月照上人の十善戒和歌
月照は、文化10年(1813年)に生まれ、安政5年11月16日(1858年12月20日)西郷と共に錦江湾で入水しています。清水寺住職で法相宗の学僧でした。
ずっと以前、木南卓一先生から戴いていた月照上人の歌のプリントが出てきました。不妄語戒の和歌を見るとさもありなんという気もします。
「十善戒和歌
第一慈悲不殺生戒、ならへ人、雨にながるる山蟻をすくひていのちながきためしに。 ひとはいさ、我は命の惜しければいきとしいけるものはやぶらじ。
第二高行不偸盗戒、山守のゆるさぬほどは谷影に落ちたる栗もゆめな拾いそ。
第三浄潔不邪淫戒、女郎花たてる野辺にはこころせよ いろ香に道をわすれもぞする。
第四正直不妄語戒、いつはりて生けらんよりはしら露と身はいさぎよく消えもはてなむ。
第五尊尚不綺語戒、雲鳥のあや織りなして言ひたつることにまことはすくなかりけり。
人の為世の為ならぬ言の葉は露ほどだにも言ひなちらしそ。
第六柔軟不悪口戒、わが宿にやしなひ置ける犬だにもうちののしりて責めじとぞおもふ。
第七交友不両舌戒、とにかくに あしくいもてあし垣の中をへだつることぞいやしき。
第八知足不貪欲戒、いろずくも餌を欲りせずば釣り針にっかる憂き目はしらざらましを。
咲くを待ち、散るをばおしむくるしみは深くも花を欲りすればなり。
第九忍辱不瞋恚戒、塵ばかりいからで忍べ忍びてぞ山より高く徳は積もらん。
しるやいかに心みじかく燃ゆる火に功徳の山もやけくだけぬと。
第十正智不邪見戒、身に影の離れぬがごとよしあしの 業(わざ)にむくひのなかるべしやは。」
月照は、文化10年(1813年)に生まれ、安政5年11月16日(1858年12月20日)西郷と共に錦江湾で入水しています。清水寺住職で法相宗の学僧でした。
ずっと以前、木南卓一先生から戴いていた月照上人の歌のプリントが出てきました。不妄語戒の和歌を見るとさもありなんという気もします。
「十善戒和歌
第一慈悲不殺生戒、ならへ人、雨にながるる山蟻をすくひていのちながきためしに。 ひとはいさ、我は命の惜しければいきとしいけるものはやぶらじ。
第二高行不偸盗戒、山守のゆるさぬほどは谷影に落ちたる栗もゆめな拾いそ。
第三浄潔不邪淫戒、女郎花たてる野辺にはこころせよ いろ香に道をわすれもぞする。
第四正直不妄語戒、いつはりて生けらんよりはしら露と身はいさぎよく消えもはてなむ。
第五尊尚不綺語戒、雲鳥のあや織りなして言ひたつることにまことはすくなかりけり。
人の為世の為ならぬ言の葉は露ほどだにも言ひなちらしそ。
第六柔軟不悪口戒、わが宿にやしなひ置ける犬だにもうちののしりて責めじとぞおもふ。
第七交友不両舌戒、とにかくに あしくいもてあし垣の中をへだつることぞいやしき。
第八知足不貪欲戒、いろずくも餌を欲りせずば釣り針にっかる憂き目はしらざらましを。
咲くを待ち、散るをばおしむくるしみは深くも花を欲りすればなり。
第九忍辱不瞋恚戒、塵ばかりいからで忍べ忍びてぞ山より高く徳は積もらん。
しるやいかに心みじかく燃ゆる火に功徳の山もやけくだけぬと。
第十正智不邪見戒、身に影の離れぬがごとよしあしの 業(わざ)にむくひのなかるべしやは。」