漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0416

2020-12-19 20:42:47 | 古今和歌集

よをさむみ おくはつしもを はらひつつ くさのまくらに あまたたびねぬ

夜を寒み 置く初霜を はらひつつ 草の枕に あまたたび寝ぬ

 

凡河内躬恒

 

 夜が寒いので降りる初霜を払いながら、草の枕に幾度も寝る旅であったことよ。

 詞書には「甲斐の国へまかりける時、道にてよめる」とあります。躬恒は甲斐権少目(かいのごんのしょうさかん)に任官したことがありますので、その赴任の際に詠んだものでしょうか。躬恒が初霜を詠んだ歌は他に 02770663 にも見えます。躬恒が好んだ語なのかもしれませんね。

 

こころあてに をらばやをらむ はつしもの おきまどはせる しらぎくのはな

心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花

(0277)

 

ささのはに おくはつしもの よをさむみ しみはつくとも いろにいでめやは

笹の葉に 置く初霜の 夜を寒み しみはつくとも 色に出でめやは

(0663)