福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

「世界はステキなことでいっぱい」にあった」記事です。泣きました。

2014-02-01 | 法話
内田さんは30年以上もお産の現場にいる。

そこは
「おめでた」ばかりではなかった。


妊娠が分かってから
女性は約10ヶ月の月日を経ながら
少しずつ「母親になる」
という決意をしていく。

それは自分の命を賭けて
産むという決意だ。


わずか50年前
約2000人の母親が
お産のときに命を落としていた。

内田さんが助産師になった
30年前は300人
一昨年でも35人の母親が
自らの命と引き換えに
子どもを産んだ。

死産もある。

ある妊婦は10ヶ月目に入って
胎動がしなくなったことに気が付いた。

診察の結果、胎児は亡くなっていた。

でも、産まなければならない。


普通、お産のとき

「頑張って。

 もうすぐ元気な赤ちゃんに

 会えるからね。」

と、妊婦を励ますが
死産のときには
掛ける言葉がないという。

泣かない子の代わりに
母親の泣き声が分娩室に響き渡る。

その母親は内田さんに

「一晩だけこの子を抱いて寝たい」

と言った。

真夜中、看護師が病室を見回ると
母親はベッドに座って子どもを
だいていた。

「大丈夫ですか?」

と声を掛けた看護師に、母親は

「今、お乳をあげていたんですよ」

と言った。

見ると
母親は乳首から滲み出てくる
乳を指に付けて
子どもの口元に移していた。

「このおっぱいをどんなにか

 この子に飲ませたかったことか。

 泣かない子でも

 その子の母親でありたいと

 思うのが母親なんです。

 何千年の時を経ても

 母親は母親であり続けるんです。」

と内田さん。


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