『日域は大乗相応の地なり』この『日域』というのは聖徳太子のお書きになった「未来記」にこの日域という字があり、(聖徳太子秘文『未来記』 に「日域末世中彼三悪魔流布 雖見聞不禁断者六天魔王得便 異国蒙古為歓喜 牛馬如人言語 魚鱠生羽飛虚空 岩石現眼口 夜半見日輪 北方出月輪」とあるとされます)これが親鸞聖人の夢告に現れたのでしょう。それから『大乗相応の地』というのは、先に示した聖徳太子御廟の碑文の終わりの方に「過去七佛法輪所 大乗相応功徳地」とあります。(親鸞聖人が「上宮太子御記」の書写を終える際、巻末に「太子廟窟偈」を書き入れています。太子廟窟偈です。「大慈大悲本誓願 愍念衆生如一子 是故方便従西方 誕生片州興正法 我身救世観世音 定慧契女大勢至 生育我身大悲母 西方教主弥陀尊 真如真実本一体 一体現三同一身 片域化縁亦巳盡 還帰西方我浄土 為度末世諸有情 父母所生血肉身 遺留勝地此廟窟 三骨一廟三尊位 過去七仏法輪處 大乗相応功徳地 一度参詣離悪趣 決定往生極楽界 印度号勝鬘夫人 晨旦称恵思禅師」)
「過去七佛法輪所 大乗相応功徳地」の「過去七佛」というのは昔この世に出られた毘婆尸仏; 尸棄仏; 毘舎浮仏; 倶留孫仏; 倶那含牟尼仏; 迦葉仏; 釈迦仏をいいます。この過去七佛がこの磯長の御廟窟の地に昔法輪を転じて説法せられた、そういう大乗善根功徳の霊地であるという意味です。それがこの夢告の中にあらわれて「日域大乗相応の地」ということになるとこの日本の国土全体が大乗相応の地ということになります。この日域は大乗相応の地なりということは、聖徳太子以来千三百五十年の日本の歴史を見ると何人も否応なしに頷かねばならぬ事実であります。この一句は親鸞聖人の夢想の中に現れた句であるけれども我が国古来の高僧がたの言わんするところを代弁した言葉であろうと思います。・・仏教と云うものが釈迦如来のお説きなされた印度には今日ほとんど滅んでおります。支那の国はどうかと申せば、昔からあれほど数知れぬ高僧方が出られた仏教繁昌の土地でありましたが、今日は殆ど支那の国民精神の中には生きてはいないのであります(現在はダライラマのチベットを弾圧するなどむしろ佛敵国になっています)。仏教が本当に生きているのは我が日本の国だけと申してよろしい。生きているということは・・民衆の生活の中に仏教が浸透し行きわたっていることを言うのであります。仏教と云うものを除いては日本の文化と云うものは考えられないし日本の歴史というものも考えられません。我が日本国は我々仏教徒から見ましてそういう特殊の有難いお国柄であります。(しかし最近の各界のいわゆる指導者層を見てもますます仏教から遠ざかり薄っぺらな存在となっていると感じ、インドや中国の現在とあまり差はないと感じるのは私だけでしょうか)。
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