平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ぼっち・ざ・ろっく!~下北沢のライブハウスで活動する女子高生バンド! すべてが肯定されるやさしい世界

2023年03月15日 | コミック・アニメ・特撮
 アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』を一気に見た♪
 下北沢のライブハウスでバンド活動をおこなう女子高生の物語だ。
 下北沢はよく行くから、僕にとって馴染みの風景。
 下北沢のライブハウスにも行ったことがある。

 主人公は後藤ひとり(青山吉能)。
 通称ぼっちちゃん。
 陰キャでコミュ障で、人といっしょにいると緊張する。
 結果、いつもぼっち。
 人気者になるために3年間ギターを練習しまくった結果、プロ級のギター奏者になり、
「ギターヒーロー」の名で演奏動画をUPした結果、フォロワー3万人を獲得!
 ひとりはネットの世界では超人気者なのだ!
 でも現実世界ではぼっち……。
 そんなひとりが伊地知虹夏(鈴代紗弓)、山田リョウ(水野朔)と共にバンドを始めるが、
 他人との演奏経験がなく、緊張もあって本来の実力を発揮できない。
 最初のライブでは『完熟マンゴー』のダンボールを被って演奏し「ロックだ!」と言われる。笑

 実に魅力的な主人公設定だ。
 前半、視聴者は、ひとりがいつ「ギターヒーロー」の超絶テクニックを披露してくれるのか、ヤキモキする。
 ひとりが「ギターヒーロー」であることをバンド仲間は知らないので、いつバレるのかハラハラする。
 後半は、新宿のライブハウスで活躍するバンド「シク ハック」の酔っ払いベースの廣井きくり(千本木彩花)や路上ライブで知り合ったひとりのファンたちが加わってさらに盛り上がる。
 ちなみに僕は酔っ払いのきくりさん推しです!
 …………………………………………………………

 さて、主人公・後藤ひとりのぼっち具合はこんな感じだ。

・過去の恥ずかしい体験がフラッシュバックして精神崩壊する。
・深夜テンションのまま学校に行って後悔する。
・黒歴史は毎日更新される。
・学校では誰かが話しかけてくれるのを待っている。
・学校では誰も名前を覚えていなくて、「あの~」「おい」と呼ばれる。
・頼まれると断れない。
・学校でもジャージを着ている。
・常に猫背。寝ぐせ。死んだ魚の目をしている。
・上手くジャンプできない。
・ネットだけが自分の居場所。現実からの避難所。
・家族と広告以外のメールは来ない。
・写真も家族写真とクラスの集合写真のみ。
・インスタを始めたら自分は承認欲求モンスターになってしまうと思っている。
・ライブチケットのノルマ5枚を売る時、頭に浮かぶのは父と母と妹と飼い犬。
・ぼっちと一人好きは違う、とわかっている。
・さわやかで向上心のある人がまぶしい。
・明るい人は全員パリピだと思っている。
・海やキャンプなど、青春コンプレックスを刺激する歌は苦手。
・夏休みはいつも家にいる。
・江ノ島でトンビに襲われる。
・家に友達が来る時は「歓迎」の段幕をつくり飾り付けをする。
・家に友達が来る時はシミュレーションをして、ツイスターの練習などをする。
・遊びに来たひとりの友達を家族は「レンタル友達」だと思っている。
・体育祭は忌まわしいイベント。
・「クラスで一致団結」という言葉を聞くと意識が飛ぶ。
・学園祭でメイド喫茶をやることになったが『冥土喫茶』ならやれると思っている。

 以上が主人公・後藤ひとりの生態だが、どんな人でもいくつかは自分に当てはまるはず。
 人間は誰でも多かれ少なかれ「ぼっち」なのだ。
 こんなひとりがバンド仲間と心を通わせていくからドラマが生まれる。
 時折、覚醒して、カッコイイ超絶演奏をするからワクワクする。

 太宰治の『お伽草子』に「浦島さん」という短編小説がある。
 太宰治ヴァージョンの「浦島太郎」だ。
 そこで描かれる竜宮城は「すべてが肯定される世界」だ。
 浦島太郎は「批判のない世界」に幸せを感じて竜宮城に留まる。
『ぼっち・ざ・ろっく!』の世界もこれと同じだ。
 ひとりの言動はすべて肯定される。
 周囲は、ひとりの不器用さや生きにくさを理解していて、
 時に面白がったり、フォローしたり、
 逆に勇気づけられたりして、いっしょに歩んでいく。
 そこはとんでもなくやさしい世界なのだ!

 ギャグとやさしさがいっぱい詰まった『ぼっち・ざ・ろっく!』。
 現実に疲れた時は見てみるのもいいかもしれません。


※関連動画
 「ギターと孤独と蒼い惑星」LIVE at STARRY (YouTube)
 ひとりがついに覚醒する感動のシーン!
 ひとりが覚醒してドラムの虹夏が驚き、ベースのリョウとアイコンタクトを送り会う!
 動画のコメント欄にあったが、
 0:50でリョウがヴォーカルの喜多ちゃんの歌い出しの合図を出している!
 細かい所まで気を配っている、すごい作画だ。


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