あめとのみ かぜふくまつは きこゆれど こゑにはひとも ぬれずぞありける
雨とのみ 風吹く松は 聞こゆれど 声には人も ぬれずぞありける
松に吹く風の音は雨のようにしか聞こえないけれど、音だけなので人が濡れることはないのであったよ。
松籟は雨音のように聞こえるけれど濡れない、というこれまた「そりゃそうでしょ」系の歌^^;; 松籟を雨のようだととらえるのは 120 にも出てきました。あちらは「でも池の水が増すことはない」でしたね。
この歌は玉葉和歌集(巻十六「雑三」 第2188番)に入集しています。