漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0402

2020-12-05 19:40:14 | 古今和歌集

かきくらし ことはふらなむ はるさめに ぬれぎぬきせて きみをとどめむ

かきくらし ことは降らなむ 春雨に ぬれぎぬ着せて 君をとどめむ

 

よみ人知らず

 

 同じ降るなら、空を真っ暗にして降ってほしい。人を濡らす春雨に、逆に濡れ衣を着せてあなたを引き留めるために。

 帰って行く愛しい人を春雨のせいにして引き留めようとする思いを、「春雨に濡れ衣を着せる」と表現する機智ですが、やや理屈っぽさが強く出ている気もします。
 巻第八「離別歌」も残り三首となりました。