安岡正篤の「日本精神の研究」から「・・
我が建国の由来を尋ねて先ず敬虔の情を覚えるものは、わが大八州国成立の神話である。天地開闢して後、伊弉諾伊弉冉の男女二柱の神がおのころ島におりられて、まず生まれたのが大八州、即ち日本の国土である。それから水や木や火の神が生まれ、女神は遂に崩御されて夜見の国に行かれた。夜見の国は見てはならない掟であったが男神はその掟を破って穢れを見、馳せかえってその穢れをお洗ひになった時、眼鼻から出られたのが天照大神月読尊素戔嗚尊であった。天照大神がわが皇室のご先祖であることはいふまでもない。してみれば大八州と天照大神とは御兄弟である。同じ親神から先ず大八州が生まれ、のち天照大神が生まれられたといふこの神話に私は不尽の理趣を覚える。・・萬物は一霊源の限りなき支派であって物と心は決して二元的存在ではない。物心本来一であって二ではない。・・人間の生まれたてはまだ塊然たる肉体である。それから次第に複雑な精神作用が始まり崇高な理想も生ずる。佛教の十二因縁説に名色六入から触受愛取と即ち実在感覚から感覚感情意思へと発展してゆく過程を明らかにしている。それはまさに日本国土成立の神話に現れているではないか。
大八州は決して単なる物質ではない。・・天照大神を以て代表せられるわが炎々たる理想精神を無窮に発揚すべき必然的条件として先ずこの大八州が生まれたのであって、日本国土は理想実現の神聖なる使命を有する。仏法の語を仮に用ふるならばまさしく「大乗相応の地」である・・この建国の大義に依ってこの如き神州の尺土と雖も仇に奪わるるは是明らかに民心が死をもって贖うべき罪である。わたしはかの元寇のとき、亀山天皇が身を以て国難に代らむことを祈願されたその御心中に実に悲壮この上もない御覚悟を拝察する。」とあります。
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