平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

入管法改悪……。ネットではこれを支持するコメントがあふれていて憂鬱になる……

2023年06月13日 | 事件・出来事
 政治の話は疲れるのであまりやりたくないのだが、
 先日、入管法が改正された。
 しかも強行採決で。

 問題点は──
・難民認定3回目以降の申請者は強制送還が可能になったことだ。

 つまり3回NGを出されて強制送還された難民の方は、
 祖国に戻ってひどいめに遭うかもしれない……。
 いいのか? それで?
 そもそも難民というのは、祖国にいたら迫害されるから逃れて来た人たちだ。
 今までは難民認定されなくても強制送還されなかったが、改正後は強制送還が可能になる。
 つまり法律改正としては改悪だろう。
 …………………………………………………

 まあ、難民審査が正しくおこなわれていれば、それでもいいよ。
 でも国会議論を経ていくうちに疑義が出て来た。

 たとえば、難民審査をおこなう参与員に柳瀬房子(難民を助ける会名誉会長)という人物がいる。
 柳瀬氏は毎日新聞のインタビューに答えて、
 2021年から2年間で2000件の審査をしていると発言している。
 つまり1年間1000件。
 ところが、弁護士会のアンケートに拠ると、
 難民審査参与員の平均的な審査件数は「年間で36件」らしい。

 1000件と36件!
 この1000年という数字について、アンケートに回答した参与員たちは──
「信じられない」
「対面でなく書類審査だけでも、とても無理」
「殆ど記録を読んでいない。もしくは調査官が作成した『事案概要』に記載されている事実及び意見に従って判断しているのではないかと思われる」
 と否定的。

 柳瀬氏は国会・衆議院法務委員会で参考人として発言した時、こんな発言をしている。
「私自身、参与員が、入管として見落としている難民を探して認定したいと思っているのに、ほとんど見つけることができません」
「したがって、難民の認定率が低いというのは、分母である申請者の中に難民がほとんどいないということを、皆様、是非御理解ください」

「ほとんど見つけることができません」って本当か?
 ただ右から左に流しているんじゃないのか?
 申請している難民の方の「切実な声」「命がけの訴え」を無視して。
 …………………………………………………………

 はあ……また憂鬱になって来た。
 どうして他者にやさしくなれないのかな……。

 さらに憂鬱になるのはヤフコメなどでは入管法改正について肯定的な意見が多いこと。
 いはく、
・難民認定の要件に合致しないのだから当然のこと。
・素行要件に引っかかった場合、難民であろうが受け入れはできない。
・言語や文化が特殊であることを理解しておくべきである。
・日本は難民認定のハードルが高いのだから日本に来るのが間違い。
・難民申請してゴネれば日本に残れるかもと言う期待を持たせるのが間違い。

 いろいろ言っているが、
「日本の難民審査のあり方」について言及しているコメントはない。
「日本の難民審査が正しくおこなわれている」という前提でコメントしている。
 彼らにとって、日本政府のすることはすべて正しいのである。
 あとは外国人に対する性悪説。排他主義。

 これが「美しい国」の実態である。
 こんなことをしていると、いずれしっぺ返しが来るぞ。

 フランスなどは万を超える難民を受け入れているらしい。
 地勢学的な違いはあるが、キリスト教的な伝統も大きいと思う。
 なんだかんだ言って、日本には宗教がない……。
 他者への慈しみの思想がない……。


※参照記事
 日本に「難民ほとんどいない」は本当か?齋藤法相が心酔する「難民を助ける会」名誉会長に重大疑惑(yahoo!ニュース)

コメント (8)
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