福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

善財童子の訪問者と教え(華厳経入法界品)34

2019-10-04 | 光明真言の功徳
善財童子の訪問者と教え(華厳経入法界品)34

丗三番目、閻浮提の摩竭提(まかつだ)国 甚深妙徳離垢光明夜神(じんじんみょうとくりくこうみょう)

婆沙婆陀夜天に同じ摩竭提国の甚深妙徳離垢光明夜神を訪ねるように言われ,漸漸に遊行して甚深妙徳離垢光明夜神のところに至り今までのように「菩薩の行を修して諸地を具足するやを知らず」と聞きます。甚深妙徳離垢光明夜神は
1、現前三昧を得て一切の佛を見る。2、清浄眼を得て一切の佛の相好厳身を見る。3、一切諸仏の無量無辺の功徳大海を分別了知する。4、無量無辺の佛の光明海が普く一切法界を照らしているとの覚り。5、一切の佛の毛穴から衆生済度の大光明を放っているとの覚り。6、その一々の毛穴から宝光炎海がでていることの認識。7、念念の中に一切の佛が変化してあらゆる法界に充満し衆生を救っているとの覚り。8、一切の佛の妙音が三世に轟き法輪を転ずることの覚り。9、仏音を究竟して深く一切の如来海に入る。10、不可思議なる仏の自在神力を現じて衆生を化度する。
この十法を具れば菩薩の一切諸行を満足することになる、という。そして自分は第一禅から第四禅までの深い禅定を体得して衆生を度脱している、すなわち【寂滅定樂精進法門】を成就しているといいます。


「善男子。我已に菩薩【寂滅定樂精進法門】を成就せり・・・我如是に一切如來を了知して菩薩寂滅定樂精進法門を開發増廣し、照明莊嚴して深く平等に隨順する堅固境界に入り分別了知して虚妄を遠離し、大悲を發起して攝取衆生し未だ曾って一心寂定を捨離せずして初禪を正受し意業を除滅し寂智力を得て攝取衆生して歡喜悦樂して、第二禪に入り、生死を捨離し寂滅涅槃して衆生の性を觀じて第三禪を修し一切衆生の諸煩惱苦を滅して、第四禪を修し一切智菩提心願を増長して菩薩一切三昧海を出生し巧妙方便して菩薩一切法門海を究竟し、菩薩遊戲神通を成就し、菩薩自
在所行を出生し、明淨智慧は深く普門法界に入れり。善男子。我れ如是に菩薩寂滅定樂精進法門を修習して種種方便をもて度脱衆生す。」


これは菩薩五十二位の下から丗二番目、十地の下から二番目ということで華厳五十五所絵巻でも「第二離垢地」としています。華厳経十地品二十二の二に「離垢地」の描写があり、これによれば十善戒をまもれるのは離垢地の菩薩であり、また我々は前世で十善戒を守ったおかげで人間に生まれてくることが出来たとされます。
甚深妙徳離垢光明夜神は「一切の仏を見た」とされます。仏さまを見たという話は今でもよくあります。とりあえず二例挙げておきます。

・「(終戦直後の最も厳しい混乱期に好相行と12年籠山行を成満した堀沢祖門師は)好相行中三か月が過ぎたころの真夜中、目をとじているのに突然御仏が眼前に感じられ、驚いて目を開き、また閉じても仏様は動かずにこちらを見てくださっていたということです。4、5メートルのところに2メートルくらいの高さで極彩色で立っておられたとのことです。・・堀沢師はお釈迦様だと直感し『南無釈迦牟尼仏』と大声で何度もとなえて涙が止まらなくなりました。やがてお釈迦様の右手から細い帯が伸びてきて堀沢氏の腰のあたりをぐるりと回ってその帯を仏様が手に取られてゆっくりと後方に立ち上がられるとともに堀沢師の腰が浮き上がりかけ、そのときお釈迦様はお姿が消えたということでした。(「いまこそ宗教者のいのりと願いを」、小林隆彰、大法輪20年1月)」
・「歯科医が川で溺れ、父親が「南無大師遍照金剛」と必死でご宝号をお唱えすると、ドラム缶が流れてきて、流されている歯科医はそれが「わしにつかまれ」といった気がして必死につかまって助かった、その後お礼に四国88所を回り石手寺の修行大師を拝したとき歯科医はこの方が自分を助けてくださった方だと悟った。(「大師はいまだおわしますか」(添田隆昭師)
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