福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国八十八所の霊験その43

2014-06-12 | 四国八十八所の霊験
27番神峰寺の霊験と成功者の信仰
26番から27番神峰寺は34kmあります。歩くと9時間はかかるといわれています。大体途中バスに乗ってします。麓の遍路宿に泊まり朝早く27番神峰寺にのぼります。朝はご住職みずから納経してくださると遍路宿でききましたがそのとおりで、朝早く行くとご住職がおられ、自ら納経していただきました。
 ここは神功皇后が三韓征伐の戦勝を祈願して、天照大神を祀った社として創建され、後に行基菩薩が十一面観音菩薩を刻んで本尊とし、大同4年(809)、弘法大師が聖武天皇(在位724~749)の勅命を奉じて伽藍を建立し、第27番札所として定められたとのことです。
山内の碑に「ありがたや八十八の霊蹟を大師は今もめぐりまします」とありました。
 四国遍路はお大師様にめぐり合いたいと思い遍路をしているのです。
この碑を見て多くの遍路が勇気つけられます。
私もこの句を多くの遍路宿の帳面に書き込みました。
ここは昭和31年名古屋の水谷夫妻に奇跡が起こり、参道でしず氏が転倒したときに脊髄カリエスが治ったところです。また鍵田忠三郎元奈良市長も昭和57年1月25日の高野山時報に投稿して「30代で心臓、膵臓等複合した病に冒され二か月のいのちと宣告された。どうせ助からないと思っていたが奈良大安寺の河野貫主にすすめられ四国遍路に出た。・・27番神峰寺の坂道で苦しくて休んだ。意識がスーと暗い闇の中に入っていきこれで死ねると思った。その時、暗闇のなかでごうごうと音を立ててピカッと光る『いのち』の大きな流れをみた。このいのちの流れにすべてをまかせようと思ったとき正気に戻り、一度に心身が蘇った。その後病は回復した。・・」と書いています。いのちの流れということに関しては柳沢桂子柳沢桂子氏も「癒されて生きる」に「病床で神秘体験をした。なにかおおきなものにすっぽりと包まれているのを感じました。・・私は一人で苦しみ必要もないと確信しました。」と書いています。こうしてみると「いのちのながれ」という大きなものがある事がわかります。
 ここは岩谷弥太郎の母が子供の大成を祈って、自宅から20キロの道のりを日参した霊場でもあります。弥太郎は成功した後に27番神峰寺に広大な山林を寄進しているそうです。
そういえば偉人の母はみな信心深かったのです。母の力は古今東西を問わず偉大です。そもそも大国主命は母の力で蘇りますし、古列女傳には孟母三遷の故事もでています。加藤清正の母は熱心な日蓮信者であり、この影響で清正は25歳の時難波に本妙寺等を建立して父の菩提を弔い、その他京都本圀寺、江戸の池上本門寺、熱田神宮等におおくの寄進をしています。瑩山禅師の母懐観大師も十一面観音様に毎日祈願して「観音経」を読誦したおかげで三十七才にして瑩山禅師を生んでいます。野口英世の母「しか」は、幼少時に観音様に祈って家出した両親が帰ってきたという霊験により熱心な観音信者となり、産婆としても「お産のときは必ず観音様にお祈りしながらやんのやっし、そうしっと観音様がお力を貸してくれらんのっし」といっており、取り上げた二千人はすべて安産だったといいます。「しか」は地元の中田観音を信仰しており、英世も後年帰国したときに母とこの中田観音に参拝しました。
 リンカーンの母は「どんな金持ちや身分の高いものになるよりも聖書を読むことの好きな人間になりなさい」と遺言したということです。ラ・マルチーヌの母は熱心なクリスチャンで外出時には必ず貧しい人への喜捨のため葡萄酒やパンを携えていったと云います。マザーテレサの母は貧しい母子家庭ながら身寄りのない病人を引き取って面倒を見る位信仰深い人で、十八才のテレサが修道女としてインドで働くことを決意したとき障害の別れに際し「神の手に委ねなさい。神と共に歩みなさい。」といって送り出したと云います。高群逸枝の「お遍路」にも「母は長女を流産させた後、地元築後の清水観音に願掛けして一月十八日の観音様の日に私を授かった」「・・私は時々死ぬほどの大病をすることがあった。その都度母は清水観音を念じて翌日にはケロッと治る。この経験が母の信仰を不動のものにしていたのは疑いない。・・」等と書かれています。岡本かの子も熱心な観音信者で、昭和十二年松坂屋の展覧会に観音経普門品を書き上げて出品したり、多くの仏教書籍を出版しています。小澤征爾の母さくらはテレビのない家で夕食の後は必ず讃美歌を子供たちに歌って聞かせこれが後の征爾を作ったとされます。

こういうふうに見てくると母の役目の偉大さに驚かされます。安岡正篤も「運命を創る」の中で、武士の娘・妻の躾の力が徳川三百年を保ち、尚且つ明治日本の建設に非常に貢献した、と言っています。
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