地蔵菩薩三国霊験記 13/14巻の7/9
七、清和院の像
洛陽清和院は清和天皇の御開基なり。本尊は観音菩薩なり。堂中に延命地蔵尊を安んず。即清和皇帝の御長を模して六尺二分(約182㎝)なり。叡山一階僧正一刀三礼の刻彫なり。腹心に金泥の法華経八軸を篭られたり。御眼の瞳仏舎利なり。材木は鞍馬寺の毘沙門と一つ木なりとぞ。彼の縁起の中に毎月五日ずつ影向ましまして佛法擁護し玉ふと云々。地蔵毘沙門は一体分身にて在すと云ふこと深秘の事なり。元より勅願の御寺にて祈求の事ましませば其の應心に随ふとなん恐れあれば記し奉り侍らず。