のちまきの おくれておふる なへなれど あだにはならぬ たのみとぞきく
のちまきの 遅れて生ふる 苗なれど あだにはならぬ たのみとぞ聞く
大江千里
後から蒔いて、遅れて育つ苗だけれども、無駄にはならず田の実をつける、頼りになるものときいているよ。
何の苗なのかも言及がなくてわらかず、何やら深い含意がありそうな気がしますがそれもわからない、なんともすっきりしない歌のような後味がしてしまうのは、まだ私が浅学のためでしょう。ただ手持ちの文献もネットで調べて見てもそのあたりのことは書かれていないので、多くの鑑賞者にとってよくわからない歌であるのかもしれません。隠し題は「のちまきの」に詠み込まれた「ちまき(粽)」。大江千里(おおえ の ちさと)の歌は 0271 以来久々の登場です。