9月を迎え、朝晩など秋を感じることも増えてきました。一方、夏の象徴ともいえるセミは路上や玄関先などに落ちて転がっている姿が目立つようになっています。
この転がっているセミですが、死んでいると思っていたら急に飛び上がり突進してきてびっくりさせられることも。SNS上などでは「セミ爆弾」「セミファイナル」と称され、ウェザーニュースがアンケートを実施したところ、29%の人が「セミ爆弾に遭遇した」との回答がありました(2022年8月25〜26日、回答:10,930人)。
地面に落ちて動かなかったセミがなぜ突然飛び上がるのか、死んだセミとまだ生きているセミをどうやって見分けたらいいのかなどについて、窓蛍舎(そうけいしゃ、滋賀県大津市)代表で大阪市立自然史博物館の元学芸員(昆虫研究室)の初宿成彦(しやけ・しげひこ)さんに伺いました。
突然飛び上がるのは防衛本能
「セミ爆弾」「セミファイナル」というのはどんな状態をいうのでしょうか。
「私が初めて『セミ爆弾』『セミファイナル』という言葉を聞いたのは、4年ほど前になります。それまで地面に転がっていたセミが突然飛び上がることは“当たり前”でとくに意識したことはなく、実際の爆弾のように怖いとも嫌いとも思ったことはありませんでした。テレビ番組やSNSなどでその言い方が紹介されたことで、おもに若い人の間に広まったのだと思います。
地面に転がって動かずにいたセミが突然飛び上がるのは、死期が迫って体力が失われ、弱って動けなくなっていたところに人が近付いたことで防衛本能が働き、物理的な反応として“逃げよう”とする行動によるものです。“最後の力を振り絞って”といえるかもしれません。
木の幹に止まって元気に鳴いていたセミでも、人が近付けば反応して飛び去ってしまいますよね。あれと同じことです」(初宿さん)
脚が開いていれば「生」、閉じていれば「死」
生きているセミと死んでいるセミはどこで見分ければいいのでしょうか。
「地面に落ちたセミは羽側に重心があるため、仰向けに転がっています。脚が開いていれば生きていて、閉じていれば死んでいると聞いて、公園の中を歩き回って調べたことがありますが、確かにその方法で見分けることができるように思いました。
セミが死を迎えて血液の流れが止まると、体内から水分が失われて干からび、筋肉が収縮して脚が縮こまった状態になります。カブトムシなどほかの昆虫でも同じです」(初宿さん)
初宿さんによると、大阪市街地でほとんどを占めるクマゼミはお盆以降、東京のミンミンゼミも9月に入ると数を減らしていくそうです。「セミ爆弾」の時季もそろそろファイナルを迎えます。“ぶつかられるのはイヤ”という人は、遠目にでも転がるセミの脚に注目して難を避けるようにしてください。
感想;
セミがあおむけになっているのをよく見かけます。
見かけると必ずひっくり返して、もしまだ生きていれば飛べるようにします。
今年の夏もたくさん見かけました。
既に5匹ほど見ましたが皆死んでいました。
酷暑はセミにも酷なようです。
昨日ベランダの網戸を閉めようと思い、ガラス戸に手をかけたら、セミがベランダであおむけになっていました。
ひっくり返すと、元気に飛び去って行きました。
まさにセミファイナルだったのです。
いつもより1時間早く閉めようとしたので、いつもの時間だと、この酷暑死んでいたかもしれません。
いつも飛び去るセミに、「私が地獄におちたら、その時は芥川龍之介作”蜘蛛の糸”みたいに、助けに来てね」と心で頼んでいます。
セミの足が広がっているとまだ生きている可能性大で足が閉じていると死んでいるのことです。
今度見かけたら、注意してみようと思います。