福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

金山穆韶『大日経綱要』の要約その19

2014-11-09 | 諸経
第二、三句の答説、
四、大日経により大師は十住論に「如実知自心」の意味を述べられている「秘密荘厳心とは即ちこれ究竟して自心の源底を覚知し、実の如く自身の数量を証悟す、所謂胎蔵海会の曼荼羅、金剛界会の曼荼羅、金剛頂十八会の曼荼羅これなり(心の最終的な高みである秘密荘厳心とは自分の心の奥底を覚知し、自分の体の神秘を悟ことである。金剛界、胎蔵界の曼荼羅はこのこと(心と体が曼荼羅であること)をあらわしている。)」・・・大日経疏では「是のごとくの浄信心をして堅牢増長ならしめんがために經の中に、大悲を根とする、と説く・・この中に大悲というは大慈を明かすなり。且らく行者供養を修するときは若しくは一花、あるいは塗香等を奉るに即ち遍一切所も浄菩提心を以て供養雲を興し、普く仏事をなして悲願を発起し群生に回向して一切の苦を抜き、無量の楽を施す。自の善根と如来の加持と法界力とによるが故に、所為の妙業皆成就することを得る。…方便究竟とは万行円極してまた増すべきことなく応物の権、能事を究尽す。すなわち醍醐の妙果三密の源なり。」行者の修行力と本尊の加持力と法界の加持力により修するところの善行が一切世界に根を生じ、永劫不尽の価値を生ずる。このように加持瑜伽の行により無明煩悩の消滅するのを「大悲を根とする」といい、三密加持の修行により如来と共に衆生の救済極まりなきを「方便究竟」という。
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