漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0409

2020-12-12 19:13:34 | 古今和歌集

ほのぼのと あかしのうらの あさぎりに しまがくれゆく ふねをしぞおもふ

ほのぼのと あかしの浦の 朝霧に 島がくれゆく 船をしぞ思ふ

 

よみ人知らず
ある人のいはく、柿本人麿が歌なり

 

 ほのぼのと夜が明ける明石の浦の朝霧の中、島にかくれようとする船にしみじみ思いを寄せることよ。

 「あかし」は夜が明けることと地名「明石」の掛詞です。明け行く空、朝霧に覆われた海、その中で島の向こう側に隠れようとする船。情景が自然に目に浮かんできますね。