風邪薬などの医薬品の供給が不安定になっている問題で、日本医師会(日医)は6日、医療機関の7割以上が医薬品不足に直面したとする緊急調査結果(速報値)を発表した。せき止めや痰(たん)を切る薬の不足が目立つ。日医は「医療現場での医薬品不足は極めて深刻だ」と指摘し、国や製薬企業などに対策を強化するよう求めた。
調査は8~9月、全国の医療機関を対象にインターネットで行い、医薬品の供給状況を聞いた。その結果、病院外の薬局で薬を出している約5700医療機関のうち74%が「薬局から在庫不足の連絡を受けたことがある」と回答した。病院内で薬を出している約3000医療機関では、90%が「入手困難な医薬品がある」とした。
院外の薬局から不足の連絡があった医薬品は1489品目だった。上位10品目のうち8品目をせき止めと痰を切る薬が占めた。糖尿病薬や抗うつ薬のほか、抗菌薬、解熱剤、止血剤なども不足を訴える医療機関が多かった。診療科別にみると、耳鼻咽喉科と小児科の92%が薬不足に直面したと回答した。
医薬品の供給不足の背景には2020年末から相次いだ、ジェネリック医薬品(後発薬)メーカーの不祥事がある。業務停止命令などで生産量が減少した。
厚生労働省によると、主要なせき止め薬は新型コロナウイルス流行前の約85%まで生産量が低下している。このためコロナやインフルエンザが流行し需要が増す度に、医薬品不足が問題になってきた。同省は今年7月、専門家会議で議論を開始、生産体制や業界の構造を改善する具体策を年末までにまとめる。
この夏もコロナの感染が拡大したほか、インフルエンザは例年より早い時期から患者の急増がみられる。同省は9月29日、医療機関や薬局に、せき止め薬などの薬の処方を必要最小限に抑え、過剰発注を控えるよう、都道府県などを通じ要請した。
調査に協力した神奈川県立保健福祉大の坂巻弘之教授(医薬品政策)は、「医薬品不足に迅速に対応するため、国が司令塔になって対策を立てる必要がある」と指摘している。
感想;
確かに医薬品製造所の問題もあります。しかしその問題は前からあったのです。品不足起こさずに改善できたのです。
審査管理課が承認書に製造方法など記載させ、監麻課がちょっとでも承認書と実際の齟齬があると回収させました。
それが品不足の一番の原因だと思います。
多くの新聞記事やコメンテーターの意見を見ているとそこが欠如しています。