孫正義氏が窮地に落ちようとしているようです。組成した10兆円の「ビジョン・ファンド」が1兆2千億円投資し、金の卵になるはずのシェアオフィス大手・米ウィー・カンパニーが新規株式公開を延期し、さらに米ゴールドマン・サックスが同ファンドへの融資枠(約3300億円)の一部を引き上げる検討に入ったと報じられたためだ。盟友みずほと連携し、LINEを傘下に収める奇策があるようですが、不透明です。「借金の多い日本企業トップ500」でも、4年連続1位に輝いているSoftbankですが、ついに借金は13.7兆円にも膨らんでいます。ビジョン・ファンドの失敗はそのまま経営危機にも直結しそうです。
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ソフトバンク(SB)グループの孫正義会長兼社長(62)が窮地に立たされている。組成した10兆円の「ビジョン・ファンド」が投資するシェアオフィス大手・米ウィー・カンパニーが新規株式公開を延期し、さらに米ゴールドマン・サックスが同ファンドへの融資枠(約3300億円)の一部を引き上げる検討に入ったと報じられたためだ。
当初、ウィーは9月に上場予定で、孫氏は「470億ドル(約5兆円)の企業価値がある」と豪語し、110億ドル(約1兆2000億円)を投じてきた。しかし、創業者のアダム・ニューマンCEO(最高経営責任者)による杜撰な経営が暴露され上場は延期、ニューマン氏も辞任に追い込まれ、先行きは不透明だ。
「市場では、ビジョン・ファンドが投資する他のユニコーン企業群についても疑念が持たれ始めています」(大手証券幹部)
孫氏は8月の会見で、ビジョン・ファンドについて「7兆円を投資して2兆円利益を出した。来年3月までに5、6社が上場」と豪語したが、ウィーの失敗でシナリオが狂い始めた。しかも利益の大半は投資する未上場株の評価益で、約80社の投資先企業の価値が下がれば利益も目減りする。
危機を跳ね返す奇策はあるのか。孫氏が狙っているとされるのが、あの企業だ。
その仲介役とみられるのが、みずほフィナンシャルグループだ。SBとLINEの共通のメインバンクで「SBから得る手数料は多い年に数百億円で、一蓮托生の関係」(メガバンク幹部)。また、みずほとLINEは共同でネット銀行「LINEBANK」を設立、来年開業を目指している。対話アプリが頭打ちとなり、新たな収益源として『LINE経済圏』の構築を図っているのです。しかし、金融事業を含む戦略事業の営業損益が赤字で、テコ入れは待ったなしの状況です」(エコノミスト)
メガバンク幹部が続ける。「買収すればSBグループの価値は飛躍的に高まる。ヤフー、ZOZOにLINEが加われば、アマゾンに対抗できるでしょう」
連結純有利子負債は3月末で17兆円と世界2位のSB。孫氏の真価が問われている。