平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

リーガルハイ 第7話~そんな甘っちょろいこと言っているからいいようにやられるのよ!

2013年11月21日 | 職業ドラマ
 古美門(堺雅人)VS羽生(岡田将生)・真知子(新垣結衣)。
 ここには現実の真実がある。
 すなわち
 <LOVE&PEACE>や<みんな仲良く>は、勝ち負けにこだわって必死に<戦争>を仕掛けてくるやつにはかなわないということ。
 僕は<LOVE&PEACE>側の人間ですが、この現実は否定できない。

 古美門の主張は自民党の主張に似ている。
 すなわち自民党の
「中国が攻めてくるんだから、LOVE&PEACEなんてゆとりなことを言ってる場合じゃないだろう」っていう主張。

 今回、真知子が目覚めた。
「そんな甘っちょろいこと言っているから
 あんたたちは、いいようにやられるのよ!
 勝つか負けるかよ。誰も邪魔しないで!」
 ここには脚本・古沢良太さんの現在のLOVE&PEACE陣営に対する怒りが表明されていると思う。
 上手くは言えないが、人間なんて欲望のかたまりで、汚いもので、人間の良心とか理想とかを信じるのは甘くて間違いだということ。
 現に今回の『ハダカ裁判』の原告の女性は、日曜日に教会に通う敬虔な姿とは裏腹に男性のハダカを見たい女性だったし。
 『インコ裁判』では、大人の汚い手段によって、純粋にインコ・オードリーを愛していた子供が泣くことになった。

 そして『スタジオ小春日和裁判』。
 これも古沢さんの理想やきれいごとばかりを言って、努力したり戦おうとしない人間への怒りの表明。
 それをアニメ監督の宇都宮仁平(伊東四朗)の口を借りて、こう語る。
「怠けているやつは、あいつは天才だからと言い訳する」
「才能なんて自分を掘り起こしていって作り上げるもの」
「俺は必死に働いて階段をひとつひとつ上ってきた。ふり返ったら後ろに誰もいなかった」
「俺より時間も体力も感性もある奴が何で俺より怠けるんだ?
 だったらくれよ。無駄遣いするんだったら俺にくれ!
 もっともっと作りたいものがあるんだ」

 以上、書いてきたようなことに関して、作家は明確な結論を出していない。
 こんな現実、こんな主張がありますけど、皆さんはどう考えますか? と問題提起している。
 あるいは、「もっとしっかりしろ! LOVE&PEACE陣営」って感じか?

 最近は『半沢直樹』といい、戦うことがテーマになってるな~。
 甘くてロマンティックなトレンディドラマは共感を呼ばなくなった。
 時代の空気はあきらかに変化している。


コメント (2)
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相棒 「右京の腕時計」~結婚記念日にカノンが流れる置き時計

2013年11月21日 | 推理・サスペンスドラマ
 今回は<人の認識>について。
 なくなっていた時計の歯車を見つけたことで、時計師・津田陽一(篠田三郎)は「妻が恨みを晴らしてほしい」と言っていると考えた。
 一方、右京(水谷豊)は「本来の時計師に戻って欲しいと奥様は言っているのではないでしょうかね」と別に見方。
 同じ出来事でも人の認識って、こんなに違う。

 人の認識の違いについては、今回こんなことも。
 ファッションデザイナーの関一馬(辰巳蒼生)の別荘で死んでいた時計輸入販売会社の社長・藤井守(井上純一)。
 伊丹たちは、関一馬が自殺を装って藤井守を殺したと考えたが、右京は逆の認識を。
 すなわち、藤井が関を殺そうとした。

 人が物事を認識するのって、こんなに不安定で不確実なんですね。
 思い込みや立場によって、結論がまったく違ったものになる。
 もし津田が、時計の歯車を見つけたことを「本来の時計師に戻ってほしいと妻が言っている」と認識していたら、今回のような悲劇は起こらなかった。
 人が生きるって、こんなに危ういものなんですね。
 ちょっとした認識の違いで間違った道に進んでしまう。
 今回はそんなお話。

 結婚記念日のみにカノンの曲が流れる置き時計がロマンチックでしたが、同時に犯人が犯行を確信する小道具にもなる。
 上手い小道具の使い方だと思いました。
「私の人生はこの時計を直すことにあったのかもしれませんね」
 という犯人のせりふも泣ける。

 あとは右京さんの物へのこだわり。
 右京さんの時計は手巻き時計でした。


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