あなうめに つねなるべくも みえぬかな こひしかるべき かはにほひつつ
あな憂目に 常なるべくも 見えぬかな 恋しかるべき 香はにほひつつ
よみ人知らず
なんと辛いことに、このまま咲き続けるようには見えないことだな。恋しく感じる香りは漂い続けているのに。
隠し題は「あなうめに」の「梅」で、二文字の物名歌というのもあるのですね。二文字だと、例えば第二句に「つねなるべくも」と「雲」が入っているように、意図せずに物名が入ってしまうこともままあるだろうと思いますが、この歌の場合は内容自体が梅の花を詠んでいますね。