財務省が日本を牛耳っている実態が安倍総理によって暴かれつつあります。歴代首相の何人かは財務省によってコントロールされ、結果退陣に追い込まれてしまっています。筆者も2年連続税務調査されたことがあり、徴収権を持つ者の強さは知っています。税務署のみならず財務省には予算の配分権もあります。まさに霞が関最強の官庁です。抵抗するためには解散しかなかったということは理解できます。しかし、消費増税先送り以外では国民目線からすればたしかに今選挙する意味はありません。何故なら公明党は言うにおよばず、自民党が議席を増やすにせよ減らすにせよ大きくは変わらないからです。安倍首相の立場に立てば今度の選挙は最長4年間の延命に繋がります。次回は解散を急ぐ必要がないからです。又日銀による異次元の金融緩和は米国の例のように一度行えば出口戦略が難しく、一歩間違えれば大変な事態になります。よって間違っているとしても一部野党が求めているようなアベノミクス変更は実質出来ません。安倍首相が力説している中間層の実質所得が上がるまでには相当の時間がかかり、多分、次の増税時期には間に合いません。よって考えられるシナリオは①安倍首相が勇退しそのまま増税する。②衆議院を再度解散する。③減税品目を最大限拡大する。この3つしか今回行われるABE総選挙のつじつまを合わせるものがないかもしれません。政治はしんどい、 一寸先は闇です。
くコ:彡コピー 消費増税は民主党の野田佳彦政権と自民党、公明党による3党合意で決まった。それを合意に加わった自民党の安倍晋三政権がひっくり返すというのだから、あらためて選挙で民意を問うのは、政治的にまったく正統性のある手続きである。
3党合意の増税路線に賛成して自民党に投票した有権者からみれば、安倍政権ができたと思ったら突然、公約を反故にして増税先送りでは納得がいかないだろう。
ところが、一部のマスコミは「増税を決めた法律には景気次第で増税を停止できる景気条項があるのだから、解散しなくとも政権が決めればいい。税金の無駄遣いだ」と解散を批判している。
私に言わせると、こういう批判は政治のリアリズムとダイナミズムを理解していない。解散なしで増税先送りを決めようとすると、何が起きるかを考えればすぐ分かる。
自民党の税制調査会を牛耳るベテランたちは増税断行を強硬に唱えていた。野田毅税調会長は言うに及ばず、麻生太郎財務相や谷垣禎一幹事長も増税派である。
民主党はもともと増税に賛成だ。舞台裏では財務省があの手この手で増税根回しに動いていた。そこで安倍首相が先送りを言い出せば、政権を揺るがす大政局になったのは間違いない。
大手マスコミはほとんど増税賛成だから結局、安倍は先送り断念に追い込まれただろう。そうなったら政権の求心力は低下する一方、景気は悪化するので最終的に政権が崩壊してもおかしくない。
それどころか、増税せざるをえなくなった安倍政権は財務省にとって、もはや用済みである。「総理、ご苦労さまでした」の一言で安倍は谷垣や麻生に交代する。実は、これが財務省にとってベストシナリオだった。