https://mainichi.jp/articles/20210818/k00/00m/040/251000c 毎日新聞 2021/8/18 19:17
新型コロナウイルスの感染爆発が起きている東京都で、救急搬送が立ちゆかない状況に陥っている。集中治療室(ICU)での治療が必要なコロナの重症患者が増え、病床や人員に余裕がなくなっているからだ。「断り続けることはこれまでなかった」。救急隊の要請に応えられない日々に、病院のスタッフは苦悩している。
「遅れていたら確実に死亡していた」
「無理です」。14日昼、東京大病院(文京区)の救急外来。電話口の向こうで「なんとかなりませんか」と粘る救急隊に、土井研人(けんと)教授は答えた。ホワイトボードに並んだ「正」の字にマーカーで線が1本書き足された。東大病院が搬送の受け入れを断った件数で、この日は昼までに29件に達していた。
救急隊は足立区の路上で倒れた心肺停止の70代患者の搬送先を探していた。しかし、東大病院も直前にICUに新型コロナの重症患者を受け入れたばかりで、余裕はなかった。この重症患者は、自宅療養中に呼吸不全になった50代男性。家族が13日に救急車を呼ぶも搬送先が見つからず、14日に再び救急車を呼んだ。救急隊は都内の救命救急センターに電話をかけ続け、東大病院でようやく1床を見つけた。搬送された男性は意識がもうろうとし、すぐに人工呼吸器につながれた。
土井教授は「遅れていたら確実に死亡していた。助けられて良かった」と胸をなでおろす。一方、受け入れられなかった患者を思いやり、「申し訳ない気持ちになるし、無力感に襲われる」と語った。電話で断り続ける医師や看護師らの負担は重く、東大では精神科のサポートを受けられるようにしているという。
受け入れ余裕なく「東京は破綻」
東大病院では、救急搬送の要請に対して受け入れることができた割合(応需率)が、コロナが流行する前の8割から3割程度に下がった。新型コロナの患者用に充てたICUの12床がほぼ常に埋まった状態で、医師や看護師など人員の面からも患者をさらに受け入れる余裕がなくなっている。土井教授は「東京の救急体制は破綻している。これ以上患者が増えれば、自宅で死ぬことが普通になる」と危惧する。
総務省消防庁の発表によると、救急隊が医療機関に患者の受け入れを4回以上要請し、現場に滞在する時間が30分以上かかった救急搬送困難事案は第5波で増え続けている。東京都では9~15日に1837件と、前週より20%も増えた。全国医学部長病院長会議の調査では、10日時点で緊急事態宣言が出ている6都府県の25大学病院のうち7病院で救急の受け入れを制限していた。
昭和大病院(品川区)でも、新型コロナについては救急要請の3分の2程度を断る一方、コロナ以外の傷病の搬送はほぼ全件で対応していた。だが、垂水庸子准教授は「今後コロナの病床を拡大しなければならず、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中の患者について受け入れを絞らないといけない」と語った。新型コロナの感染拡大が、救急体制をさらなる窮地へと追い込もうとしている。【原田啓之】
感想;
コロナは自然災害かもしれませんが、助けられる人を助けないのは人災です。
これまで、菅首相と小池都知事は病床増設よりも、オリンピック開催に注力してきました。
その結果が今です。
そのことを自覚されているのでしょうか?
そんなトップを支持していると、まさに現在版インパール作戦で多くの犠牲者が出ます。
既に出ていますが。
インパール作戦ではトップは死なずに戦後生き続けました。
しかし、3万人の兵士がほとんど飢餓と病気で亡くなりました。
私たちにはトップを選ぶ投票権があります。
支持しない選択肢があります。
行使したいです。
新型コロナウイルスの感染爆発が起きている東京都で、救急搬送が立ちゆかない状況に陥っている。集中治療室(ICU)での治療が必要なコロナの重症患者が増え、病床や人員に余裕がなくなっているからだ。「断り続けることはこれまでなかった」。救急隊の要請に応えられない日々に、病院のスタッフは苦悩している。
「遅れていたら確実に死亡していた」
「無理です」。14日昼、東京大病院(文京区)の救急外来。電話口の向こうで「なんとかなりませんか」と粘る救急隊に、土井研人(けんと)教授は答えた。ホワイトボードに並んだ「正」の字にマーカーで線が1本書き足された。東大病院が搬送の受け入れを断った件数で、この日は昼までに29件に達していた。
救急隊は足立区の路上で倒れた心肺停止の70代患者の搬送先を探していた。しかし、東大病院も直前にICUに新型コロナの重症患者を受け入れたばかりで、余裕はなかった。この重症患者は、自宅療養中に呼吸不全になった50代男性。家族が13日に救急車を呼ぶも搬送先が見つからず、14日に再び救急車を呼んだ。救急隊は都内の救命救急センターに電話をかけ続け、東大病院でようやく1床を見つけた。搬送された男性は意識がもうろうとし、すぐに人工呼吸器につながれた。
土井教授は「遅れていたら確実に死亡していた。助けられて良かった」と胸をなでおろす。一方、受け入れられなかった患者を思いやり、「申し訳ない気持ちになるし、無力感に襲われる」と語った。電話で断り続ける医師や看護師らの負担は重く、東大では精神科のサポートを受けられるようにしているという。
受け入れ余裕なく「東京は破綻」
東大病院では、救急搬送の要請に対して受け入れることができた割合(応需率)が、コロナが流行する前の8割から3割程度に下がった。新型コロナの患者用に充てたICUの12床がほぼ常に埋まった状態で、医師や看護師など人員の面からも患者をさらに受け入れる余裕がなくなっている。土井教授は「東京の救急体制は破綻している。これ以上患者が増えれば、自宅で死ぬことが普通になる」と危惧する。
総務省消防庁の発表によると、救急隊が医療機関に患者の受け入れを4回以上要請し、現場に滞在する時間が30分以上かかった救急搬送困難事案は第5波で増え続けている。東京都では9~15日に1837件と、前週より20%も増えた。全国医学部長病院長会議の調査では、10日時点で緊急事態宣言が出ている6都府県の25大学病院のうち7病院で救急の受け入れを制限していた。
昭和大病院(品川区)でも、新型コロナについては救急要請の3分の2程度を断る一方、コロナ以外の傷病の搬送はほぼ全件で対応していた。だが、垂水庸子准教授は「今後コロナの病床を拡大しなければならず、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中の患者について受け入れを絞らないといけない」と語った。新型コロナの感染拡大が、救急体制をさらなる窮地へと追い込もうとしている。【原田啓之】
感想;
コロナは自然災害かもしれませんが、助けられる人を助けないのは人災です。
これまで、菅首相と小池都知事は病床増設よりも、オリンピック開催に注力してきました。
その結果が今です。
そのことを自覚されているのでしょうか?
そんなトップを支持していると、まさに現在版インパール作戦で多くの犠牲者が出ます。
既に出ていますが。
インパール作戦ではトップは死なずに戦後生き続けました。
しかし、3万人の兵士がほとんど飢餓と病気で亡くなりました。
私たちにはトップを選ぶ投票権があります。
支持しない選択肢があります。
行使したいです。