古今和歌集 0417 2020-12-20 19:18:27 | 古今和歌集 ゆふづくよ おぼつかなきを たまくしげ ふたみのうらは あけてこそみめ 夕月夜 おぼつかなきを 玉匣 ふたみの浦は あけてこそ見め 藤原兼輔 夕方の月であたりはぼんやりとしか見えないので、箱の蓋を開けて見るように、二見の浦の様子は夜が明けてからみよう。 「玉匣」は「蓋」にかかる枕詞で、「ふた」が「蓋」と「ふた(みの浦)」、「あけて」が箱を「開けて」と夜が「明けて」の掛詞になっています。作者が実際に二見の浦を訪れた際、その地名から箱の蓋を連想して詠んだもので、非常に機智に富んだ作歌ですね。 ^^