福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

真言安心勧善義その6

2020-12-07 | 真言安心勧善義

真言安心勧善義その6 加持のこと

問。真言宗の加持ともうすはその義如何ぞや
答。能加能持と能加所持との二義あり。
諸仏の大慈大悲を衆生にあたへ衆生を護持護念したまふは能加能持の義なり。これは加持二字の義、佛邊にあるなり。
諸仏の大悲大智を加えたまふを衆生よく受け持つを持といふ。是は加は佛邊にあり、持は衆生邊にあるの義なり。およそ真言の供養法、護摩、灌頂等、あるいは印明結誦観想等、悉く是れ加持の義なり。真言師大慈大悲心に住して願主のための修法する、是を加といふ。願主信心に住して諸仏の威神力、真言師の加護力、密印密呪の威力を仰いで一心に受け持つこれを持といふ。不可思議感応の因縁によってなんたる求願か成就せざらん。なんたる災難か除かざらん。またそれ真言師、本尊の三摩地修行を凝して自己の菩提を祈るも本より加持の義なり。あるいは又真言師、佛菩薩等の尊像を加持し、天地風雲雷雨炎旱、沙石草木、龍蛇禽獣ないし衣服器具等、およそあらゆるものを加持するも、其の儀全く是同じ。たとえ非情の沙石草木なりといへども、真言加持の神変威力によってそのものたちまち本有の佛徳を顕し、自然に仏光を放って種々威霊をしめすこと疑ふべからず。三国経諸に記せること、一々挙げるに遑あらず。今日現前加持密符、加持土砂等、諸病を治し災厄を除き、あらゆる業苦を滅すること諸人普く見聞信崇かくれあらざるところなり。又それ有縁無縁亡者のために引導極楽、証果菩提の修法法事、またこれ現世祈祷に同じく加持門の義なり。およそ諸仏の出世利生是加字門の義なり。且つ、夫れ、本尊加持(修法時に本尊の印明を結誦して本尊の三密と行者の三業が一つになること)、諸仏加持(金剛界修法時、五相成身観により行者が大日如来と為り金剛界36尊が曼荼羅を為すこと)、理智加持(理は胎蔵・智は金剛界)、人法加持(人と諸法が互に加持すること、心清ければ万法清きが如し)、法界加持(諸仏・真言・衆生が相互に加持すること)等甚深の義あり。(続)

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