。
ノートをチェックするのが甘かったとのこと。
これは科学者の問題ではなく、そういうことの専門家を置かないといけないのだと思います。
VWや三菱自動車の排気ガス不正。
日産や昴の無資格検査委員による検査。
規格に適合しないものを出荷した神戸製鋼 等々
それをチェックする仕組みがなかった/方法がまずかったのだと思います。
そこには経営者の能力不足と利益を優先する考えが根本にあるように思ってしまいます。
それを、犯罪を犯した人だけに罪を帰せるのは問題で、根本解決にならずにまた続くでしょう。
大林組の社長が談合の責任を取って辞められました。
過去にも同じ過ちをされています。
「恥ずかしい」との発言がありましたが、「恥ずかしい」のではなく、責任者としてそれをやってこなかった、自責の念を持っていただきたいと思いました。
経営者が利益を優先したばっかりに、”犯罪者”を生み出してしまった責任を少しでも実感され、それを会社の反省として次に生かされると良いのですが。
京都大iPS細胞研究所(京都市左京区)で22日、論文の不正が発覚した。所長を務める山中伸弥教授は会見で深々と頭を下げ、悔しさをにじませた。降圧剤の臨床研究で不正が行われたディオバン事件やSTAP細胞問題など、日本において研究不正は後を絶たない。世界のiPS細胞研究をリードし、厳しい不正防止策を講じてきたはずの同研究所。チェックが形骸化していた実態や、成果が求められる有期雇用の制度が背景に見えてくる。
2010年の開設以来、iPS細胞研究所は実験専用ノートを全研究者に配布する。「(書き換えが可能な)鉛筆の使用は不可」「プロジェクトごとに別のノートを使う」「データなどの記入は続けて行い、空白部分がある場合は斜線で消す」などの注意書きが添えられており、3カ月ごとに知的財産の担当者に提出することが定められている。データ管理を徹底し、データの改ざんや捏造(ねつぞう)を防ぐ役割を持たせている。
同研究所によると、山水康平助教のノートの提出率は86%と高かったが、記入内容は「メモ書き程度だった」という。論文発表の前には、実験の生データについても研究所に提出することを義務付けていたが、ノートやデータの内容についてのチェックはほとんど行われていなかった。
不正防止策について、山中教授は「厳しくやっていると自覚していたが、気が付くと形骸化していた」と反省の弁を述べた上で、「実験の段階から主任研究者が各研究者のノートを自らチェックし、不備がある場合はイエローカードを出すことをしないと不正は防げない」と語った。
iPS細胞研究所に所属する研究者は、教授ら一部の主任研究者を除いてほとんどが有期雇用だ。山水助教も雇用期限が今年3月末に迫っており、研究成果が、雇用延長や別の研究機関での就職に反映される状況だった。
学内の研究を管轄する湊長博理事・副学長は「(成果を出さないといけないという)プレッシャーはみんなが感じている。研究不正は個人の資質によるところが大きい」とした上で、「大学院、学部時代からの教育こそが非常に重要だ」と、さらに研究倫理に関する教育を学内で徹底させていく考えを示した。
■有期雇用も背景か
位田隆一・滋賀大学長(生命倫理法学)の話 不正は第一には研究者の良心の問題だと思うが、有期雇用のため、短期間で業績を上げないと任期を延長してもらえない恐れがあるなど焦りを生む研究環境も影響しているのではないか。また、不正防止には研究者間のコミュニケーションが重要になる。論文を提出する前に共著者がしっかりと目を通し、承諾する仕組みを徹底できれば、研究不正は起こりにくいはずだ。そうした環境づくりをせずにただルールを厳しくしても、網の目をすり抜けるケースが出てきかねない。
感想;
日本は博士課程の進学者を増やしました。
ところが、働く場を増やしていません。
そのため、雇止めや期限付きの採用が増えています。
短期間に成果をださないと再雇用されない不安があります。
確かに、偽証した人が悪いのは確かです。
しかし、それを生み出す政治の、文科省の政策に問題があるのではないでしょうか?
飢えに苦しんでいる人に、田畑の野菜や果物を取ってはいけません。
お腹が空いてどうしようもない人に、コンビニで万引きしてはいけません。
と言うのは正論ですが、それを生み出している政治の政策に問題があるとの考えまで頭を巡らせていただける政治家がいると良いのですが。
ノートをチェックするのが甘かったとのこと。
これは科学者の問題ではなく、そういうことの専門家を置かないといけないのだと思います。
VWや三菱自動車の排気ガス不正。
日産や昴の無資格検査委員による検査。
規格に適合しないものを出荷した神戸製鋼 等々
それをチェックする仕組みがなかった/方法がまずかったのだと思います。
そこには経営者の能力不足と利益を優先する考えが根本にあるように思ってしまいます。
それを、犯罪を犯した人だけに罪を帰せるのは問題で、根本解決にならずにまた続くでしょう。
大林組の社長が談合の責任を取って辞められました。
過去にも同じ過ちをされています。
「恥ずかしい」との発言がありましたが、「恥ずかしい」のではなく、責任者としてそれをやってこなかった、自責の念を持っていただきたいと思いました。
経営者が利益を優先したばっかりに、”犯罪者”を生み出してしまった責任を少しでも実感され、それを会社の反省として次に生かされると良いのですが。