「なに期待してんの? オリンピックに。
ただのお祭りですよ。
走って泳いで騒いで、それでおしまい。
平和だよね~。
政治がどうの、軍がどうの、国がどうの。
違う違う違う。
簡単に考えましょうよ!」
これが田畑政治(阿部サダヲ)のオリンピック観なんですね。
僕も同意。
単なるお祭りのオリンピックに、国の威信や名誉、国威発揚などが絡んでくるからおかしくなる。
田畑にとって、オリンピックって『ディズニーランド』なんですよね。
楽しくて、さまざまな国の人がいてパフォーマンスしてて、現実を忘れさせてくれる夢の国で、「帰りたくないなあ」と思ってしまう場所。
田畑はこんなことも言っていた。
「誰のためのオリンピックかって話じゃんね~。
選手のため? 国民のため? 軍のため?
それによって自然石か、大理石か、コンクリートか自信持って決めませんか?
もちろん紀元2600年は大事。日本人にとってはね。
でも、それだけではローマには勝てません。
遠方から来る外国人選手にとっては、飯は口に合うのか、練習は十分にできるのか、便所は和式か洋式か。
そっちの方が大事でしょ」
田畑のオリンピック観は『アスリート・ファースト』なんですよね。
重要なのは、アスリートが最高のパフォーマンスをできること!
選手が最高のプレイをしてくれれば、人々が感動して明るくなる。
で、2020年の東京オリンピックを見てみると、全然アスリート・ファーストでない。
・熱中症が懸念される高温多湿の環境。
・トライアスロンの海は大腸菌だらけ。
・それでいて、国の威信のためだろうが、競技場はやたら金をかけて立派。
・でも新国立競技場にはクーラーがついていない。
2020年の東京五輪はアスリート・ファーストでなく『利権オリンピック』ですな。
さあ、東京五輪を仕切っている偉い人たち、
今からでも遅くないから「楽しかったなあ」「帰りたくないなあ」というオリンピックにして下さい!
建物など立派でなくていいから、選手や観客にとって快適なオリンピックを!
…………
この作品は人物描写や心理描写が巧みですよね。
前畑秀子(上白石萌歌)。
日本に戻ってきた直後は何も感じていなかったのに、東京市長・永田秀次郎(イッセー尾形)に発破をかけられ、両親が夢枕に現われて、自分の中の悔しいという気持ちに気づく!
「1/10秒、1/10秒、1/10秒」「悔しい、悔しい、悔しい」「勝ちたい、勝ちたい、勝ちたい」
悔しさは忘れた頃にやって来る(笑)
岸清一(岩松了)。
天皇への御進講の際に片方の目が二重だったことに悩み続ける(笑)
他人が何とも思わない細かいことにこだわってしまうのが人間だ。
それは葬儀で嘉納治五郎(役所広司)が岸を語る際の伏線にも。
治五郎が岸の遺影の二重に気づいたのは、ふたりが深い友情で結ばれていたから。
う~ん、上手い描写だ!
田畑の結婚。
占いが必ず外れるマリー(薬師丸ひろ子)が「どちらとも結ばれない」と占ったことで、どちらとも結ばれることに!(笑)
酒井菊枝(麻生久美子)。
結婚式の際に田畑を評して、
「口が悪いということは心は口ほど悪くないということですから」
菊枝さん、ほとんどしゃべらないけど、口を開くといいことを言うなあ。
実に聡明な女性だ。
聡明さは結婚生活でも発揮されて、
オリンピック招致で使う写真集『日本』の作成の際に田畑が「あれを持って来い」と言うと、すかさずおにぎりを持ってくる(笑)
お幸せに!
志ん生(森山未來)
田畑の結婚式に呼ばれて、田畑と再会。
酔った姿や田畑とのやり取りが楽しいが、同時に落語家として何とか飯を食えるようになったことを情報として入れている。
金栗四三(中村勘九郎)。
小松勝(仲野太賀)が訪ねてくると、何も言わず脚をチェックする。
四三は脚を見ただけでアスリートに向いているか否かかがわかるんですね。
脚は言葉よりも雄弁。
ほんと巧みな人物描写ですよね。
ジメジメしていなくて、さりげなくて深いのが宮藤官九郎脚本!
ただのお祭りですよ。
走って泳いで騒いで、それでおしまい。
平和だよね~。
政治がどうの、軍がどうの、国がどうの。
違う違う違う。
簡単に考えましょうよ!」
これが田畑政治(阿部サダヲ)のオリンピック観なんですね。
僕も同意。
単なるお祭りのオリンピックに、国の威信や名誉、国威発揚などが絡んでくるからおかしくなる。
田畑にとって、オリンピックって『ディズニーランド』なんですよね。
楽しくて、さまざまな国の人がいてパフォーマンスしてて、現実を忘れさせてくれる夢の国で、「帰りたくないなあ」と思ってしまう場所。
田畑はこんなことも言っていた。
「誰のためのオリンピックかって話じゃんね~。
選手のため? 国民のため? 軍のため?
それによって自然石か、大理石か、コンクリートか自信持って決めませんか?
もちろん紀元2600年は大事。日本人にとってはね。
でも、それだけではローマには勝てません。
遠方から来る外国人選手にとっては、飯は口に合うのか、練習は十分にできるのか、便所は和式か洋式か。
そっちの方が大事でしょ」
田畑のオリンピック観は『アスリート・ファースト』なんですよね。
重要なのは、アスリートが最高のパフォーマンスをできること!
選手が最高のプレイをしてくれれば、人々が感動して明るくなる。
で、2020年の東京オリンピックを見てみると、全然アスリート・ファーストでない。
・熱中症が懸念される高温多湿の環境。
・トライアスロンの海は大腸菌だらけ。
・それでいて、国の威信のためだろうが、競技場はやたら金をかけて立派。
・でも新国立競技場にはクーラーがついていない。
2020年の東京五輪はアスリート・ファーストでなく『利権オリンピック』ですな。
さあ、東京五輪を仕切っている偉い人たち、
今からでも遅くないから「楽しかったなあ」「帰りたくないなあ」というオリンピックにして下さい!
建物など立派でなくていいから、選手や観客にとって快適なオリンピックを!
…………
この作品は人物描写や心理描写が巧みですよね。
前畑秀子(上白石萌歌)。
日本に戻ってきた直後は何も感じていなかったのに、東京市長・永田秀次郎(イッセー尾形)に発破をかけられ、両親が夢枕に現われて、自分の中の悔しいという気持ちに気づく!
「1/10秒、1/10秒、1/10秒」「悔しい、悔しい、悔しい」「勝ちたい、勝ちたい、勝ちたい」
悔しさは忘れた頃にやって来る(笑)
岸清一(岩松了)。
天皇への御進講の際に片方の目が二重だったことに悩み続ける(笑)
他人が何とも思わない細かいことにこだわってしまうのが人間だ。
それは葬儀で嘉納治五郎(役所広司)が岸を語る際の伏線にも。
治五郎が岸の遺影の二重に気づいたのは、ふたりが深い友情で結ばれていたから。
う~ん、上手い描写だ!
田畑の結婚。
占いが必ず外れるマリー(薬師丸ひろ子)が「どちらとも結ばれない」と占ったことで、どちらとも結ばれることに!(笑)
酒井菊枝(麻生久美子)。
結婚式の際に田畑を評して、
「口が悪いということは心は口ほど悪くないということですから」
菊枝さん、ほとんどしゃべらないけど、口を開くといいことを言うなあ。
実に聡明な女性だ。
聡明さは結婚生活でも発揮されて、
オリンピック招致で使う写真集『日本』の作成の際に田畑が「あれを持って来い」と言うと、すかさずおにぎりを持ってくる(笑)
お幸せに!
志ん生(森山未來)
田畑の結婚式に呼ばれて、田畑と再会。
酔った姿や田畑とのやり取りが楽しいが、同時に落語家として何とか飯を食えるようになったことを情報として入れている。
金栗四三(中村勘九郎)。
小松勝(仲野太賀)が訪ねてくると、何も言わず脚をチェックする。
四三は脚を見ただけでアスリートに向いているか否かかがわかるんですね。
脚は言葉よりも雄弁。
ほんと巧みな人物描写ですよね。
ジメジメしていなくて、さりげなくて深いのが宮藤官九郎脚本!