福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

善財童子の訪問者と教え(華厳経入法界品)35

2019-10-05 | 諸経
善財童子の訪問者と教え(華厳経入法界品)35
丗四番目、閻浮提の摩竭提国 喜目観察衆生夜神
甚深妙徳離垢光明夜神から同じ摩竭提国の喜目観察衆生夜神という夜の女神に会うように勧められた善財は如來の説法会座中において寶蓮華師子座に坐す喜目觀察衆生夜天に会う。夜天は【普光喜幢法門】を成就しており、十波羅蜜により衆生を済度しているという。

爾時善財、往きて喜目觀察衆生夜天に詣ず。彼の夜天を見たてまつるに如來の所に在して大衆中において寶蓮華師子之座に處す、菩薩の【普光喜幢法門】を正受したまう。一切の毛孔より衆の妙雲を出し、其れを見ること有る者は欣悦無厭なり。所謂る智慧行の雲は衆生を饒益して諍訟を離れ諸法に著せず。平等心を以て普く衆生を攝す。三世の菩薩布施修行して悉く内外の捨難き物を捨つることを顕し、十方衆生皆悉く覩見す。又、一切毛孔に於いて衆生數に等しき菩薩變化身雲を出して法界に充滿し衆生前に現ず・・
一一の毛孔に於いて一切佛刹微塵に等しき變化身雲を出し、普く一切諸衆生前に現じ、普賢行を修し普賢願を満じ、一切の大願を讃歎究竟し、念念中に於いて一切諸世界海を嚴淨し、念念中に於いて一切諸佛を恭敬供養し、念念中に於いて悉く能く一切法海を受持し、念念中に於いて一一微塵中に一切世界海微塵に等しき法界の方便海を出生して一切刹を住持し、一切劫に一切智道を淨めて未曾って休息せず。・・・この法門を得おわりて無量の衆生を饒益し化度せり。」

この菩薩は菩薩五十二位の下から丗三番目、十地の下から三番目ということで華厳五十五所絵巻でも「第三発光地」としています。発光地とは「忍辱波羅蜜を成就した功徳として光を放ち十種の法明門を行う」位です。喜目観察衆生夜神は十波羅蜜により衆生を済度している菩薩です。

私淑するN老尼は僧俗を問わず周囲に惜しみなく布施をする方です。何十年もこうして莫大な布施を続けてきています。財源が心配になりますが枯渇しないようです。良寛さんの「 焚くほどは 風がもて来る 落葉かな」をもじれば「布施すればおのずと積る檀施かな」とでもいうところでしょう。
慈雲尊者の「人となる道」でも「不慳貪」の項に「本事経に『苾蒭當に知るべし、我世間を観ずるに別の一法の群生を繋縛して生死長途に馳騁流転せしむること、貪愛結の如くなるはなし。ゆえは如何、世間の群情貪愛結に繋縛せらるるによるが故に,生死長途に馳騁流転す。・・』・・・不貪欲の法、近くは人天の福徳也。遠くは三界を超越するなり」
とあります。
惜しみなく布施すれば十善戒の不慳貪の戒を護ったことになり、福徳を招くというのです。



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