漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1051

2022-09-15 05:59:35 | 古今和歌集

なにはなる ながらのはしも つくるなり いまはわがみを なににたとへむ

難波なる 長柄の橋も るくるなり 今はわが身を 何にたとへむ

 

伊勢

 

 難波にある長柄の橋もあらたに造られるそうだ。これからは、老いて生き長らえるわが身を、何に喩えたら良いのだろう。

 その名前と、実際に古くからあることから長くあるもの・古びたものの比喩に使われてきた長柄の橋。その橋が新たに造り替えられるということで、それではこれからは古いもの(ここでは老いたわが身)を何に喩えたら良いのか、というわけです。橋の新造という慶事を、少しひねった観点から祝ったというところでしょうか。「長柄の橋」を詠み込んだ歌は、08260890 にも採録されています。



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