平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

変態村~辺境の村に迷い込んだ歌手♂が捕まって女装させられて掘られてしまう話。怖いのはやっぱり人間だなあ

2020年02月12日 | 洋画
『変態村』という映画を見てしまった!
 だって荒木飛呂彦先生の本に面白いって書いてあったんだもん!

 内容は──

・フランスの辺境の村に迷い込んだ歌手♂が捕まって女装させられて掘られてしまう話!(笑)
・宿屋の主人は「歌手の車を修理してやるよ」と言って、エンジンを取り外して車を燃やしてしまう(笑)
・ある村人は愛犬を探してて、「犬が見つかった」と言って牛を連れて来る(笑)
・村人は「獣姦」を日常的にやっていて、酒場ではおかしな踊りを踊り出す(笑)

 赤塚不二夫の漫画やマルクス兄弟の映画のような笑いとして捉えることができるが、作品としては『悪夢』を見ているような感じ。
 総尺94分の作品の中で、観客は悪夢でうなされる。

 で、夢から覚めて、しみじみと思うのは──
 世の中で一番怖いのはモンスターなどではなく『人間』だなあ、という思い。
 特に常識や通常の論理が通用せず、自分なりの論理で動いている人間は怖い。
 常識のある人間は、エンジンをはずして車を燃やしたり、牛を犬だと思ったりしないですからね。

 でも、このことをさらにツッコんで考えてみると、
 僕たちのまわりには、自分とはかけ離れた論理で行動している人間がウヨウヨいる。
 かろうじて法律や道徳や共通の文化や最大公約数の常識というやつで秩序が保たれているが、それらがなくなったら、世界はこの作品のように混沌として来るだろう。
 この世界認識って怖くないですか?

 監督はベルギーのファブリス・ドゥ・ヴェルツ。
 DVDにはヴェルツの短編映画も特典として入っていたが、これも悪夢のような世界だった。

 映画を観るというのは、映画館という暗闇の中で夢を見ること。
 その夢が理路整然としていて楽しいものならスッキリするが、今作のようなメチャクチャで混沌とした内容だとうなされる。

コメント (2)
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