古事記に疫病の記事があります。
崇神天皇の時に疫病が流行り、多くの国民が死んだが、天皇の前に、大物主神が現れ、この災いは自分の意志である、意富多多泥古(おほたたねこ・大田田根子)なる人物をもって祀らせれば、国は平安になると言ったので探し出すとその人は大物主神の子孫であった。大物主神の託宣のとおりに意富美和(おほみわ)の大神を祀らせ、天神地祇を祀らせると国は平安になった,というものです。
『古事記』中巻 崇神天皇(第 10 代・紀元前1世紀頃か)に
「 この天皇の御世に、疫病多に起こりて、人民死にて尽きむとしき。 ここに天皇愁ひ歎きたまひて神牀 かむどこに坐ましし夜、大物主 おほものぬしの大神、御夢に顕はれて曰く、
『こは我が御心ぞ。故、意富多多泥古(おほたたねこ) をもちて、我が御前を祭らしめたまはば、神の気起こらず、国安らかに平らぎなむ。』とのりたまひき。
ここをもちて駅使はゆまづかひを四方に班あかちて、意富多多泥古(おほたたねこ)と謂ふ人を求めたまひし時、河内の美努村(みののむら)にその人を見得て貢進りき。
ここに天皇、「汝は誰が子ぞ。」と問ひたまへば、答へて曰く、「僕 あは大物主 おほものぬしの大神、陶津耳命(すゑつみみのみこと)の女・活玉依毘賣(いくたまよりびめ)を娶して生める子、名は櫛御方命 (くしみかたのみこと)の子、飯肩巣見命 (いひかたすみのみこと) の子、建甕槌命( たけみかづちのみこと)の子、僕 あれ、意富多多泥古(おほたたねこ) ぞ。(古事記では意富多多泥古は大物主の五世の孫となっているが日本書紀では単に大物主の孫となっている)」白しき。
ここに天皇大く歓びて詔りたまひしく、「天の下平らぎ、人民栄えなむ。」とのりたまひて、
すなはち意富多多泥古命(おほたたねこのみこと) をもちて神主として、御諸山(みもろやま) に意富美和 (おほみわ) の大神の前を拝 いつ き祭りたまひき。
また伊迦賀色許男命( いかがしこをのみこと・物部氏の先祖) に仰 せて、天の八十平瓮 (やそびらか・平瓮) を作り、天神地祇 (あまつかみくにつかみ)の社を定め奉りたまひき。
また宇陀の墨坂(すみさか)の神に赤色の盾矛を祭り、また大坂の神に墨 くろ 色の盾矛を祭り、また坂の御尾の神、また河の瀬の神に、悉に遺のこし忘るること無く幣帛 みてぐら を奉りたまひき。
これによりて 役 えやみ の気け悉に息みて、国家 あめのした安らかに平らぎき。」
崇神天皇の時に疫病が流行り、多くの国民が死んだが、天皇の前に、大物主神が現れ、この災いは自分の意志である、意富多多泥古(おほたたねこ・大田田根子)なる人物をもって祀らせれば、国は平安になると言ったので探し出すとその人は大物主神の子孫であった。大物主神の託宣のとおりに意富美和(おほみわ)の大神を祀らせ、天神地祇を祀らせると国は平安になった,というものです。
『古事記』中巻 崇神天皇(第 10 代・紀元前1世紀頃か)に
「 この天皇の御世に、疫病多に起こりて、人民死にて尽きむとしき。 ここに天皇愁ひ歎きたまひて神牀 かむどこに坐ましし夜、大物主 おほものぬしの大神、御夢に顕はれて曰く、
『こは我が御心ぞ。故、意富多多泥古(おほたたねこ) をもちて、我が御前を祭らしめたまはば、神の気起こらず、国安らかに平らぎなむ。』とのりたまひき。
ここをもちて駅使はゆまづかひを四方に班あかちて、意富多多泥古(おほたたねこ)と謂ふ人を求めたまひし時、河内の美努村(みののむら)にその人を見得て貢進りき。
ここに天皇、「汝は誰が子ぞ。」と問ひたまへば、答へて曰く、「僕 あは大物主 おほものぬしの大神、陶津耳命(すゑつみみのみこと)の女・活玉依毘賣(いくたまよりびめ)を娶して生める子、名は櫛御方命 (くしみかたのみこと)の子、飯肩巣見命 (いひかたすみのみこと) の子、建甕槌命( たけみかづちのみこと)の子、僕 あれ、意富多多泥古(おほたたねこ) ぞ。(古事記では意富多多泥古は大物主の五世の孫となっているが日本書紀では単に大物主の孫となっている)」白しき。
ここに天皇大く歓びて詔りたまひしく、「天の下平らぎ、人民栄えなむ。」とのりたまひて、
すなはち意富多多泥古命(おほたたねこのみこと) をもちて神主として、御諸山(みもろやま) に意富美和 (おほみわ) の大神の前を拝 いつ き祭りたまひき。
また伊迦賀色許男命( いかがしこをのみこと・物部氏の先祖) に仰 せて、天の八十平瓮 (やそびらか・平瓮) を作り、天神地祇 (あまつかみくにつかみ)の社を定め奉りたまひき。
また宇陀の墨坂(すみさか)の神に赤色の盾矛を祭り、また大坂の神に墨 くろ 色の盾矛を祭り、また坂の御尾の神、また河の瀬の神に、悉に遺のこし忘るること無く幣帛 みてぐら を奉りたまひき。
これによりて 役 えやみ の気け悉に息みて、国家 あめのした安らかに平らぎき。」