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3.11から8年 “トモダチ作戦”で被曝した米兵23人が癌に 米連邦地裁は米兵の訴訟を却下 "せめて十分な補償を!” 

2019-03-11 02:42:02 | 社会
https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20190310-00117650/ 飯塚真紀子 | 在米ジャーナリスト 3/10(日)

大震災と原発事故後、トモダチ作戦の下、多くの米兵が被災地の救援活動に従事した。(提供:U.S. Navy/アフロ)
 東日本大震災と福島第一原発事故から、まもなく8年。
 福島第一で汚染水処理問題が続く中、カリフォルニア州サンディエゴでは、2つの集団訴訟が却下の憂き目にあっていた。
 3月4日(米国時間)、サンディエゴにある連邦地方裁判所が、「トモダチ作戦」の名の下、被災地の救援活動に従事した420名を超える米兵たちが被曝により健康被害を受けたとして、東京電力と原子炉を設計したジェネラル・エレクトリック社(GE)に対して起こしていた2つの集団訴訟を却下したのだ。
 1件目の提訴は2012年、2件目は2017年に起きており、それぞれ、医療費など1ビリオンドル以上の損害賠償を求めていた。
 当時、米兵たちは、サンディエゴを基地にしている空母ロナルド・レーガン号に乗船し、韓国に向かっていたが、大地震により津波が発生したため、福島沖から被災地に救援物資を運ぶなどの活動に従事することとなった。
 しかし、米兵たちは、津波がメルトダウンを引き起こしたことや太平洋に放射性雲が広がっていることは知らされていなかった。また、原発事故後最初の一週間は、放射線防護のない状態で、船上で活動した者もいた。
 救援活動にあたった米兵の中には、甲状腺癌、胆嚢癌、脳腫瘍などの癌を発症し、亡くなった者もいるという。また、直腸出血、頭痛、脱毛などの症状が現れたりした者や先天性欠損症のある胎児を身ごもった女性もいるという。
不倫・隠し子問題で失脚したエドワーズ氏が弁護
 そんな米兵たちの弁護を担当しているのは、元上院議員のジョン・エドワーズ氏をはじめとする弁護士たち。エドワーズ氏は、2004年の大統領選に出馬したジョン・ケリー民主党大統領候補が副大統領候補に指名した“民主党のホープ”だった。乳がんと戦っていた妻と二人三脚で歩んできたことでも知られていたが、2008年の大統領予備選の最中に不倫と隠し子問題が発覚、政治家としては失脚した。エドワーズ氏は、その後、弁護士としての活動に復帰、現在、娘のケイト・エドワーズさんらと米兵たちの弁護にあたっている。
 米兵たちの訴えに対し、東京電力側の弁護士は、米兵たちが受けた被曝量はごくわずかで、救援活動に従事した7万人の米兵中300~400人が健康被害を受けるほどではないと主張。救援活動中の被曝と健康被害に因果関係を認めていない。
 しかし、ケイトさんは因果関係があると主張、2017年11月、弁護士が購読している裁判所ニュースサービスのインタビューで、こう訴えている。
「なぜ、若く、健康で、鍛えられた人々が癌になるの? 甲状腺の問題を抱えているの? 偶然だとは思えない。外的要因がなければ起こり得ないこと。彼らはみな福島で被曝するという同じ体験をしているのよ」
 ケイトさんによると、原告のうち23人が癌に罹患しており、彼らの多くは20代初めに福島の救援活動に従事していたという。また、乗船していた米兵の中には手足を自由に動かせなくなったり、背部に問題を抱えていたり、視力を喪失したりなどの変性疾患を抱えている者もいるという。
 米兵の子供や胎児にも影響が見られるようだ。ある米兵の子供は、生後26ヶ月の時、脳腫瘍と脊椎癌で亡くなり、ある女性米兵は妊娠中に先天性欠損症のある胎児を宿していることがわかり堕胎を選んだという。
 米兵たちが受けた被曝量もごくわずかではないかもしれない。筆者が訳した『封印された「放射能」の恐怖』(講談社刊)の著者クリス・バズビー博士は、事故後、米国エネルギー省が各地で測定した線量データを入手していたが、それによると、福島から500キロも離れた太平洋上の船上でも、大量のヨウ素とセシウムが測定されていた。
日本の司法制度では公正な裁判が受けられない
 審理では、司法権が日米どちらの管轄になるのかが焦点となった。東京電力もGEも、訴訟は日本の管轄下にあると主張。
 しかし、エドワーズ氏は、米兵たちの視点から物事を見るべきだとして、以下のように訴えた。
「彼らはアメリカの海兵隊員であり、アメリカに仕えているアメリカの従業員で、同盟国である日本の政府(東電の株の大半を所有している)のリクエストでアメリカの船に乗船して海外の海に送り出された。海外の洋上で、アメリカの船に乗船しているということはアメリカの国土にいるということだ。原告の大半はサンディエゴをベースにしており、GEはサンノゼの本社で原子炉を設計したので、訴訟はカリフォルニア州で行われるべきだ。彼ら(東電やGE)は日本でなら訴えを消し去ることができると思い、日本での訴訟を望んでいるのだ。それが彼らの戦略だ」
 米兵たちは、日本の司法制度では、公正な裁判を受けられないと感じているという。日本の被災者や遺族が十分な慰謝料を得られていないからだ。
 また、裁判が日本で行われる場合、日本の原子力損害賠償法では、責任が追求されるのは原発を運営していた東京電力で、原子炉を製造したGEに対しては責任が追求されず、GEに対する訴訟は却下されるという。
 “フェアウィンズ・アソシエイツ”のチーフエンジニアを務める原子炉専門家アーニー・ガンダーセン氏も、GEに対する訴訟については、
「格納容器の設計、津波の高さの想定、原発の海抜の高さなど、福島第一原発事故の致命傷となったものは、“メイド・イン・アメリカ”なのです。ゆえに、GEはアメリカで訴えられるべきです」
と主張していた(詳しくは、福島原発事故の被害者団体がGEに対して“500ミリオンドルの集団訴訟” ボストンの連邦裁に提訴をお読み下さい)。
米兵の日本渡航は困難
 しかし結果的に、判事は、原告にとって日本で訴訟を起こす方がカリフォルニア州で訴訟を起こすより難しいことは認めつつも、原告は日本で訴訟を起こし、日本の法律が採用されるべきだと判断したのだ。
 日本で訴訟する場合、米兵たちは日本に渡航しなくてはならない。日本にいる弁護士を雇い、医療記録を和訳するなどの作業をする必要もある。また、健康上の理由から、日本への渡航が困難な者も少なくないだろう。何より、訴えが却下されたことで、原告側から望みが失われてしまったのではないか。
 弁護士団の一人、ポール・ガーナー弁護士は、3月6日(米国時間)、今回却下されたことについて「正義というものを信じられないほど茶番にしている」と憤り、
「病気になったり死んだりしているアメリカの人道主義者たちが、日本で意味のある賠償を得られるというのは作り話だ。我々は、クライアントたちがアメリカの司法制度下で賠償を得られるよう、さらなる手段を講じるつもりだ」
と控訴する構えを見せている。
 被曝した米兵たちの闘いはこれからも続く。

https://synodos.jp/fukushima_report/21587
福島における甲状腺がんをめぐる議論を考える――福島の子どもをほんとうに守るために 服部美咲 / フリーライター


感想
専門家はどうして全体を見る力がないのでしょうか?

胃のX線、若い人は胃がんの罹患率とX線の被ばくの影響を考えて、50歳以上が望ましいとなっています。
何故ならX線を受けるリスクの方が高いのです。

福島第一原発の水素爆発による放射性物質の飛散を受けています。
実際、子どもたちに多くの甲状腺がんが発生しています。
科学者はそれが福島第一原発の影響とは言えるかどうかわからないと言っています。

あれだけの放射能がまき散らされたのですから、マクロ的に見て、影響がないわけがありません。
それを科学的に証明する力がないだけのように思います。
あるいは、影響あるとすると今後の原子力発電華道に強い反発がでるのを危惧して”影響がある”と言いたくないのかもしれません。

福島第一原発の水素爆発の時、「炉心溶融は考えられない」と発言された専門家は沈黙されています。
素人が考えた方が正しい結論を言い当てていたケースでした。
いまだに収束させる技術が確立していません。
安倍首相が「Under Control」と発言されましたが、いまだに「Out of Control」の状態です。
汚染水の処理さえ技術がありません。

原発は安全、コストが安いエネルギーは絵に描いた餅でした。
EUの多くの国がクリーン・エネルギーに福島第一原発事故を受けて、切り替えを加速させています。
日本は未だに原発優先です。
海外に原発輸出を安倍首相がトップ外交されましたが、全て挫折/とん挫しています。
それどころかマイナスの負担が発生しています。

事故があったとき、米軍が”トモダチ作戦”で多大な支援をしてくれました。
何とか、その人たちに支援ができないものでしょうか?


「私・今・そして神 開闢の哲学」永井均著 ”考えてもみなかったことを知る”

2019-03-11 02:12:48 | 本の紹介
・ロボットに心が与えられるケースは他者に起こる変化であり、人間から心が奪われるケースは私に起こる変化であること、それが問題の本質なのである。
だから、後者のケースの本質は、私から心が奪われることにあるのではなく、私が私でない者にされることにある。

・ライプニッツは真理を二種類に分類
1)シュタイン理性の真理
概念を分析するだけで真理であることがわかる。どんな未亡人の夫も必然的に死んでいる。
2)事実の真理
世界の事実を個別的に調べてみなければ真理であるかどうかわからない。

・ライプニッツの有名なモナドという概念は、この個体性にパースベクティヴ性(遠近法)がつけ加わって成立している。

ウイキペディアより
ライプニッツは、現実に存在するものの構成要素を分析していくと、それ以上分割できない、延長を (ひろがりも形も) 持たない実体に到達すると考えた 。これがモナドである。ライプニッツによれば、モナドは構成されたものではなく、部分を持たない、厳密に単純 (単一) な実体であるが (第1節)[1]、にもかかわらず属性として状態を持つ。属性を持たなければすべてのモナドは区別できず、複数のモナドがあるとはいえなくなるからである (不可識別者同一)。どのモナドも、他の全てのモナドと互いに必ず異なっており (第9節)、またモナドは変化する。このとき、或る状態から別の状態への変化の傾向性を欲求という。

・何が見えていようと見ているのはつねに私だ(ヴィトゲンシュタイン)

・現実世界とは私がいま存在する世界のことである

・二つの原理が対立している。何が起ころうとそれが起るのが現実世界だ、という原理と、起こることの内容的なつながりによって何が現実であるかが決まる、という原理だ。何が経験されようと経験するのはつねに私だ、という原理と、経験されることの内容的なつながりによってどれが私であるかが決まる、という原理との対立に、並行的である。現実の場合も私の場合も、全社をライプニッツ原理、後者をカント原理と呼ぼう(勝手な命名だが)。

・私の分裂
 私が分裂する場合から考えよう。・・・。重要なのは、一方が私なら他方は他人である、ということの意味である。どんな状況を考えても、かりに一方が私なら他方は他人である。

・地球で生き残ってしまった私が、数日後に死ぬことが宣告される。そこで問題は、私は死んでも火星にもう一人の同じ人間がいるのだから、私自身はべつに死んでもかまわないと思えるだろうか、ということだった。(まったく同じに分裂して一人は火星に、一人は地球に)

・神・現実・私・今
私もまた概念と存在(本質と実存)の一致を実現することはできない。
思うことによって存在が帰結するのは、思っていることが直接明らかな「私」だけであることをいくら強調しても、そのことはどの「私」についてもいえるのだから、このコギト命題は結局「ある人思うゆえにその人あり」という概念的関係に還元されることになる。
「今思うゆえに今あり」も「ある時思うゆえにその時はあり」という概念的関係に還元され、この関係において「今」の機能をはたしているのは、やはり、「ある時」と「その時」の直接的同一性関係である。
神が現実に存在することを証明するとは、この現実世界に神が存在することを証明することだろう。すると、神が存在しない可能性もあることになる。つまり、神は存在しないことも可能な(のだがたまたま現に存在している)ことになる。このような存在の仕方は、神の本性に反していないか。そもそもそうした諸可能世界そのものが神の知性の内部にのみあるのではなかったか。

・しくい気分、えもい気分、かまい気分、ろましい気分、こじむい気分(私的言語)

・他者の言葉が理解できるためには、過去の自分の言葉が理解できていなければならない。

感想
読んでもよくわかりませんでした。
どうも、頭は哲学的にはできていないようです。涙
言葉の遊び?と思ってしまうところもありますが、哲学者が問題にしている意味もきっとあるのでしょう。
何を問題にしているかを知ることも、重要なのでしょう。