平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

軍師官兵衛 第46回「家康動く」~生き残る事は無論大事。しかし、わしは我が道を行く

2014年11月17日 | 大河ドラマ・時代劇
「命には使いみちがある。石田殿の命にもまだまだ使いみちはある」
 役者は目で演技する。
 家康(寺尾聰)が右目を開くと、官兵衛(岡田准一)は鋭い目でにらみ返す。

 この家康の言葉で官兵衛は理解した。
「徳川のねらいは天下を揺るがす大乱じゃ!
 生かされた三成は死に物狂いで味方を集めるであろう。
 国中の大名がどちらにつくのかを迫られる。
 そうして三成に兵を挙げさせ、しかる後にその敵を根こそぎ滅ぼし天下を取る。
 それが徳川家康の天下取りだ」

 そして、善助(濱田岳)に、三成につくのか家康につくのかと問われて、
「播磨を思い出す。あの時もそうであった。
 織田につくのか毛利につくのか生き残る道を必死に探った。
 生き残る事は無論大事。
 しかし、わしは我が道を行く」

 官兵衛の天下取り宣言である。
 今まで生き残ることのみを信条にしてきた官兵衛が賭けに出た。
 第三極の誕生。
 官兵衛VS家康VS三成(田中圭)の始まりである。

 一方、息子の長政(松坂桃李)は完全に家康に取り込まれている。
 家康は、長政の石田三成への憎悪を巧みに利用している。
 官兵衛に足りないのはこうした<ずるさ>なんですよね。
 正論だが、あまりにも真っ直ぐすぎる。
 人の欲望や感情を利用するということも苦手なようだ。
 それは、おそらく、こうした<人たらし>の部分は秀吉(竹中直人)が引き受けてきたからなんでしょうね。
 官兵衛はあくまで<軍師>であり、<政治家>ではない。
 秀吉のような華もないし、家康のようなずるさもない。
 これが官兵衛の限界か?

 一方、おね(黒木瞳)は非戦。
「わたしが本丸にいれば争いになる。無用な争いはなりませぬぞ」
「豊臣の天下は秀吉の一代限り。
 この日本国に太平の世が続くのなら、徳川殿でも前田殿でも誰でもよい。
 もっともふさわしい者が天下人になればよい」
 おねがこうした境地になったのは、秀頼が自分の子でなかったせいもあるのでしょうが、実にあっさりしている。
 ギラギラの男たちとは正反対。

 さまざまな思いを乗せて、作品はいよいよ最後のクライマックスへ。

コメント (2)
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