今日は僧浄光により鎌倉大仏の建立された日です。吾妻鑑歴仁元年三月二十三日の条には「今日、相模国 深沢里の 大仏堂の事始め也。僧浄光尊卑の緇素を勧進令め、此の営作を企てると云々」とあります。 . . . 本文を読む
今昔物語集巻十二「薬師寺において万灯会を行ひたる語」 第八
今昔、薬師寺の万灯会(注1)は、其の寺の僧恵達が始め行たる也。昼は本願薬師経を講じて、一日の法会を行ふ。寺の僧、法服を調へて、皆色衆たり。音楽を宗として歌舞隙無し。夜は万灯を挑て、様々に飾れり。此れ、皆寺僧の営み、檀越の奉加也。三月の廿三日を定て、其の会、今に絶へず。此の朝の万灯会、これに始れり。
彼の恵達、後には僧都 . . . 本文を読む
「勅を奉じ雑藥を三寶衆僧に供養する願文 寛平九年三月二十三日」(菅家文草)
「弟子(宇多天皇)生まれは末世に在り、乃ち宿業なり。位國王為り、乃ち勝因なり。是故常に念へらく 得る所の珍財 以て用ひて布施せむと。万民百姓然して志伸び力屈し、言深く事浅し。唯願くは一二剤の妙香 普く千万億の苦の衆生に及ぼし 今の捨つる処 此の上分に在り。 三寶衆僧 哀を垂れ聴許せよ。弟子敬白。」
(このころ寛平五年 . . . 本文を読む
奈良時代には天皇以下全国民が「般若の四句の偈」を唱えて疫病を退散せよとの勅令が出されています。『続日本紀』天平宝字二年758八月丁巳。18日、淳仁天皇の勅令として、「般若の四句の偈」を唱えることを命じています。『九宮経』という中国の暦学書によれば、来年は三合が会う不吉な年であり、様々な自然災害や疫病が流行する、よって天皇はじめ国を挙げて「般若の四句の偈」を念ぜよ、官吏は通勤の道路上でもこの「般若の . . . 本文を読む