漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0418

2020-12-21 19:40:40 | 古今和歌集

かりくらし たなばたつめに やどからむ あまのかはらに われはきにけり

狩り暮らし たなばたつめに 宿からむ 天の河原に われは来にけり

 

在原業平

 

 一日狩りをしてすごした今夜は、織姫に宿を借りよう。天の川に私はやってきたのだから。

 0175 にも出てきましたが、「たなばたつめ」は漢字では「棚機津女」で織姫のこと。詞書(この歌の詞書も長いです!)には、惟喬親王の狩りに随行したおり、親王の仰せで「狩りして天の河原に至るといふ心」を詠んだとの記載があります。なお、この歌とその返しである次の 0419 は、伊勢物語の第82段にも採録されています。

 旅を歌った巻第九「羇旅歌」、残り三首となりました。