福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

「玉かがみ」その7(最終回)

2018-08-11 | 光明真言の功徳
毘盧遮那仏説金剛頂経光明真言に曰く、

唵おん阿あ謨ぼ伽きゃ吠嚧べいろ左曩しゃのう摩賀母捺羅まかぼだら摩ま抳に鉢はん納麼どま 入縛じんば 羅鉢羅らはら 蒟多ばりた野や 吽うん発侘はった娑訶そはか


「唵おん」とは敬う義なり。「阿あ」とは金剛界胎蔵界両部の大日如来なり。「謨ぼ」とは天地の諸神なり。「伽きゃ」とは一切衆生の身体なり。「吠嚧べいろ」とは観音の浄土の相なり。「左曩しゃのう」とは三世の諸佛の異名なり。「摩賀母捺羅まかぼだら」とは一切の諸法なり。「摩ま」とは文殊菩薩なり。「抳に」とは忉利天に生ずるなり。「鉢はん」とは八大竜王なり。「納麼どま」とは地蔵菩薩なり。 「入縛じんば」とは三界衆生の形なり。「羅鉢羅らはら 」とは五十大乗経なり。「ば」とは十羅刹なり。「りた」とは十大弟子なり。「野や」とは八大地獄の苦しみを免るる言なり。殊更当来の導師弥勒菩薩なり。「吽うん」とは四大尊なり。一切成就の義なり。「発侘はった」とは地獄を破裂して浄土となる言なり。「娑訶そはか」とは五佛の密言、大菩提の果を証得する言なれば、この真言にもるること更になし。これしかしながら二世の満足、何事かこれに及ばん。あなかしこ。あなかしこ。
愚僧百余種の食物を断ちし事は、一切土民の患ひ、しょうかの営みを思ひ、天然とみのりしこの身をわずかに掌のうちに以って、一食として、厠虫を養ふ。これを定家興も「春の早苗、秋田刈干す、ぞめきまで、くるしく見ゆる、しずのおだまき」 とながめたまふ。さて菩薩の三聚浄戒は一切衆生功徳の願あり。総じて出家といひしは持戒をもととす。
戒なきを在家と申すなり。これ仏弟子の定まりしところなり。湯茶を服せざるは不殺生の心にていませし。薄き衣服は紡績の苦労をおもへばなり。一生涯昼夜の不臥はねぶりを覚まして、光明真言を数編となえて三界人天一切の貴賤りょうとう平等利益の為に、祈願回向したてまつる。願以此功徳 普及於一切 我等与衆生 皆共成仏道。大僧正以空。(右此の書は寛文二年後水尾院法皇、本院御所叡聞に達し、紫宸殿に召され、光明真言を講じ、一巻の書を編みて、両家に献じ奉りたまふ。そのとき、勅により、玉鏡と勅号下しおかれしにより梓にちりばめ今にいたるまで世に流布すと也。)終わり

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