一期大要秘密集・・12
問ふ。何んか観じて能く此の菩提心を発するや。
答。文に云く、夫れ無上菩提心を発せんと欲はば、先ず深心を以て仏の法身を観ぜよ。性海湛寂として無生無滅なり。衆生痴闇にして自ら覚に由なし。諸仏如来、この輩を愍念し大悲の浪を起こして生死の海に流し、大教の網を張って顕密の機を済ふ。しかるに我等今教網に遇うて既に罹れり。當に彼岸近きことを知るべし。今度脱漏せば永く生死に留まらん。當に深広の大菩提心を発すべし。誓願して一切の悪法を断除し、誓願して最上の法門を修習し、誓願して一切の有情を度脱し、誓求して速やかに無上菩提を証せん。所謂菩提とはこれ諸仏法身の六大(地水火風空識)、亦これ衆生本覚の四曼(大曼荼羅、三昧耶曼荼羅、法曼荼羅、羯磨曼荼羅)なり。
問ふ。若し爾れば此の三昧地を修する者は幾くの時分を歴て成就することを得や。
答。若し相続修に拠らば十二年を過ぎずして有相即ち成就し、無相も亦漸く現ぜん。
問ふ。若し爾れば唯この観を修して成仏を得るや。
答。唯此の観によって全く余修なし、懈怠小機の者は順次往生の大願を遂げ、精進大機の者は現身成仏の悉地を得ん。何を以ての故に、一心に萬行を摂して行として行ぜざることなく、一観に諸観を含んじて観ぜざることなし。故に大日経に云く、若し勢力の広く饒益すること無くんば、法に住じて但だ菩提心を観ぜよ。仏この中に萬行を具して浄白純浄の法を満足すと説きたまへり。(祕藏寶鑰に「若無勢力廣増益住法但觀菩提心。佛説此中具
萬行滿足淨白純淨法也。此菩提心能包藏一切諸佛功徳法故。若修證出現則爲一切導師。若歸本則是密嚴國土。不起于座能成一切佛事。讃菩提心曰若人來佛慧 通達菩提心父母所生身 速證大覺位・・」)論に云く、若し人佛慧を求めて菩提心に通達すれば父母所生の身に速やかに大覚の位を証す、といへり。(金剛頂瑜伽中發阿耨多羅三藐三菩提心論「讃菩提心曰
若人求佛慧 通達菩提心 父母所生身 速證大覺位」)。
問ふ。何んか観じて能く此の菩提心を発するや。
答。文に云く、夫れ無上菩提心を発せんと欲はば、先ず深心を以て仏の法身を観ぜよ。性海湛寂として無生無滅なり。衆生痴闇にして自ら覚に由なし。諸仏如来、この輩を愍念し大悲の浪を起こして生死の海に流し、大教の網を張って顕密の機を済ふ。しかるに我等今教網に遇うて既に罹れり。當に彼岸近きことを知るべし。今度脱漏せば永く生死に留まらん。當に深広の大菩提心を発すべし。誓願して一切の悪法を断除し、誓願して最上の法門を修習し、誓願して一切の有情を度脱し、誓求して速やかに無上菩提を証せん。所謂菩提とはこれ諸仏法身の六大(地水火風空識)、亦これ衆生本覚の四曼(大曼荼羅、三昧耶曼荼羅、法曼荼羅、羯磨曼荼羅)なり。
問ふ。若し爾れば此の三昧地を修する者は幾くの時分を歴て成就することを得や。
答。若し相続修に拠らば十二年を過ぎずして有相即ち成就し、無相も亦漸く現ぜん。
問ふ。若し爾れば唯この観を修して成仏を得るや。
答。唯此の観によって全く余修なし、懈怠小機の者は順次往生の大願を遂げ、精進大機の者は現身成仏の悉地を得ん。何を以ての故に、一心に萬行を摂して行として行ぜざることなく、一観に諸観を含んじて観ぜざることなし。故に大日経に云く、若し勢力の広く饒益すること無くんば、法に住じて但だ菩提心を観ぜよ。仏この中に萬行を具して浄白純浄の法を満足すと説きたまへり。(祕藏寶鑰に「若無勢力廣増益住法但觀菩提心。佛説此中具
萬行滿足淨白純淨法也。此菩提心能包藏一切諸佛功徳法故。若修證出現則爲一切導師。若歸本則是密嚴國土。不起于座能成一切佛事。讃菩提心曰若人來佛慧 通達菩提心父母所生身 速證大覺位・・」)論に云く、若し人佛慧を求めて菩提心に通達すれば父母所生の身に速やかに大覚の位を証す、といへり。(金剛頂瑜伽中發阿耨多羅三藐三菩提心論「讃菩提心曰
若人求佛慧 通達菩提心 父母所生身 速證大覺位」)。