しるしらぬ なにかあやなく わきていはむ おもひのみこそ しるべなりけれ
知る知らぬ なにかあやなく わきて言はむ 思ひのみこそ しるべなりけれ
よみ人知らず
知っているとか知らないとかを、どうして意味なく区別して物を言うのでしょうか。恋しく思うその思いこそが恋の道標でありますのに。
0476 への返歌。恋心があるのならば、姿をはっきり見たとか見ないとか、その人のことを知っているとか知らないとかなど関係ないでしょう、という訳ですね。煮え切らない相手に業を煮やして、「はっきりしろよ」と叱咤したというところでしょうか。