福聚講

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十七条憲法~第十条

2013-04-12 | 法話
十七条憲法の第十条です。~我々は共に凡夫なので他人を怒らないように。



十に曰はく。忿(いかり)を絶(た)ち瞋(いかり)を棄て、人の違ふことを怒らざれ。人皆心有り。心各執ること有り。彼是(ぜ)なれば吾は非なり、我是なれば則ち彼非なり。我必ずしも聖に非ず。彼必ずしも愚に非ず。共に是れ凡夫(ぼんぶ)のみ。是非の理、誰か能く定む可き。相共に賢愚、鐶(みみがね)の端无(な)きが如し。是を以て彼の人は瞋(いか)ると雖も、還(かへつ)て我が失(あやまち)を恐る。我独り得たりと雖も、衆に従ひて同く挙(おこな)へ。

(十、いきどおりを絶ちいかりを捨て、他人が従わないことを怒らないようにしましよう。他人には皆それぞれ思いが有ります。人は皆自分の思いとらわれるところが有ります。他人が良しとするところは自分は良しとしません。自分が良しとするところは他人は良しとしません。自分も必ずしも聖人ではありません。他人も必ずしも愚者では無いのです。共に凡夫です。親鸞聖人もみずから「愚禿」と名乗り、伝教大師でさえも「塵禿の沙門」と名乗られたくらいです。是非をだれが定めることが出来ましょうか。我々はお互いに賢人でもあり愚者でもあるのです。これはまるで丸い耳輪に端が無いようなものです。ですから他人が人を怒っている事が有っても顧みて自分の落ち度が無いか心配しなさい。自分一人が正しい答えを得たと思っても独断専行しないで皆と共に行動しなさい。)
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