問。平生朝暮の勤行ならびに三宝供養如何に心得べきぞや
答。先ず盥漱してこの身を清むるはいよいよわが身を清むるなり。あるいは洗浴清浄ならしめ、また新しき衣服を着し、あらためてつとむるはいよいよ清浄なるべし。おしなべて是本尊諸尊の身を清め奉り、一切衆生身を清むるにいたるなり。又、仏壇仏塔を拭い清むるは自身の仏土をきよむるになる。又即ち法界仏土衆生身土を清むるになるなり。
香華灯明飲食菓子等を本尊諸尊に供養するはこれすなわちまた自身佛を供養するになるなり。又即ち一切衆生を供養するなり。
礼拝恭敬を作し、経陀羅尼を読誦して佛徳を讃揚し供養するは是即ち自身佛法界衆生を讃歎供養恭敬礼拝するになるなり。若し又三界諸天八部鬼神衆、七曜九執等(九執とは「九曜星」とも言い、七曜の「日月火水木金土」の星に「羅睺」と「計都」の二星を加えた星辰)、ならびに天神地祇等を恭敬供養し奉るも、自心の三界諸天等を恭敬供養し奉るになるなり。如何とならば、三密法界法爾加持、心佛及衆生三等無碍、達磨駄覩(たらまだと・「法界」)の功徳力用、不可思議不可量不可窺尽のゆえに。
我また禅定に住すれば法界ことごとく禅定に住す。我また静慧を掲ぐれば法界ことごとく静慧を掲ぐ。ただねがわくは真言者止観の修行を凝らし、経陀羅尼読誦解義書写等各々機宜に応じて日夜朝暮の勤修おこたるべからず。即ち是万行を摂せる六波羅密の行にして即ち是諸仏菩薩の心行なり。
特には陀羅尼の功徳甚深、而も不可思議なること経軌の説相無尽なり。一一の字字即ち是法身法曼荼羅なり。輪円具足のゆえに三種曼荼羅も又此のうちに備われり。自の為、他の為、法界衆生の為に、常に最も念誦すべし。凡そ一切の罪障を消滅して無量の福寿を満足し、あらゆる災難を除いて二世の所望を果たし竟に無上菩提を成就すること諸人全く疑ふべからず。是れ唯、真言経説のみに非ず、すべて大乗経典皆な其の至極に至ってはいずれも陀羅尼に帰したまふ。諸人ことごとく知れるところの般若波羅密多心経も掲諦掲諦の真言に約まれり。
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