福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

地蔵菩薩三国霊験記 6/14巻の17/22

2024-08-29 | 先祖供養

地蔵菩薩三国霊験記 6/14巻の17/22

十七、  火難除滅の事(今昔物語集巻十七地蔵菩薩値火難自出堂語 第六にあり)

一條院の御宇(980から1011)に土佐國室戸津に一宇の草堂あり。津寺と俗に云ふ(現在の四国25番津照寺)。彼の地、海岸孤絶して人里不通のみぎりなり。然るに四邊の草木皆野火の為に焼き失れ焔すでに堂にうつりなんとするとき、小僧一人走り廻る。津のあたりの人来集りて見るに四方の草木皆やけて堂は火焔にうつ゛もれてありしに本尊地蔵にて在すが御足に泥付き蓮花を離れて庭に立ち給へり。脇士の毘沙門天は手にぬれたる松の葉を持て庭に立ち玉ふ。人皆稀有の思をなしけり。是地蔵菩薩の告げ玉ふにこそとしられたり。有難や、それよりこのかた往来の舟人も人民あまたぞ詣でける。長徳三年(997)に賀登上人阿波の國より来て彼の寺に籠れり。一両年の間に観音浄土補陀落山に参るべき由をせめ祈玉ふに感有りて示現度々蒙てつひに長保三年(1001年)八月十八日に弟子栄念と虚舟にのり午の刻にともつなをときて遥かなる万里の波をしのぎ飛ぶが如くに去り玉ふ。男女貴賤肝を消す。後にのこる御弟子達足すべりをして哀にけり。それより彼のところを足摺の御崎とは申す也。人皆所願あらば先ず地蔵菩薩に祈り奉るべし。

引証。本願經に云、地蔵の形像を作して燒香供養瞻禮讃歎せば是人居處に即ち十種の利益を得。何等をか十と為す。一には土地豐壤。二には家宅永安。三には先亡生天。四には現存益壽。五には所求遂意六には無水火災。七には虚耗辟除。八には杜絶惡夢。九には出入神護。十には多遇聖因云々(地藏菩薩本願經地神護法品第十一「作地藏形像燒香供養瞻禮讃歎。是人居處即得十種利益。何等爲十。一者土地豐壤。二者家宅永安。三者先亡生天。四者現存益壽。五者所求遂意六者無水火災。七者虚耗辟除。八者杜絶惡夢。九者出入神護。十者多遇聖因」)。

 

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