・親の価値観から抜け出せない
親がこの世を去ってからもなお、自身の記憶の中に、親が生き続けてしまうのです。
・毒親「自分の中にいるネガティブな親の存在」
・スーザン・フォワードの書籍「毒になる親」から
「近親相姦(的行為)のあるほとんどの家族は、外部の人間からはノーマルな家庭のように思われている。(中略)事件が起こりやすい家には、人と心を通わせようとしない、とかく何でも隠したがる、依存心が強い、ストレスが高い、人間の尊厳を尊重しない、家族のメンバー同士がお互いに自分の正直な気持ちを語り合うことがない、大人が自分の情緒不安を鎮めるために子供を利用する傾向がある、などの特徴がある」
・インターネットというのも面白いもので、これは社会のそのものの縮図であるように一見見えるのですが、実は自問自答型のメディアなのです。サーチェンジ・オプティマイゼーションなどの仕組みがあり、自動的にキュレーションされた、自分にとって都合のいい情報しか入ってこない構造になっています。あえて自分が読まないようなものをわざわざ探そうとでもしない限り、自分がよく読んでいる記事と似た記事しか、みなさんは目にすることができないはずです。
・妬む母-白雪姫コンプレックス
精神科医である佐藤紀子医師が提唱している用語です。
本書では、母親が娘に対して持つ憎悪を意味する概念として扱っていきます。
実はグリム童話初版本では継母ではなく、実母が娘を殺そうとする物語であった、というのは、今では有名な話でしょう。
・子と競う母
・コントロールする母
・アメリカでは中絶禁止の解除の、20年後から犯罪率が低下したことがいわれて話題になりました。母親の追いつめられた精神が社会全体に与える影響は小さくないのです。
・私は結婚してから「ご飯作っているの?」と聞かれることが増えました。極めて不愉快でしたので「それは私が男でも聞きますか?」と逆に問いかけました。
・マザリーズ
「〇〇ちゃん、かわいいでちゅね」などのいわゆる幼児語。
・ブレネミー
表面だけは仲がいいけれど、実は仲がいいふりして互いの足を引っ張っている、という関係です。
・父の子殺しーアブラハムのパラドックス
キュルケゴールは、著者「Fear and Trembling」で、実際にはアブラハム自身に元来、イサクに対する殺意があったのではないかと分析しています。父親の持つ、この葛藤を「アブラハムコンプレックス」と呼びます。
息子を殺そうとする父の姿に、なぜ彼はここまでこだわったのでしょうか。
キュルケゴールは、現代なら「毒親育ち」ではなかったかと思える節があります。家庭内には、娯楽といえるものがほとんどなく、父は厳格で、キュルケゴールが外に出たいと言うと、それを許さず、父親は彼の手をとって部屋のなかを散歩したといいます。キュルケゴールは行きたいと思うところを父に伝え、すると父子は想像のなかで、門を出て、海岸に出たり、町を歩いたりするのです。手をとって部屋のなかを歩きながら、父は町や海岸で見えるもの聞くものを、実際に見たり聞いたりしているように物語り、知合いに出合って挨拶をし、車が音をたてて通り過ぎるさまを描写します。父はあらゆるものを詳しくいきいきと、想像力を駆使して語りました。この「部屋のなかの散歩」は、キュルケゴールに想像の楽しさを教え、たくましい想像力を養うのに有益だったと一般的にはいわれています。しかし、実際はどうでしょう? 部屋に閉じこめられたまま、父の世界を抜けだすことが許されないキュルケゴール。彼の中には抗うことを許されない父の存在への複雑な感情があったのではないか・・・。だからこそ、彼は旧約聖書の燔祭(息子イサクを神に捧げる)に強い思い入れを感じ、わざわざ分析しようと試みたのではないか、と考えられます。
・愛情ホルモン「オキシトシン」
オキシトシンを点鼻しておくと、本当に相手に対する信頼度が増して、投資の金額を、それまでの倍出してしまったり、不明な取引契約を結んでしまったりと、ちょっと不思議な行動が起きるのです。
オキシトシンはスキンシップで脳内に分泌されます。当然のことながら、性行動もオキシトシンを出させるための行為として含まれます。
・アルギニン・バソプレッシンも、絆を作る物質です。オキシトシンが主に女性に働き、女性のほうが濃度も高い物質であるのに対して、アルギニン・バソプレッシンは男性側に機能してパートナーに対する愛情を支配します。そして、一般的な人間関係における親切心の度合いを左右する物質でもあります。
・六本木ヒルズ森タワーの入り口には、巨大な蜘蛛の彫刻があります。
この蜘蛛の彫刻のタイトルは<ママン>。フランス語で、お母さん。
作者はルイーズ・ブルジョワ。
蜘蛛は巣をこわされても怒らない
もういちど糸をはきなおすだけ
黙ってすべてを受け入れ、織物をなおしていく母の姿はまるで雲のようだ。
蜘蛛のイメージは「縛り傷つける女性」「束縛する母親」を意味すると考えられます。
・『阿闇世(あじゃせ)コンプレックス』
出生以前に親に抱く怨みというような意味になります。
阿闇世の物語は、紀元前5世紀ぐらい
・お前はダメだ、いらない人間だ、とうメッセージを受け続けると、人は次第に自分を肯定できなくなっていきます。大人ですらそうなのですから、自分で自分を愛したり、正当に評価したりする力がまだ育っていない子どもでは、なおさらです。
そうして育ってきた人たちが苦しんでしまうのは、一般的にいう「心の持ちよう」などのせいではなく、実際に脳にダメージを負ってしまっているからでもあります。記憶をとらえなおし、気持ちを明るく持てればそれだけで解消されるような簡単な話ではないのです。もちろん、毒親育ちだからと言って、それがずっとこの先のあなたの人生に影を落としてしまうようなことになるとは限りません。私がパンドラの箱を開けるような気持で、と冒頭に書いた裏にはいくつもの気持ちが混在しています。
その中の一つに「毒親」という言葉に引きずられて、いま現在の自分の心の重さや生きづらさを、親をバッシングすることで解消しようとするような心の動きを、読者に誘導してしまうのではないかという危惧がありました。また、親を責めることが一時の頓服薬として効いてしまって、向き合うべき本質的な課題を回避してしまう、という行動を後押ししてしまうのではないか、と悩みました。
そうして心の傷を放置したままでは、逆にいつまでも毒親育ちであることから抜け出すことが難しくなってしまうからです。どうか、毒親育ちの人にも、前向きに解決できる可能性ある、ということを知って欲しいと思っています。
・毒親育ちである自分を解放できるのは、親ではなく、自分自身であるということを私は言いたのです。
・毒親によって傷つけられてしまうのは、目に見えない絆だけではなかったのです。実際に、脳も傷ついてしまっていることが、現在では明らかになってきたのです。そして、できてしまった脳の傷は、学習意欲の低下やうつ病等の原因になることがあります。
・自分を育てなおす-毒親育ちの宿命から解放されるには
恋人やパートナー、もしくは友人に信頼できそうな相手を見つけることができたなら、その「愛し方」をよく観察してみてください。
1)自分本位の愛情で相手を振り回してしまう人なのか。
2)気が向いた時だけ愛して、後は邪魔者扱いするような身勝手な人なのか。
3)それとも、静かな愛情で、いつも、何があろうとパートナーの人格を認め、大切に扱おうとしてくれる人なのか。
もし、この三番目に該当するような人がいたとしたら、その人があなたの運命の人です。運命の人、というのは、結婚する相手、ということではなくて、あなたの人生を変えてくれる人、という意味です。
そして、この人に頼りきりになるのではなく、この人が自分に向けてくれる淡々とした深い愛情のあり方を、ぜひ、自分でも体得していってほしいのです。
この人が向けるような静かな愛情を、自分でも自分に向けてみるのです。どんな失敗をしても、どんな姿であっても、あなたはあなたであり、僕/私の大切な人です、というメッセージを、自分に発してあげみてほしいのです。
もしうまくできたら、それが自然にできるようになるまで、毎日、花に水をやるように、最初は意識的にでも、繰り返してあげて欲しいと思います。
・一生懸命生き抜いてきた事実があるのだから、親からダメという烙印を押されたことがあったにせよ、自分をもっと自分で愛してあげてもいいのだと、どうか捉えなおしてあげてほしいと思います。
過去を変えることはできなくても、その解釈と、自分自身の未来は変えられます。
・たくさんの人々が生まれ、その生の意味をかならずしも理解しないまま、それでも生を全うし、連綿とつないできたのが人類の歴史でした。その歴史の一分としての生を、どれだけ豊かに受け止めることができるのか、私たちは運命に試されているのかもしれません。
感想;
中野信子さんは、温かい人だなと思いました。
中野さんご自身も周りから変わった人と思われ苦労されてきたと聞いています。
それがあるから,さらに優しく思いやりのある方なのでしょう。
言葉言葉のベースに、愛情を感じました。
ぜひ、読まれると良いと思います。
他の執筆書
「サイコパス」中野信子著 ”相手を知り、自分を知る/脳からの指示をどう判断するか”
「不倫」中野信子著 ”不倫はなくならない!”
親がこの世を去ってからもなお、自身の記憶の中に、親が生き続けてしまうのです。
・毒親「自分の中にいるネガティブな親の存在」
・スーザン・フォワードの書籍「毒になる親」から
「近親相姦(的行為)のあるほとんどの家族は、外部の人間からはノーマルな家庭のように思われている。(中略)事件が起こりやすい家には、人と心を通わせようとしない、とかく何でも隠したがる、依存心が強い、ストレスが高い、人間の尊厳を尊重しない、家族のメンバー同士がお互いに自分の正直な気持ちを語り合うことがない、大人が自分の情緒不安を鎮めるために子供を利用する傾向がある、などの特徴がある」
・インターネットというのも面白いもので、これは社会のそのものの縮図であるように一見見えるのですが、実は自問自答型のメディアなのです。サーチェンジ・オプティマイゼーションなどの仕組みがあり、自動的にキュレーションされた、自分にとって都合のいい情報しか入ってこない構造になっています。あえて自分が読まないようなものをわざわざ探そうとでもしない限り、自分がよく読んでいる記事と似た記事しか、みなさんは目にすることができないはずです。
・妬む母-白雪姫コンプレックス
精神科医である佐藤紀子医師が提唱している用語です。
本書では、母親が娘に対して持つ憎悪を意味する概念として扱っていきます。
実はグリム童話初版本では継母ではなく、実母が娘を殺そうとする物語であった、というのは、今では有名な話でしょう。
・子と競う母
・コントロールする母
・アメリカでは中絶禁止の解除の、20年後から犯罪率が低下したことがいわれて話題になりました。母親の追いつめられた精神が社会全体に与える影響は小さくないのです。
・私は結婚してから「ご飯作っているの?」と聞かれることが増えました。極めて不愉快でしたので「それは私が男でも聞きますか?」と逆に問いかけました。
・マザリーズ
「〇〇ちゃん、かわいいでちゅね」などのいわゆる幼児語。
・ブレネミー
表面だけは仲がいいけれど、実は仲がいいふりして互いの足を引っ張っている、という関係です。
・父の子殺しーアブラハムのパラドックス
キュルケゴールは、著者「Fear and Trembling」で、実際にはアブラハム自身に元来、イサクに対する殺意があったのではないかと分析しています。父親の持つ、この葛藤を「アブラハムコンプレックス」と呼びます。
息子を殺そうとする父の姿に、なぜ彼はここまでこだわったのでしょうか。
キュルケゴールは、現代なら「毒親育ち」ではなかったかと思える節があります。家庭内には、娯楽といえるものがほとんどなく、父は厳格で、キュルケゴールが外に出たいと言うと、それを許さず、父親は彼の手をとって部屋のなかを散歩したといいます。キュルケゴールは行きたいと思うところを父に伝え、すると父子は想像のなかで、門を出て、海岸に出たり、町を歩いたりするのです。手をとって部屋のなかを歩きながら、父は町や海岸で見えるもの聞くものを、実際に見たり聞いたりしているように物語り、知合いに出合って挨拶をし、車が音をたてて通り過ぎるさまを描写します。父はあらゆるものを詳しくいきいきと、想像力を駆使して語りました。この「部屋のなかの散歩」は、キュルケゴールに想像の楽しさを教え、たくましい想像力を養うのに有益だったと一般的にはいわれています。しかし、実際はどうでしょう? 部屋に閉じこめられたまま、父の世界を抜けだすことが許されないキュルケゴール。彼の中には抗うことを許されない父の存在への複雑な感情があったのではないか・・・。だからこそ、彼は旧約聖書の燔祭(息子イサクを神に捧げる)に強い思い入れを感じ、わざわざ分析しようと試みたのではないか、と考えられます。
・愛情ホルモン「オキシトシン」
オキシトシンを点鼻しておくと、本当に相手に対する信頼度が増して、投資の金額を、それまでの倍出してしまったり、不明な取引契約を結んでしまったりと、ちょっと不思議な行動が起きるのです。
オキシトシンはスキンシップで脳内に分泌されます。当然のことながら、性行動もオキシトシンを出させるための行為として含まれます。
・アルギニン・バソプレッシンも、絆を作る物質です。オキシトシンが主に女性に働き、女性のほうが濃度も高い物質であるのに対して、アルギニン・バソプレッシンは男性側に機能してパートナーに対する愛情を支配します。そして、一般的な人間関係における親切心の度合いを左右する物質でもあります。
・六本木ヒルズ森タワーの入り口には、巨大な蜘蛛の彫刻があります。
この蜘蛛の彫刻のタイトルは<ママン>。フランス語で、お母さん。
作者はルイーズ・ブルジョワ。
蜘蛛は巣をこわされても怒らない
もういちど糸をはきなおすだけ
黙ってすべてを受け入れ、織物をなおしていく母の姿はまるで雲のようだ。
蜘蛛のイメージは「縛り傷つける女性」「束縛する母親」を意味すると考えられます。
・『阿闇世(あじゃせ)コンプレックス』
出生以前に親に抱く怨みというような意味になります。
阿闇世の物語は、紀元前5世紀ぐらい
・お前はダメだ、いらない人間だ、とうメッセージを受け続けると、人は次第に自分を肯定できなくなっていきます。大人ですらそうなのですから、自分で自分を愛したり、正当に評価したりする力がまだ育っていない子どもでは、なおさらです。
そうして育ってきた人たちが苦しんでしまうのは、一般的にいう「心の持ちよう」などのせいではなく、実際に脳にダメージを負ってしまっているからでもあります。記憶をとらえなおし、気持ちを明るく持てればそれだけで解消されるような簡単な話ではないのです。もちろん、毒親育ちだからと言って、それがずっとこの先のあなたの人生に影を落としてしまうようなことになるとは限りません。私がパンドラの箱を開けるような気持で、と冒頭に書いた裏にはいくつもの気持ちが混在しています。
その中の一つに「毒親」という言葉に引きずられて、いま現在の自分の心の重さや生きづらさを、親をバッシングすることで解消しようとするような心の動きを、読者に誘導してしまうのではないかという危惧がありました。また、親を責めることが一時の頓服薬として効いてしまって、向き合うべき本質的な課題を回避してしまう、という行動を後押ししてしまうのではないか、と悩みました。
そうして心の傷を放置したままでは、逆にいつまでも毒親育ちであることから抜け出すことが難しくなってしまうからです。どうか、毒親育ちの人にも、前向きに解決できる可能性ある、ということを知って欲しいと思っています。
・毒親育ちである自分を解放できるのは、親ではなく、自分自身であるということを私は言いたのです。
・毒親によって傷つけられてしまうのは、目に見えない絆だけではなかったのです。実際に、脳も傷ついてしまっていることが、現在では明らかになってきたのです。そして、できてしまった脳の傷は、学習意欲の低下やうつ病等の原因になることがあります。
・自分を育てなおす-毒親育ちの宿命から解放されるには
恋人やパートナー、もしくは友人に信頼できそうな相手を見つけることができたなら、その「愛し方」をよく観察してみてください。
1)自分本位の愛情で相手を振り回してしまう人なのか。
2)気が向いた時だけ愛して、後は邪魔者扱いするような身勝手な人なのか。
3)それとも、静かな愛情で、いつも、何があろうとパートナーの人格を認め、大切に扱おうとしてくれる人なのか。
もし、この三番目に該当するような人がいたとしたら、その人があなたの運命の人です。運命の人、というのは、結婚する相手、ということではなくて、あなたの人生を変えてくれる人、という意味です。
そして、この人に頼りきりになるのではなく、この人が自分に向けてくれる淡々とした深い愛情のあり方を、ぜひ、自分でも体得していってほしいのです。
この人が向けるような静かな愛情を、自分でも自分に向けてみるのです。どんな失敗をしても、どんな姿であっても、あなたはあなたであり、僕/私の大切な人です、というメッセージを、自分に発してあげみてほしいのです。
もしうまくできたら、それが自然にできるようになるまで、毎日、花に水をやるように、最初は意識的にでも、繰り返してあげて欲しいと思います。
・一生懸命生き抜いてきた事実があるのだから、親からダメという烙印を押されたことがあったにせよ、自分をもっと自分で愛してあげてもいいのだと、どうか捉えなおしてあげてほしいと思います。
過去を変えることはできなくても、その解釈と、自分自身の未来は変えられます。
・たくさんの人々が生まれ、その生の意味をかならずしも理解しないまま、それでも生を全うし、連綿とつないできたのが人類の歴史でした。その歴史の一分としての生を、どれだけ豊かに受け止めることができるのか、私たちは運命に試されているのかもしれません。
感想;
中野信子さんは、温かい人だなと思いました。
中野さんご自身も周りから変わった人と思われ苦労されてきたと聞いています。
それがあるから,さらに優しく思いやりのある方なのでしょう。
言葉言葉のベースに、愛情を感じました。
ぜひ、読まれると良いと思います。
他の執筆書
「サイコパス」中野信子著 ”相手を知り、自分を知る/脳からの指示をどう判断するか”
「不倫」中野信子著 ”不倫はなくならない!”