なにはなる ながらのはしも つくるなり いまはわがみを なににたとへむ
難波なる 長柄の橋も るくるなり 今はわが身を 何にたとへむ
伊勢
難波にある長柄の橋もあらたに造られるそうだ。これからは、老いて生き長らえるわが身を、何に喩えたら良いのだろう。
その名前と、実際に古くからあることから長くあるもの・古びたものの比喩に使われてきた長柄の橋。その橋が新たに造り替えられるということで、それではこれからは古いもの(ここでは老いたわが身)を何に喩えたら良いのか、というわけです。橋の新造という慶事を、少しひねった観点から祝ったというところでしょうか。「長柄の橋」を詠み込んだ歌は、0826、0890 にも採録されています。